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第733話

Penulis: かおる
仁志はスマホを取り出し、雅臣のいる方向へレンズを向けた。

カシャ――音もなく一枚の写真を撮ると、そのまま清子へと送信した。

メッセージには短く、ひとこと。

【俺にできるのは、ここまでだ】

ほどなくして、返信が返ってきた。

まるで待ち構えていたかのように、ほとんど一瞬の早さだった。

【すぐに行くわ!】

そして数秒後、もう一通。

【仁志、本当にありがとう】

画面を閉じると、仁志はペットボトルの水を四本手に取り、ゆったりとした歩調で戻っていった。

会場に戻ると、明日香が星の向かいの席に腰を下ろし、何やら穏やかに話し込んでいた。

テーブルの上には、さきほど仁志が買ってきた水が四本並んでいる。

仁志の耳は鋭い。

その距離からでも、明日香の声が微かに届いた。

「もう一度よく考えてみて。

もしあなたが戻ってきてくれるなら、父は雲井グループの株を一〇パーセント――あなたに譲るつもりよ」

星は返事をしようとしたが、ちょうどそのとき仁志が戻ってきた。

彼女は表情を変えず、短く答える。

「......ええ。

考えてみるわ」

明日香は満足げに立ち上がった。

「じゃあ、
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