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第13話

Auteur: 浮島
蒼空は、瑛司と薬の件で言い争う気などなかった。

何度やり取りしたところで、結末は変わらない。

瑛司は、瑠々にとって最強の、そして最高の庇護者なのだから。

彼女は窓の外に視線を向けたまま、淡々と言う。

「あなたのところには行かない。降ろすか、松木家へ送るか、どちらかにして」

短い沈黙の後、瑛司がふっと含み笑いを漏らした。

「腕を上げたな」

蒼空は彼に視線を戻し、平然と問う。

「で、どうする?」

黒い瞳が、闇に潜む獣のように冷たく光る。

やがて、唇の端がわずかに持ち上がった。

「昔は泣いて騒いで俺の所に住みたいと懇願したくせに、今度は帰りたいと喚くのか。

蒼空、物事はお前の思い通りにはならない。

俺の前で、お前に選択肢はない」

蒼空は奥歯を噛み締め、睨み返した。

結局、彼女はそのままマンションへ連れて行かれた。

ドアの前に立つ蒼空の体には、あからさまな拒絶の色が宿っていた。

ここは、彼女がはっきりと覚えている場所だ。

瑛司が瑠々と恋人同士だった頃に買った新居。

二人の仲睦まじさの証。

前世、彼女と咲紀はここに閉じ込められ、外へ出ることを許されなかった
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