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150.地下通路に現れた、新たな脅威

last update Última atualização: 2025-08-24 11:05:48

サラリオside

私は、鉄格子の冷たい感触を無視して葵の小さな手を強く握りしめた。彼女の顔はやつれ、その瞳には深い疲労と恐怖の色が宿っていた。私は、自分の無力さを恥じ、そして父に対する激しい怒りが込み上げてくるのを感じた。

「葵、すまない……。私が、私がすぐに気づいていれば……。」

「サラリオ様、来てくださって……よかった……。」

彼女の震える声を聞いて、私の心臓は張り裂けそうになった。私は、腰に携えていた剣を抜き、鉄格子の鍵穴に差し込んだ。一瞬、躊躇したが、迷いはなかった。父の命令など、今の私にはどうでもよかった。

ガキン、バキィン!

剣を捻り、鍵を破壊すると鉄格子の扉が音を立てて開いた。私が葵を抱きしめると、彼女の身体が震えているのを感じた。

「もう大丈夫だ。私が、私が絶対に君を守るから。」

彼女の髪を優しく撫で、その小さな身体を腕の中に閉じ込めた。この温かさこそが私のすべてだった。

その時、私は葵の身体が薄い肌着しか身につけていないことに気づいた。そして、生地もいつも身に着けているものより粗末な物だった。

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