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第31話

Author: 結奈々
柚香はずっと不思議に思っていた。いつも謙虚で礼儀正しく、評判もいいはずの時也が、噂とはまったく違うと。

「どうしてなの」柚香には理解できなかった。

「俺がいなきゃ、君がどれだけ間抜けか、試してみたかっただけだよ」遥真は容赦なく言い捨て、虫けらを見るような目で続けた。「結果を見ればわかるだろ。救いようがないほどバカだ」

「私がバカ?それとも、あなたが勝手に首突っ込んできてるだけ?」柚香は視線をまっすぐ返し、初めてはっきりと二人の境界線を引いた。「あなたが私の生活に手を出さなければ、こんなことにはなってないわ」

遥真のまとう空気がじわりと冷え、表情が氷のように凍りついた。

柚香は時也から自分のスマホを受け取り、最後に遥真へひと言だけ投げた。

「男なら、玲奈とちゃんと生きなよ。もう私に関わらないで」

そう言い切ると、柚香は真帆の手を引いてそのまま去った。一秒たりとも留まらずに。

浴室には遥真と時也だけが残り、一気に嵐のような重い空気が充満した。

「奥さん、全然君の気持ちを受け取ってないみたいだな」時也が軽く咳払いする。

遥真が鋭い目を向ける。

時也はすぐに察して言っ
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