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第9話:グループ課題は地獄の始まり②

Author: 花柳響
last update Last Updated: 2025-10-23 22:01:55

 そうして私たちが流れ着いたのは、大学の門を出てすぐの、ごく普通のファミリーレストランだった。ガヤガヤとした店内の雰囲気は、先ほどのカフェテリアとはまた違う騒がしさがある。

 席に着くなり、天王寺先輩は「さて」と楽しそうにメニューを広げた。

「俺、お腹空いちゃったな。月詠さんは?あ、そうだ、ドリンクバー頼むよね?」

「は、はい!もちろんです!」

「じゃあ、俺、先になんか取ってくるよ。何がいい?」

 彼が、私に天使の笑顔を向ける。違う、先輩!あなたが聞くべきは、私じゃなくて!

「わ、私は後で……!そ、それより、氷室くんは!氷室くんは何が飲みたい気分ですか!?」

 私が、必死の形相でパスを出す。

 すると、氷室くんは私と天王寺先輩の顔を交互に一度だけ見ると、静かに、しかしはっきりと立ち上がった。

「……僕が行こう」

「え?」

「君は、座ってていい」

 そう言って、彼は私の分のコップまで手に取ろうとする。

 その瞬間、それまで笑顔だった天王寺先輩の空気が、すっと変わった。

「いや、いいよ氷室くん。俺が行くって言ったんだから。君こそ座ってて」

「……君は、テーマの骨子をまとめておいてくれ。飲み物は、僕がやる」

「その必要はないよ。俺がやるから」

「……僕が、やると言っている」

 ばち、ばち、ばち。

 テーブルを挟んで、私の目の前で、見えない火花が激しく散っている。二人の視線が、ドリンクバーのコップを巡って、鋭く交差する。

 始まったわ、二人の痴話喧嘩!「(氷室くんに格好いいところを見せたいから)俺が飲み物を持ってくる!」「(天王寺先輩の手を煩わせたくないから)いや、僕がやる!」という、お互いへのアピール合戦!

 私への親切を口実にした、高度なイチャイチャ……!

 尊い……!尊すぎる……!ファミレスのど真ん中で、こんな神々しいやり取りを見られるなんて……!

 だが、このままでは、二人の戦いが終わらない。そして、私は、二人の共同作業を、何よりも見たいのだ。

「あ、あの!」

 私は、意を決して、二人の間に割って入った。

「せっかくですし、お二人で、行ってきてはいかがでしょうか!?私は、ここで、おとなしく、二人の愛の巣(テーブル)を守っておりますので!」

 私の完璧な提案に、二人はぴたりと動きを止めた。そして、同時に私を見ると、何とも言えない、複雑な表情を浮かべる。

「……月詠さ
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