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第100話……惑星アクア

last update Date de publication: 2026-07-23 12:47:41

 ――聖帝国暦六四五年五月上旬。

 カスパル=アーヴィングを乗せた宇宙船は、追撃を受けることなく、無事に惑星アクアへ到着した。

 惑星アクアは、ルントシュテット伯爵領に属する軍事拠点である。

 地表の九六パーセントが海洋に覆われ、残る四パーセントの陸地も、そのほとんどが飛行場、宇宙港、防空施設などの人工構造物によって占められていた。

 宇宙船は大気圏へ降下すると、広大な海面へ着水した。

 そのまま船体を沈め、海中航行へ移行する。

 客室の窓の外には、色鮮やかなサンゴ礁が広がっていた。海藻が潮流に揺れ、岩礁の間を無数の魚たちが泳ぎ回っている。

 戦乱とは無縁に見える、美しい海であった。

 だが、巨大なサンゴ礁の裏側へ回り込むと、その景色は一変した。

 海底の岩盤に、巨大な隔壁が埋め込まれている。

 接近する宇宙船から暗号信号が送られると、岩肌に偽装された扉が左右に開き、奥から青白い誘導灯が浮かび上がった。

 惑星アクアの海中宇宙港である。

「若様」

 ルントシュテット伯爵は、誇らしげに眼下の施設を示した。

「この惑星は、我が先祖が幾代にもわたり築き上げた拠点にございます。その防御力は、
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