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第379話

作者: フカモリ
何度か口を開きかけたものの、その度に言葉を飲み込み、何をどう切り出せばいいのか迷っているようだった。

コップを手に、真琴は一口啜り、ただ沈黙をもって彼の出方を待った。

しばらく彼女を見つめた後、貴博は込み上げる疑問を全て飲み込み、ただ穏やかな眼差しを向けながら、優しく包み込むような声で尋ねた。

「元気に……していましたか?」

その問いに、コップを持つ真琴の右手にグッと力が入り、手の甲の血管が微かに浮き出た。

貴博の瞳を真っ直ぐに見返し、しばらくの沈黙の後、静かに答えた。

「ええ、元気にしています」

その一言で、貴博には全てが理解できた。

多くを語る必要などなかった。

食い入るように彼女を見つめる貴博の目元が、じんわりと赤く染まった。

この歳になるまで、政界の清濁を併せ呑んできた彼が、これほどまでに感情を露わにするのは初めてのことだった。

微動だにせず彼女を見つめ続けた後、貴博は明るい声を出した。

「西脇博士、決裁書を二つ処理したら、東都市をご案内しましょう。現在のここの研究環境をぜひ見ていただきたい」

真琴が正体を隠したがっているのなら、彼もそれに合わせて一切
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