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第489話

作者: フカモリ
恭介の視線がずっと自分に向けられていることに気づき、真琴は柔らかな笑みを浮かべて挨拶した。

「五十嵐先生」

その温和な態度に、恭介は感慨深げに口を開いた。

「辻本くん、君はやはり期待を裏切らないな」

真琴は謙遜して返した。

「過分なお褒めの言葉、恐れ入ります」

そう言葉を交わした後、恭介は言った。

「辻本くん、今日の午後、少し時間は取れるかね?込み入った話をしたいのだが」

恭介からの誘いに、真琴は手元のスケジュールにちらりと視線を落としてから答えた。

「お昼休みのお時間帯でもよろしいでしょうか?午後はラボに戻らなければならないため……」

「ああ、構わんよ。それで問題ない」

そうして二人は、昼の祝賀レセプションには出席せず、茶寮へと向かった。

前回と同じ茶寮だった。

今回、真琴は店員には頼まず、自らの手で急須を手に取り、恭介のために茶を淹れた。

その流れるような所作は、茶道家にも引けを取らないほど見事なものだった。

「先生、どうぞ」

茶を淹れ終えると、真琴は恭しく恭介の湯呑みに注いだ。

両手で差し出された煎茶を受け取りながら、恭介はこの若い女性の器の大き
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