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第8話

last update 公開日: 2025-12-26 17:00:00

12月上旬。冬の朝は、まだ暗い。

あの運命の応募から、数週間。

早朝6時。私は、スカイレジデンス東京の前に立っていた。

大きなスーツケースを転がし、もう一つのバッグを肩にかける。全財産が、この二つに収まっている。

吐く息が白い。冷たい空気が、頬を刺す。

警備員に挨拶をして、エレベーターに乗り込む。

神崎さんから渡されたカードキーをかざし、最上階のボタンを押した。

上昇していくエレベーター。窓から見える景色はまだ薄暗いけれど、遠くに朝焼けの気配が感じられる。

今日から、ここが私の住む場所。緊張と不安と、そして少しの期待。

チーン、という電子音。扉が開くと、神崎さんが待っていた。

「おはようございます、森川さん。ようこそいらっしゃいました」

穏やかな笑顔。

「おはようございます」

私は頭を下げた。

「荷物はこちらに。まずは内部をご案内します」

神崎さんは私のスーツケースを持ち、

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