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第352話

Auteur: 雨の若君
親が子のために嘘をつくのは、世の常だ。

だが、裕美がその話をした時のあの揺るぎない眼差しは、到底、嘘をついている者のそれには見えなかった。

もし本当に、学が自らの意志で薬物を使用していたのではないとしたら、それは一体どこから入り込んだのか。

誰が彼にそれを手渡したのか。

そしてこの一件において、美宜は事情を知っていた傍観者なのか、あるいはすべてを仕組んだ首謀者なのか。

美宜があまりにも素直にお見合いに応じたことに、素羽は以前から拭い去れない違和感を抱いていた。

今までの不可解な出来事を繋ぎ合わせていけば、美宜の関与を疑うのは極めて妥当な結論といえる。

そこまで思考を巡らせたところで、素羽は静観することを決めた。

誰しもが心の奥底に自分本位な毒を飼っている。今の美宜が司野に擦り寄ろうとしているのは、火を見るよりも明らかだ。

司野の側にも美宜に対する負い目がある。罪悪感という名の綻びは、人の心を脆くさせる。それが美宜を増長させ、結果として彼女の思う壺に嵌まっていく。

その流れが自分にとって有利に働くのであれば、あえてそれを止める理由はどこにもなかった。

——

初夜の
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