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第14話

作者:
後を追うように入ってきた仁美は、娘が取り乱した様子を見て慌てて止めに入ろうとした。

だが義一は先に立ち上がり、一歩早く仁美を連れ出した。

「自分で撒いた種だ。自分で片づけろ」

バタン。

書斎の扉が固く閉ざされる。

静まり返った部屋の中で、明音は涙に濡れた顔で黙り込む淳人を見つめていた。

その胸は張り裂けそうなほど痛かった。

ふと、自分がこれまで淳人に捧げてきた時間は、すべて無駄だったのではないかと思ってしまう。

二人の関係では、この先一生、堂々と結ばれることなどできない。

それでも構わなかった。

淳人が自分を愛し続けてくれるなら、それだけでよかった。

だから彼が何度も自分のお見合いを潰してもよかった。

何度も他の男のもとから連れ戻されてもよかった。

新婚の妻を放って、自分だけを優先してくれることさえ嬉しかった。

このままずっと続いていくのだと思っていた。

ところが、日南が離婚して海外へ渡ったという知らせは、明音にとって思いがけない吉報となった。

歓喜した。

これでようやく、淳人と永遠に、堂々と一緒にいられると思った。

だが夢にも思わなかった。

淳人
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