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63. 総力≪All/Efforts≫

Penulis: Mr.Z
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-27 23:51:58
 かなり離れているのに、こちらの全身にまで熱さが伝う。

 あんなもん撃たれたら⋯⋯俺たちまで焼き溶ける⋯⋯!

「アマッ! 階銃をスアのに撃てッ!! あれだったら、あの"デカい金の時計塔"を止められるかもしれないッ!!」

 俺の叫びに頷き、階銃を取り出す。

「⋯⋯白神楽さん、アイツに構えて!」

 アマが言うと、スアは即座にヤツへと"苅銃"を構えた。

 銃口辺りからピンクの鏡を乗せた羽が4枚伸び、新型人工衛星の顔へと移行する。

 あの銃を学園で初めて見た時の印象は、今でも強く脳裏に焼き付いている。

 "赤いProtoNeLT"の色を剥がし、動きを止めたという事実を。

 俺、アマ、エンナ先輩、スアの4人の中だったら、ここで適任なのはスアなんだ。

 そして階銃が放たれると、スアの"苅銃"は強制突然変異し、"別個の鏡がたちまち広大化"し始めた。

 なんとその鏡からもピンクの衛星が現れ、俺の海銃5頭の時と同じような、芯部含めた"計5機の新型人工衛星"へとなった。

 それが撃たれた瞬間、まるで交換されたかのように5機へと何かが吸い込まれ、と同時にヤツの"デカい金の時計塔"は真っ白くなってひび割れていく。

 動いていた時計の黒い針も止まっており、再び高熱なものは溜まる様子は無かった。

「次はエンナ先輩にッ! ここで叩き込まないと終わるッ!」

 さらに先輩の"壊銃"へと、アマの階銃の一撃が注ぎ込まれと、"オーロラのようなウェディングベール状の4枚羽"が前面を包み、"2頭の恐竜口はより凶悪なモノ"へと変わり果てた。

 それらからは数えきれないほどの、ベールに包まれた四角い純白レーザーが一斉放出されていく。

 しかし、"機械巨竜?"の右腕を飛ばしただけで、ヤツの動きを完全にどうにかするまでは至らなかった。

「あれをくらっても片腕なのかよ⋯⋯ッ!」

 刹那、ヤツが俺らの方を向く。

『グオォォォォァァァァァァァァッ!!!!!!!!』

 あまりに不快な雄叫びが3階全体に反響し、呼ばれたように来た強風で目を瞑ってしまうと、開けた時にヤツはいなくなっていた。

「アイツ⋯⋯どこ行った⋯⋯?」

 ヤツがいたとこには、さっきのが嘘だったみたいに何も無い。

 本当に嘘だったんじゃないかとさえ思えてきた。

 仕舞っていた"不可思議な羽根"を今一度見てみると、
Mr.Z

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  • 異常のダイバーシティ   63. 総力≪All/Efforts≫

     かなり離れているのに、こちらの全身にまで熱さが伝う。  あんなもん撃たれたら⋯⋯俺たちまで焼き溶ける⋯⋯! 「アマッ! 階銃をスアのに撃てッ!! あれだったら、あの"デカい金の時計塔"を止められるかもしれないッ!!」  俺の叫びに頷き、階銃を取り出す。 「⋯⋯白神楽さん、アイツに構えて!」  アマが言うと、スアは即座にヤツへと"苅銃"を構えた。  銃口辺りからピンクの鏡を乗せた羽が4枚伸び、新型人工衛星の顔へと移行する。  あの銃を学園で初めて見た時の印象は、今でも強く脳裏に焼き付いている。  "赤いProtoNeLT"の色を剥がし、動きを止めたという事実を。  俺、アマ、エンナ先輩、スアの4人の中だったら、ここで適任なのはスアなんだ。  そして階銃が放たれると、スアの"苅銃"は強制突然変異し、"別個の鏡がたちまち広大化"し始めた。  なんとその鏡からもピンクの衛星が現れ、俺の海銃5頭の時と同じような、芯部含めた"計5機の新型人工衛星"へとなった。  それが撃たれた瞬間、まるで交換されたかのように5機へと何かが吸い込まれ、と同時にヤツの"デカい金の時計塔"は真っ白くなってひび割れていく。  動いていた時計の黒い針も止まっており、再び高熱なものは溜まる様子は無かった。 「次はエンナ先輩にッ! ここで叩き込まないと終わるッ!」  さらに先輩の"壊銃"へと、アマの階銃の一撃が注ぎ込まれと、"オーロラのようなウェディングベール状の4枚羽"が前面を包み、"2頭の恐竜口はより凶悪なモノ"へと変わり果てた。  それらからは数えきれないほどの、ベールに包まれた四角い純白レーザーが一斉放出されていく。  しかし、"機械巨竜?"の右腕を飛ばしただけで、ヤツの動きを完全にどうにかするまでは至らなかった。 「あれをくらっても片腕なのかよ⋯⋯ッ!」  刹那、ヤツが俺らの方を向く。 『グオォォォォァァァァァァァァッ!!!!!!!!』  あまりに不快な雄叫びが3階全体に反響し、呼ばれたように来た強風で目を瞑ってしまうと、開けた時にヤツはいなくなっていた。 「アイツ⋯⋯どこ行った⋯⋯?」  ヤツがいたとこには、さっきのが嘘だったみたいに何も無い。  本当に嘘だったんじゃないかとさえ思えてきた。  仕舞っていた"不可思議な羽根"を今一度見てみると、

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