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Author: 酔夫人
last update Last Updated: 2026-01-04 11:01:00
錦野柾が桔梗に会おうとすれば、その理由はやり直しを求めるものだと普通は思う。

でも、それならばなぜそれを桔梗の夫である俺に言うのか。

仮に桔梗に連絡先をブロックされていたとしても連絡の手段は他にいくらでもある。

桔梗が錦野柾とやり直すなら俺との離婚は必須で、その連絡を俺経由でするというのは失礼な話でしかない。

「桔梗に連絡をしたいというのは口実で、俺に会うのが目的の可能性がある」

「それなら普通に会いにくればいいだろ?」

「目的は、恐らく脅し。脅されたくないならその対価、それを準備しておけってことだろう」

「脅しって……吉川凜花か」

「ああ。あの音声で俺を脅そうとしている可能性が高い」

凛花から取り上げたICレコーダの中にはあの夜の記録があり、その中の声は家の伝手で分析され、俺と桔梗であることは確認された。

その結果が出る前に「どう見たってそういう女ではない!」と武司が武美を筆頭に女性陣に詰め寄られていたが、その結果が出ると文字通り袋叩きにされていた。

しかし袋叩きは「蓮司の好みのど真ん中だったからママが気を利かせたとばっかり」という武司の言葉で止まった。

みんな何かしら思うことがあったようで、俺に微妙な視線が向いた。

あの場は祖母さんが「今さらよ、先を考えましょう」で無理やりおさめた。

あの音声データをどうやって録ったのかについては、凜花が白状した。

企みがバレたことで俺と結婚する作戦が失敗したからだろう。

もちろん、白状して無罪放免にはしていない。

俺はプライベートを盗聴され、そうして得た情報で俺は凜花に脅されていたと吉川家に訴えた。

凜花の父親の吉川英二が外資系企業に桐谷グループの株を売ろうとしていたから被害を訴えられなかった、と。

その席には吉川家の当主、吉川英二、そして吉川英二と後継者の座を争っている吉川隆史が同席。

吉川隆史は吉川英二の持つ桐谷グループの株を無償で俺に譲ることを提案し、吉川英二の抗議は聞き入れられず吉川英二の株は全て俺のものになった。

うまいこと利用された気はするが、俺たちに害はないので放っておいた。

盗聴手段については無計画、行き当たりばったりの杜撰なものだった。

凛花はあのとき俺が媚薬を飲んだことに気づいて、俺が花宮の女を抱いて性衝動を発散すると凛花は読んだ。

何しろ俺は凜花に媚薬を盛られたことがある。

あの夜より
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