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第197話

Author: 花野めい
由樹の視線は、まっすぐに研へと向けられた。

だが由樹は、無関心を装うように言った。「そうか、知らないな」

言い終えると、彼は外へ向かって歩き出す。

「社内では持ちきりの噂よ。由樹さん、まさか知らなかったなんてことないでしょう?」

千歳は足早に由樹について歩いた。

だが、彼女がどう言っても、由樹はごく短い言葉でしか返さなかった。

「知らない」「分からない」「そうか」。

数分後、二人は車に乗り込んだ。

三久がエンジンをかけ、車は夜の流れの中へと入っていく。

車内は静まり返り、由樹の体からうっすらと漂うタバコと酒の匂いが、次第に車内に満ちていった。

彼は相変わらず窓側の席に座り、車窓を流れていく夜景へ視線を向けていた。

「早坂さん」

千歳が先に沈黙を破った。

三久はバックミラーに目をやる。「はい、何でしょうか」

「あなた、ミクロ社の人と付き合ってるって聞いたけど、本当なの?」

千歳は、どこか探るように由樹の表情をうかがっていた。

三久は、まさかこんな私的な質問をされるとは思っていなかった。

彼女が密かに由樹の顔色を窺っている様子に気づき、三久は少し考えてから
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