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紙の蝶
紙の蝶
Author: 烏沢(うざわ)

第1話

Author: 烏沢(うざわ)
高木慎吾(たかぎ しんご)と婚姻届を出した年、私・清水花音(しみず かのん)は大学院の一年生だった。

戸籍課を出ると、彼は会社の経営に戻るため急ぎ足で去り、私は学業へと駆け戻った。

再会は数か月後の冬休み。

胸を躍らせ、重いスーツケースを引きずって彼のもとへ向かった。

けれど扉を開けたのは、鮮やかな顔立ちの女だった。

彼女の視線は険しく、「あなたは?」と警戒の色を帯びていた。

私が答えるより先に、慎吾はその背後から姿を現した。

彼は私を見つめ、複雑な顔をしながら口を開いた。

「ただの親戚だ。しばらくうちに居候している」

私は口を開こうとしたが、喉に綿を詰め込まれたように声が出なかった。

慎吾の冷ややかな視線を受け止めながら、「私は彼の妻だ」という言葉を飲み込んだ。

少し迷った末に、私は視線を落として小さくつぶやく。

「お邪魔しました」

その言葉に、林彩乃(はやし あやの)はほっと安堵の息を漏らした。

だが依然として私を警戒し、慎吾は自分のものだっていう独占欲が滲み出ている。

「はじめまして、私は慎吾の彼女、林彩乃だよ」

私は掠れた声で相槌を打った。

本当は彼女に自己紹介なんて必要なかった。

二年前から、私は彼女を知っていたから。

慎吾が青春を費やしても忘れられなかった存在。

大学一年、私は親友の佐藤梨花(さとう りか)と出会った。

そして慎吾は、梨花の叔父だった。

二年間も好きでいながら、親友の口から初めて知った。

彼の心には、どうしても手に入らない初恋の人がいると。

二十七になっても独身なのも、彩乃のせいだろうと。

その事実を、梨花は最初は黙っていた。

彼女は「慎吾はあなたにだけ態度が違う」と言って、私の心に隔たりが生まれるのを恐れた。

本当は構わなかった。

あの頃の私は無謀なほど一途で、知ったとしても退くことはなかっただろう。

ただ天真爛漫に「彼がまだ吹っ切れてないなら、私が少し時間をあげればいい」と思ったはずだ。

けれど待ったのはさらに二年。

その間、彼は贈り物を用意してくれたり、海外から珍しいものを持ってきてくれたりした。

生理痛で苦しむ私のために、何億円もの契約を捨ててまでEVEと生姜湯を届けに来たこともあった。

慎吾は私にとてもよくしてくれた。

ただ一つ、私のこの気持ちには見て見ぬふりをしている。

大学四年の時、大学院への推薦入学が決まった後、私は彼との未来はもうないんだと悟った。

最後に会ったのは、初めて出会ったあのレストラン。

私は笑いながら、ようやく吹っ切れたように言った。

「慎吾、私は花ノ江市で学ぶことになったの。おめでとう、やっと私っていう厄介者から解放されたな」冗談めかした声色の奥で、どうしても沈む響きが混じった。「ごめんね、四年間もあなたを巻き込んで」

けれど、その時彼が差し出したのは、指輪だった。

「花音、結婚しようか」

答えはもちろん、肯定だった。

理由を深く追及しなかった。

ようやく雲が晴れたと思っただけだった。

籍を入れたあと、ちょうど大学院の新学期。

慎吾は会社の経営に追われ、私は花ノ江市へ。

彼に一日でも早く会いたくて、何度も徹夜して指導教授から課された課題を前倒しで終わらせた。

そうして戻った時、目の前で夢の泡が弾けるのを見届けることになった。

この時私はわかっていた。

怒り、問い詰め、泣き叫ぶべきだと。

けれど、不思議と立場がないように思えた。

最初からわかっていた。

この結婚には何か事情がある。

私はそれを深掘りしなかった。

彼が後悔するのが怖かったから。

だけど、心の底の恐れはこんなにも早く現実になった。

ぼんやりしている間に、慎吾は私の重い荷物を受け取った。

先に歩き、私を自分の寝室の隣のゲストルームに案内した。

荷物を置いたあと、彼はなかなか出ていかなかった。

私はこれ以上ないほど疲れていて、ただ静かに横になりたかった。

だから、そっと追い出すように言った。

「慎吾、あなたの彼女が外で待ってるわ」

慎吾は深い眼差しで私を見つめた。

しばらくしてようやく口を開く。

「彩乃は俺の彼女じゃない」

彼女かどうかなんて、もうどうでもよかった。

彩乃がこの家に住み、慎吾が私との関係を否定した、その瞬間にすべて終わっていたから。
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