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第25話

Author: 霜晨月
last update Last Updated: 2025-12-26 16:20:45

インタビューが、あれほど騒然とした中で慌ただしく幕を閉じることになるとは、誰が予想できただろうか。

幸い、サイン会が始まるまでには三十分ほどの猶予があった。スタッフたちは興奮冷めやらぬファンの熱気を鎮めようと、懸命に待機列へと誘導している。

不意に尿意を催した颯斗は、一階の化粧室へと足を向けた。だが、女子化粧室の前にはすでに長蛇の列ができており、あろうことか男子化粧室までもが臨時で占拠されている有様だった。

途方に暮れた颯斗が近くのスタッフに尋ねると、彼は隅にある従業員休憩室を指差した。

その裏口から非常通路に出て、入り組んだ通路を何度か折れた先に男女共用の化粧室があるという。人目に付きにくい場所ゆえに知る者も少なく、そこなら恐らく誰もいないだろう、とのことだった。

颯斗は教えられた通り従業員休憩室の裏口から外へ出た。迷路のような非常通路を抜けた先で、果たして目当ての場所を見つけることができた。

化粧室は手狭で、個室は二つきり。幸いどちらも空いていた。颯斗は迷わず片方の個室に駆け込み、ドアを閉めた。

息をつく間もなく、ドアの向こうから不意に複数の足音と話し声が響いてきた。

「どうしても納得がいかない」

――真っ先に耳に飛び込んできたのは奏の声だった。その声色には、抑えきれない怒気が滲んでいる。

「せっかくのインタビューだったのに、なんでわざわざ話題を俺の方に向けたりした」

「奏、誤解だよ、聞いて……」

必死に宥めるような声の主は、言うまでもなく睦弥だ。

化粧室の外にいるのがあの二人だと気づいた瞬間、颯斗はほとんど反射的にスマートフォンを手に取り、録音アプリを立ち上げると録音開始のボタンを押していた。

「なにが誤解だ?あのクズどもに、もっと俺を叩かせたいだけじゃないのか」

「違う!そんなつもりじゃ……」

「じゃあどういうつもりだ」

「僕はただ……僕が今こうしていられるのは、全部、奏のおかげだって言いたかっただけで」

颯斗は息を殺し、物音を立てぬよう、そっと個室のドアに耳を押し当てて二人の会話に聴き入った。

「全部、俺のおかげだと?」

奏は鼻で笑った。

「先生、そういう嫌味な言い方はやめてくれないか。お前が腹の中で何を考えてるかぐらい、お見通しなんだよ」

「嫌味なんかじゃない、僕は本気で……ぐっ!!」

外で何が起きたのかはわからない。ただ、ドン、という鈍い音。誰かが突
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