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第3話

Author: こころの毒入りスープ
翔平の目に、一瞬いろんな感情が走った。

驚き、戸惑い、そして罪悪感……でも、焦った様子はなかった。

彩音には聞こえてないと思っているからだ。

心臓がドクンドクンと鳴って、彩音の顔から血の気が引いていく。

由美が帰国したあの日、彩音は翔平の会社まで足を運んでいた。

彼のオフィスのドアをノックしても返事はなく、メッセージを送った。

【今、お客さんと外で打ち合わせ中。先に帰ってて】そう返ってきた。

実際は、すぐ向こうの部屋で、由美と抱き合っていた。

[彩音、疲れてない?ちょっと休もうか?]

少し間を置いて、彩音はようやく口を開いた。「大丈夫。続けて」

翔平は床に散らばったガラスの破片を片付け、彼女の隣に座った。

二回目のゲームで負けたのは、翔平だった。

彼が選んだのは「罰ゲーム」で、ゲーム内容はキス。

そして相手に選ばれたのは、由美だ。

空気が一瞬でピリつく。誰も声を出せないまま、視線だけが三人に集中する。

由美は笑ってスマホを取り出して、メッセージを彩音に見せた。

【罰ゲーム断るなら、お酒三杯ってルールなの。翔平は胃が弱いから飲めないよ。キスって言ってもほっぺに軽くするだけ。彩音さんも、それなら大丈夫だよね?】

そう言って、翔平の目の前に立ち、頬を差し出した。

翔平は一度、彩音の方を見た。彩音は無表情で視線を落としていた。でも、それが逆に胸に引っかかった。

「翔平?」

由美が身体を近づけた。

その瞬間、翔平は彼女をぱっと突き放し、酒瓶を手に取った。

一杯、二杯。

そして三杯。

顔を赤くしながら、全部飲み干した。そして彩音を見て笑った。

[彩音が気にしなくても、俺は気にする。彩音以外の女には、キスなんてしない]

そう手話で伝え、周りにも聞こえるようにはっきり言った。

彩音は心の中で、静かに冷笑した。

あれだけ抱いておいて、よく言うわ。

お芝居、お疲れさま。

そのとき、由美は暗い顔でその場を立ち去った。

翔平は何も言わなかった。けれど、どこか空っぽな顔をしていた。彼の心はもう、ここにないんだと彩香が気づいた。

ゲームは続いたけど、場の空気は完全に崩れていた。以降の罰ゲームは、ゆるい質問ばかりで、ただの場つなぎのようだった。

しばらくして、翔平のスマホに電話がかかってきた。

[ごめん、会社から緊急の連絡入った。みんなともう少し遊んでから休んでて]

彼が出て行ったあと、他の人たちも席を立ち始めた。

「じゃ、そろそろ帰ろうか」

「そうだね、お役目終了って感じだし」

誰一人として彩音に声をかけずに、皆は帰っていった。

みんな、最初から知ってたんだ。

彩音は苦笑した。でも、もうどうでもよかった。

部屋に戻り、プリントアウトしてあった離婚届をファイルに整理した。そして翔平に電話をかけた。

もう待つのはやめた。今すぐ終わらせたい。さっさと片付けよう。

「彩音?君は……由美、だめだ……」

濡れた音が、電話越しに聞こえてきた。彩音は息を呑んだ。声が喉に詰まった。

「聞こえない人がどうやって電話するのよ……きっと間違えてボタン押しちゃっただけ」

でも、電話の向こうからは、由美の甘い声と衣擦れの音が混ざって聞こえてきた。

「……電話を……切ってから」

翔平の息遣いは荒く、明らかに興奮していた。

「何を怖がってるの?どうせ聞こえないでしょ?機嫌を取るって言ったじゃない。だったら、ちゃんと私の言うこと聞いてよ」

電話は切れないまま、二人の息がそのまま筒抜けになっていた。

そのひとつひとつの音が、彩音の胸を血まみれの傷で刻んでいく。

翔平は、こんな彼女を侮辱するやり方で由美の機嫌を取っていたのか。

気がつくと電話は切れていた。でも耳の奥では耳鳴りが止まらない。

水を一気に飲み干して、こみ上げる吐き気を無理やり飲み込んだ。

自分が甘かった。

翔平と「まともに別れる」なんて、最初から無理だった。

あと、六日。

彼が絶対に見つけられない場所に、消えてやる。

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