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第16話(18)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-02-13 14:00:16

 すでに熱くなって身を起こしかけたものを、賢吾に愛撫してもらう。濡れた先端を指の腹で擦られ、ビクビクと腰が震える。

「いつもより、涎の量が多いな」

 からかうように賢吾に指摘され、和彦はムキになって下肢から手を払いのけようとしたが、低く笑い声を洩らした賢吾に反対に手を掴まれてしまった。促されるまま、和彦は自分の欲望に触れ、ぎこちなく慰める。

 再び腰を突き出す姿勢を取らされ、背後から賢吾に貫かれた。

 立った姿勢のまま繋がるのは、苦手だった。いつも以上の苦痛に襲われるからだ。その苦痛を紛らわせるために和彦は、自分のものを愛撫するしかない。賢吾は最初から、和彦の苦痛を和らげる気はないのだ。

「くっ……、ううっ、うっ、くうっ……ん」

「たまには乱暴なのもいいだろ?」

 熱い囁きのすぐあとに、腰を突き上げられる。堪えきれず甲高い声を上げた和彦だったが、その声はあっという間に、甘い呻きとなる。

 賢吾が腰を使い始め、背後から押し寄せる衝撃に耐えるため、も
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  • 血と束縛と   第26話(7)

    「この調子なら、連休中にでも抜糸できそうだ」 連休、と小声で呟いた鷹津が、傷口の消毒を始めた和彦に問いかけてくる。「このクリニックも、連休があるのか?」「一週間ほど休むことになっている。ぼくはカレンダー通り開けていてもいいんだが、組長に言われると、何も言えない」「ヤクザは優雅なものだな。そのオンナも」 鷹津が左手を伸ばし、頬に触れてこようとしたので、咄嗟に払い除ける。触れられることが嫌だというより、賢吾から言われた言葉が蘇ったのだ。 鷹津に情を移すなと、賢吾は言った。それがどういうことなのか和彦にはよくわからない。鷹津は相変わらず嫌な男だし、好意的な感情を抱いていないつもりだ。だが、それだけで鷹津との関係は割り切れない。そう、単純なものではないのだ。「……治療中だ。邪魔するな」 あえて鷹津の顔を見ないで注意すると、和彦は黙々と手を動かす。治療とは言っても、傷の様子を診たかっただけで、あとは消毒をして、ガーゼと包帯を取り替えるだけだ。 手早く包帯を巻き終え、立ち上がった和彦は片付けを始める。「また何日かしたら連絡をする。そのとき、傷が化膿していなかったら抜糸をする。――用は済んだから帰ってくれ」 鷹津に背を向けて素っ気なく告げると、突然、肩に手がかかる。驚いて振り返ると、いつの間にか鷹津が目の前に立っていた。怖いほど真剣な顔で見つめられ、察するものがあった和彦は後退ろうとしたが、うなじに手がかかって反対に引き寄せられる。「おいっ――」「長嶺に、何か言われたか? えらくピリピリしているな」 和彦は思わず視線を逸らしたが、肯定したも同然だ。鷹津は鼻先で笑い、顔を寄せてきた。「〈あれ〉で、餌を食わせ終えたなんて思ってないだろうな? 俺はお前の命を助けたんだぜ。せめて、この怪我が治るまで、好きなだけ食わせてもらうぞ」「そこまで恩着せがましいことを言うと、せっかくの善行も価値がなくなるぞ。助けられたほうも、うんざりしてくる」 睨みつけながら和彦が言うと、鷹津は意外なほどあっさりと身を引いた。「腹が減った。これからメシを食いにいくぞ」

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     気にしないでくれと、和彦は苦笑を洩らす。大変な騒動と、その後の鷹津とのこともあり、自分が背負っていた事柄について、今この瞬間まで考えることすらしていなかった。秦の思惑とは違ったところで、和彦の機嫌は直りつつあるといえるのかもしれない。 あくまで、問題の先延ばしでしかないのだが――。 電話を切った和彦はぼんやりとしていたが、ふと、バスタブに湯を溜めていることを思い出し、慌てて浴室へと駆け込んだ。****「――ここのところ大忙しだな、先生」 窓の外に広がる夜景に見惚れていた和彦は、どこか皮肉げな賢吾の言葉にハッとする。 ホテル上階からの夜景を和彦によく見せてやろうという配慮なのか、賢吾は窓を背にしてテーブルについている。 しかし和彦は、一旦賢吾に視線を移してしまうと、もう夜景を眺める気にはなれない。 賢吾は、夜の街のきらびやかさも霞む濃い闇を背負っているように見え、禍々しさすら漂っている。普通の感覚を持った人間ならば、この男を一目で危険な存在だと判断するだろうが、困ったことに和彦の目には、非常に魅力的に映るのだ。怖いほどに。「ぼくが忙しいのは、ぼくのせいじゃない。……暖かくなってくると、この世界の連中は血が滾るのか? 物騒なことが多すぎる」 賢吾は低く喉を鳴らして笑い、鉄板の上で焼けたヒレステーキを一切れ、和彦の前の小皿に置いた。 クリニックを終えてから途中で賢吾と合流し、外で夕食をとることにしたのだが、肉が食べたいと希望したのは賢吾だ。疲れ気味の和彦に精をつけさせようと考えた――のかどうかは知らないが、鉄板焼きのコースディナーの他に、さらにサーロインステーキを別メニューで頼んだ賢吾は、和彦の倍の速度で肉を焼き、口に運んでいる。「物騒といえば、総和会からの申し出も、ある意味じゃ物騒だな」 賢吾が言っているのは、総和会から、和彦にクリニックを任せたいと提案された件だ。移動中の車内で簡単に説明をしたのだが、とっくに千尋から、賢吾の耳に入っていただろう。驚いた様子もなく、薄く笑っただけだった。もっとも和彦自身、賢吾の反応をある程度予

  • 血と束縛と   第10話(19)

     カップを置いた和彦は髪を掻き上げてから、鷹津に問う。「秦は、何者なんだ」「俺も知らん」 冗談を言っているのだろうかと思ったが、無精ひげの生えたあごをしきりに撫でる鷹津の表情は真剣だ。そして、和彦をじっと見つめながら、思いがけないことを話し始めた。「――俺が警官になったばかりの頃、秦そっくりの顔をしたガキは、他のガキどもをまとめ上げて、いろいろと悪さをしていた。頭の切れる奴で、少年課が目をつけていたが、尻尾を掴めなかった。それに、ヤクザともつき合いがあると噂になっていた。が、見た目はあの通り、きれいなツラをして、いい物を身につけたお坊ちゃま

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  • 血と束縛と   第10話(26)

     電流にも似た感覚が体中を駆け抜け、気がついたときには和彦は絶頂に達していた。三田村の下腹部から胸元にかけて、白濁とした精を迸らせて汚してしまい、うろたえる。「ごめんっ――。汚して、しまった……」 動揺する和彦とは対照的に、三田村は不快そうに眉をひそめるどころか、楽しそうに表情を綻ばせた。「俺みたいな人間に、そんなふうに素直に謝ってくれるのは、先生だけだろうな。しかも、悪いことなんてしてないのに」「でも、汚した」「汚してない。できることなら、もっと俺の手で搾り出したいぐらいだ」 そう言いな

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