Home / BL / 血と束縛と / 第20話(21)

Share

第20話(21)

Author: 北川とも
last update Petsa ng paglalathala: 2026-03-18 11:00:55

 相手の手に、発情して熱くなった体をまさぐられていた。それどころか、繋がってひくつく部分を指先でなぞられる。おそらく、しっかり見つめられてもいるだろう。和彦が相手の姿を見られないというのに、相手は和彦の痴態のすべてを目に焼き付けているのだ。

「あっ、あっ、んあっ――」

 頭の芯が溶けていくような肉の愉悦に、声が抑えられない。和彦の恥知らずな声に刺激を受けたように、緩やかに内奥を突き上げられる。それだけで深い感覚が波のように広がっていた。

 背後から貫かれ、しっかりと繋がった姿勢のまま、一度律動は止まる。和彦は大きく荒い呼吸を繰り返しながら、体の中心からじわじわと広がる肉の快感を、より明確なものとして実感していた。

 内奥深くに埋め込まれた熱い欲望を、きつく締め付ける。あさましいとわかってはいるが、どうしようもできない。物欲しげな襞と粘膜が勝手に蠢き、欲望に奉仕する。その奉仕に対する褒美のように、さらに愛撫が与えられた。

「はっ、あぁっ……」

 腰から背にかけて撫で回され、胸元にも触れられる。敏
Patuloy na basahin ang aklat na ito nang libre
I-scan ang code upang i-download ang App
Locked Chapter

Pinakabagong kabanata

  • 血と束縛と   第20話(21)

     相手の手に、発情して熱くなった体をまさぐられていた。それどころか、繋がってひくつく部分を指先でなぞられる。おそらく、しっかり見つめられてもいるだろう。和彦が相手の姿を見られないというのに、相手は和彦の痴態のすべてを目に焼き付けているのだ。「あっ、あっ、んあっ――」 頭の芯が溶けていくような肉の愉悦に、声が抑えられない。和彦の恥知らずな声に刺激を受けたように、緩やかに内奥を突き上げられる。それだけで深い感覚が波のように広がっていた。 背後から貫かれ、しっかりと繋がった姿勢のまま、一度律動は止まる。和彦は大きく荒い呼吸を繰り返しながら、体の中心からじわじわと広がる肉の快感を、より明確なものとして実感していた。 内奥深くに埋め込まれた熱い欲望を、きつく締め付ける。あさましいとわかってはいるが、どうしようもできない。物欲しげな襞と粘膜が勝手に蠢き、欲望に奉仕する。その奉仕に対する褒美のように、さらに愛撫が与えられた。「はっ、あぁっ……」 腰から背にかけて撫で回され、胸元にも触れられる。敏感に凝った胸の突起を摘み上げられると、意識しないまま和彦は腰を揺らす。すかさず、内奥深くで息を潜めていた欲望が動き、強い疼きが背筋を這い上がっていた。「はあっ――、あっ、うくっ……ん」 内奥に受け入れたものと、一つに溶け合ったような感覚を覚えていた。ただ、違和感はあった。 他の男たちと体を重ねながら感じる、荒い息遣いも、貪るような口づけも、濃厚な汗の匂いもない。体を繋いではいるが、体を重ねているわけではないのだ。これは、対等なセックスではない。 相手の存在を体に刻みつけられ、相手好みの快感で調教されているようだ。 胸元を撫でていた手が、みぞおちから腹部を撫でて、両足の間に差し込まれる。和彦は喉を鳴らすと、枕の端を両手で掴んだ。再び反り返り、熱くなって震えるものを優しい手つきで扱かれ、身悶えるほどの快感が腰に広がる。 ここでふいに、繋がりを解かれた。肩を掴まれた和彦は促されるまま、素直に仰向けとなり、両足を抱え上げられる。淫らに喘ぐ内奥を、すぐにまたこじ開けられ、欲望を呑み込まされた。

  • 血と束縛と   第20話(20)

     体がじわりと熱くなってきたところで和彦は、相手の意図を知った。 三日前、和彦は鷹津と体を重ねた。そのとき鷹津から受けた愛撫の痕跡がまだいくつか肌に残っており、それを辿っているのだ。 急に羞恥と後ろめたさに襲われて身じろごうとしたが、すかさず敏感なものをてのひらに包み込まれて動けなくなる。 和彦のささやかな抵抗すら封じ込めると、相手の手つきは、冷静に体を検分するものから、官能を刺激するものへと変わる。そして和彦は、逆らえない。 相手がベッドを下りる気配がした。もちろん、行為がこれだけで終わるはずもなく、和彦の耳に衣擦れの音が届く。すぐにベッドが揺れ、再び相手の手が和彦の体に触れる。 愉悦を与えられる手順の何もかもが、あの夜と同じように思えた。 和彦のものは再びてのひらに包み込まれ、緩やかに上下に扱かれる。もう片方の手が腿から腰、胸元へと這わされ、撫で回してくる。相手の手つきはあくまで丁寧で、緊張で強張っている体を解そうとしているのだ。 和彦はゆっくりと呼吸を繰り返し、てのひらの感触が肌に馴染んでいくのを感じていた。目隠しの下で目を閉じながら、さきほどまで自分が身を置いていた状況を思い返し、目まぐるしく思考を働かせる。 あの場にいた男たちに、自分はどんな存在として認知されているのだろうか。ふとそれが気になったが、喉元にまでてのひらが這わされて我に返る。一瞬、首を絞められるのではないかと危惧したのだ。 当然だが、そんな物騒なことはされなかった。 あごの下をくすぐられ、頬を撫でられて、耳の形をなぞられる。唇には指先が擦りつけられた。考えてみれば、前回は顔全体に布をかけられていたため、このように触れられることはなかったのだ。 そしてまた、胸元から腰にかけててのひらを這わされる。「ふっ……」 腰の辺りに疼くような心地よさが広がり、和彦は小さく声を洩らす。絶えず愛撫を与えられている和彦のものは、すでに身を起こしていた。それを待っていたように相手の手が、今度は和彦の柔らかな膨らみにかかった。 爪先をベッドに突っ張らせて、和彦はビクビクと腰を震わせる。怖い、と咄嗟に思ったが、足を閉じ

  • 血と束縛と   第20話(19)

    「知ることで、どんどんこの世界の深みにハマる。そうやって、長嶺の男たちが大事にしている先生を、逃がさないようにしている」 本気とも冗談とも取れることを言って、守光は声を上げて笑った。さすがにその声に驚いたのか、店内の男たちが一斉にこちらに向き、和彦一人がうろたえてしまう。 視線を避けるようにグラスを取り上げ、水割りを飲もうとしたところで、膝の上に置かれたままの守光の手に気づいた。その手が意味ありげに動き、膝を撫でて離れる。たったそれだけのことだが、肌に直接触れられたような生々しさを感じ、和彦は体を硬直させる。「――賢吾も千尋も、あんたをこの世界から逃すまいと、必死だ。そしてわしも、同じ気持ちだ」 片手を出すよう守光に言われ、おずおずと従う。てのひらにそっとカードキーがのせられた。それが何を意味しているか瞬時に理解した和彦は、顔を強張らせつつも、体が熱くなっていくのを止められなかった。「あんたをもっと、この世界の奥深くに取り込みたい。わしの家で一泊したあとも、あんたは長嶺の庇護の下から逃げ出さなかった。つまり、こう解釈できる。あんたはどんな形であれ、長嶺の男〈たち〉を受け入れてくれる、と」「……よく、わかりません……。いろいろと考えることが多くて、ぼくはどうすればいいのか……」「だが、佐伯和彦という人間はここにいる。わしの隣に、こうして行儀よく座ってな。それはもう、流されているにせよ、一つの選択肢を選んだということだ」 守光が顔を寄せ、耳元にあることを囁いてくる。和彦は瞬きもせず守光の顔を凝視していた。 いつも賢吾に対してそうしているせいか、半ば習性のように目の奥にあるものを探る。息づいているのは大蛇ではなく、だが確かに物騒な気配を漂わせた〈何か〉だ。 怖いが、目を背けられず、触れてみたいとすら思ってしまう。 和彦は視線を伏せると、浅く頷いた。** バスローブ姿でベッドの隅に腰掛けた和彦は、閉じたカーテンをぼんやりと眺めていた。カーテンの向こうには、いくら眺めても飽きないほどの夜景が広がっているとわかっ

  • 血と束縛と   第20話(18)

    「人間の価値を決めるのは本人ではなく、関わりを持つ人間たちだ。あんたにとっては、世間から嫌われ、恐れられている我々ということだ。わしらに価値を認めてもらったところで、嬉しくはないだろうがね」 和彦は、静かに視線を周囲に向ける。守光を絶対の存在として仕えている総和会の男たちは、鉄の壁だ。総和会という組織と、総和会会長を守るための。そんな男たちが和彦という存在にどれだけの価値を見出しているのか、推し量る術はない。ただ、守光が言うのなら、それが男たちにとっては絶対となるのだろう。「あなた方が、佐伯家についてどれだけ調べているのか知りませんが、佐伯家にとってぼくは、そう価値がある存在ではありませんでした。佐伯の姓を持つから、存在を認めてもらっているんです。正直、こんなに大勢の人たちに、ここまで大事にしてもらったことはありません」 ここでボーイがスマートな動作で歩み寄ってきて、空になった和彦のグラスを取り替えてくれる。さきほどからこの繰り返しで、意識しないまま和彦の酒量は増えていた。「――近いうちに、春の行事の打ち合わせも兼ねて、泊まりでちょっと遠出することになっている。医者であるあんたに同行してもらえるとありがたいんだが」 グラスに口をつけた和彦に、守光が思いがけない提案をしてくる。唐突な話題に戸惑うと、守光は物腰の柔らかさには似合わない、ゾクリとするほど冷徹な眼差しを向けてきた。いや、本当は眼差しすらも柔らかいのかもしれないが、少なくとも和彦にとっては怖かった。「泊まった先で、おもしろい話をしてやろう。千尋はもちろん、賢吾すら知らない話だ。わしとあんたの秘密……というには大げさだが、あんたにとっても興味深い話のはずだ」 守光の眼差しは、怖くある反面、強烈に和彦を惹きつける。太く艶のある声で語られる言葉には、好奇心を刺激される。「ぼくの、一存では……」「賢吾が許可すれば、来てくれると?」 ためらいつつも、和彦は頷く。守光ほどの人間が、子供騙しのようなウソをつくとは思えなかった。「わかっているとは思いますが、ぼくは内科は専門外です。同行しても、いざというときお役に立てるかは――」

  • 血と束縛と   第20話(17)

     そんなことを漫然と考えているうちに、車はある雑居ビルの前に停まる。夜に差しかかろうとしている時間帯の繁華街はにぎわっており、人通りも多い。そんな中、行き交う人たちとは明らかに異質な空気を放つスーツ姿の男が、素早く車に歩み寄ってきた。それが総和会の出迎えの人間だとわかり、和彦はシートベルトを外す。 降りる準備をしながら、ここで今日は別れることになる運転手の組員に、さきほどデパートで買い込んだものをマンションの部屋に運ぶよう頼んでおく。 車を降りると、一礼した男に周囲から庇うようにしてビルの中へと案内される。やけに入り組んだビル内を歩き、狭い通路の奥まった場所に、年齢もばらばらの数人の男が立っていた。特別服装が崩れているというわけでもないのに、一目で筋者とわかる。持っている空気が、とにかく鋭い。 賢吾と出かけたときに、さんざんこういった光景を目にしているが、やはり総和会会長ともなると、警護の厳重さが違う。 会釈した男たちの向こうに重々しい扉があり、総和会会長がいることを物語っていた。 扉が開けられ、促されるまま中に足を踏み入れた和彦は、妙齢の着物姿の女性に出迎えられた。わけがわからないままコートを預け、席へと案内される。 当然だが、クラブは貸切となっていた。テーブルのいくつかは埋まっているが、それはすべて総和会の人間だろう。落ち着いた雰囲気の中、会話を楽しんでいる様子はあるが、やはり何かが違う。 緊張するあまり、息苦しさすら覚えた和彦が喉元に手をやったとき、ある男と目が合った。南郷だ。 テーブルの一角に二人の男たちと陣取り、何事か話し込んでいる様子だったが、和彦を見るなりのっそりと立ち上がり、頭を下げた。無視するわけにはいかず、テーブルの側を通るとき和彦も会釈をする。 そしてやっと、和彦を招いた本人と対面が叶う。「――よく来てくれた、先生」 ソファに腰掛けたノーネクタイで寛いだ姿の守光が、笑いかけてくる。和彦もぎこちないながらも笑みを浮かべて挨拶をする。すると、守光と同じテーブルについていた男が立ち上がり、和彦に着席を促した。恭しい手つきで示されたのは、守光の隣の席だ。 何も考えられず、求められるままに行動する。この状況

  • 血と束縛と   第20話(16)

    **** 三田村が言うところの『世俗的なイベント』を、和彦は無視できなくなっていた。誕生日を祝ってくれた男たちに対して、ささやかなお返しをしようと考えたとき、これ以上ない口実として利用できるからだ。 仕事を終え、いつもより早めにクリニックを閉めた和彦は、組員に頼んでデパートへと寄ってもらう。 そこで、自分の考えがチョコレートよりも甘いことを痛感させられた。 バレンタインデー前日のデパートのチョコレート売り場は、目を瞠る混雑ぶりだ。 こんなときだからこそ、豊富な種類が揃ったチョコレートをじっくり見て回ろうと思っていたが、ショーケースに近づくのも苦労しそうだ。とにかく女性客でごった返しており、心なしか殺気立っているようにも感じる。 すでに他のフロアで買い物を済ませた和彦だが、さすがにこのフロアでの自分の場違いぶりを肌で感じ、怯んでしまう。辺りに漂う甘い香りが、その感覚に拍車をかける。 当然といえば当然だろう。バレンタインデーのために買い物をするのは、やはり女性だ。もしくは、勇気あるチョコレート好きの男性か。実際、女性客に交じって、ちらほらと男性客の姿もある。 同性の恋人のために――と勘繰るほど悪趣味ではない和彦は、自分もチョコレート好きなのだと思い込むことで、大勢の女性客の中を進んでいく。 誰に対する言い訳なのか、自分も食べるから、と心の中で繰り返しつつ、少し値の張るチョコレートをいくつも買い込む。長嶺の本宅に置いておけば、組員の誰かが摘まんでくれるだろう。もちろん、買い込んだチョコレートの中には、〈本命〉に渡すものもある。 いくつかの袋を手に、和彦はやっと売り場から抜け出す。 自意識過剰だと思いつつも、途中までは他の客の視線が気になっていたが、買い物好きの気質は、こういうとき便利だ。チョコレート選びに夢中になってしまうと、他人どころではなくなった。どうせ一年に一回のことだと、開き直るのも容易だ。 肩の荷が下りた気分で歩いていた和彦だが、すぐに歩調を緩め、手にした袋を見下ろす。チョコレートを買って気分が浮ついている一方で、自分のズルさがチクチクと胸に突き刺さる。いつもなら

  • 血と束縛と   第3話(9)

     促されるまま和彦が先に後部座席に乗り込み、千尋が続く。旅行準備はすでに出来ているらしく、助手席にはバッグが置いてあった。  車が走り出してすぐ、千尋に手を握られる。横目で睨みはした和彦だが、機嫌よさそうな千尋の顔を見ると、叱るのも野暮な気がした。 「あー、先生ともっと一緒にいたい」  芝居がかった口調で千尋がぼやき、和彦は淡々と応じる。 「そう言ってもらえて光栄だ」 「俺、本気で言ってるんだけど。……あっ、旅行に一緒に行くってどう?」 「勘弁してくれ……。だいたいお前、レストランで物騒な話してただろ。そんな中に、ぼくも加われと

    last updateHuling Na-update : 2026-03-18
  • 血と束縛と   第2話(28)

     顔を強張らせる和彦の前に、賢吾が立ち、あごを掴み上げられた。 「朝からずっと、千尋と話し合っていたんだ。こいつは、先生を組の身内として大事にしてくれるなら、家に戻っていいと言った。俺としてはもちろん、大事な先生を手放す気はないし、粗末に扱う気もない。……役に立ってくれる医者としても、俺のオンナとしても」  体を屈めた賢吾に当然のように唇を塞がれ、あごを掴む指に力を込められてやむなく口を開けると、すかさず舌が入り込んできた。いつものようにねっとりと粘膜を舐め回され、唾液を流し込まれる。だが、さすがにこの状況で口づけには応えられなかった。すぐ隣に千尋がいる。

    last updateHuling Na-update : 2026-03-18
  • 血と束縛と   第3話(15)

    「体調には気をつけろ。医者の不養生というしな」 「飼った早々に壊れられても困る、か」 「そう憎まれ口を叩くな。俺なりに、先生を大事にするための環境を整えているつもりだ。今日、事務所に連れていくのも、そのためだ。何事も形式と儀式は大事だからな。対外的な意味でも」  また、気になる言い回しだ。  急に車を降りて帰りたい心境になったが、肩に回された腕はがっちりと和彦を押さえ込んでおり、身動きもままならない。正直、賢吾に肩を抱かれるのは好きではなかった。自分の所有物だと示されているようで気に障る。こんなことにこだわるのも、ここ数日の気分の浮沈の激しさのせい

    last updateHuling Na-update : 2026-03-18
  • 血と束縛と   第2話(25)

    「なんにしても、組織として秩序と緊張感を持っているから、総和会は大きくなれたともいえる。持ち込まれた仕事をこなしておいて、損にはならない」 「長嶺組にとってか? それとも、ぼく自身にもメリットはあるのか?」  三田村は答えなかった。和彦としても特に聞きたかったわけではないので、追及しないでおく。今はそれより、三田村が総和会についてきちんと説明してくれたことに満足していた。  深入りしたくないから知らないでおくというのは、和彦が足を踏み込んでしまった世界では何より危険な行為だと、そろそろ認めなくてはいけない。 「――あの父子は、とんでもないことにぼく

    last updateHuling Na-update : 2026-03-18
Higit pang Kabanata
Galugarin at basahin ang magagandang nobela
Libreng basahin ang magagandang nobela sa GoodNovel app. I-download ang mga librong gusto mo at basahin kahit saan at anumang oras.
Libreng basahin ang mga aklat sa app
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status