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第9話(35)

Author: 北川とも
last update publish date: 2025-12-19 14:00:26

「――先生」

 賢吾に呼ばれて、口移しで氷の粒を与えられた。嬌声を上げ続けた喉が潤い、思わず和彦は吐息を洩らす。

 もう一度氷の粒を与えられ、そのまま賢吾と舌を絡め合っていた。和彦の鎮まりきらない欲情を感じ取ったのか、賢吾がゆっくりと内奥を突き上げ、簡単に喘がされる。

 そんな和彦を指して、賢吾は鷹津に言い放った。

「いいオンナだろ、鷹津? 俺の、大事で可愛い特別なオンナだ。……お前みたいな下衆が近づくなよ。先生が汚れちまう」

「汚物そのもののヤクザが、言えたことか」

「そのヤクザに寝首を掻かれて、一度潰された奴がいたな。そういえば――」

「だが俺は、刑事としてここにいる。お前を狩る立場にいることを、忘れるな」

 会話を交わしながら賢吾がゆっくりと体を離す。急に激しい羞恥心に襲われた和彦だが、後始末をしようにも体に力が入らない。

 密かにうろたえていると、ふとした拍子に鷹津と目が合った。また、嫌悪に満ちた視線を向けられるかと思ったが、鷹津は何も言わず顔を背けた。<
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    「刺青の前に、先生にはこっちを可愛がってもらおう。美味そうにしゃぶって見せてくれ」 そう命じられ、全身を羞恥で熱くしながら和彦は賢吾を睨みつける。しかし、逆らうことはできなかった。身を屈め、あぐらをかいたままの賢吾の両足の間に顔を埋めた。 浴衣を捲り上げ、反り返ったふてぶてしい欲望に丹念に舌を這わせる。舐め上げるたびに、自分はこの男の〈オンナ〉なのだという想いが強くなる。愛しいという純粋な気持ちからではなく、快感のために尽くしてやりたいという、身を焼かれそうな衝動に突き動かされていた。 口腔に含んだ欲望が瞬く間に逞しさを増していき、力強く脈打つ。賢吾に頭を押さえられて、和彦は喉につくほど深く呑み込む。苦しさに耐えながら吸引していると、手荒く髪を撫でてから掴まれた。無言の求めに応じてゆっくりと頭を上下に動かしながら、欲望に舌を絡め、唇で締め付ける。 和彦の口淫をじっくり堪能してから、賢吾は口腔で達した。放たれた精を舌で受け止めて嚥下すると、次の瞬間には和彦は、浴衣を剥ぎ取られて布団の上に突き飛ばされる。賢吾も浴衣を脱ぎ捨てて、のしかかってきた。「あっ……」 両足を抱えるようにして大きく左右に広げられ、賢吾が顔を埋めてくる。和彦のものはいきなり熱い口腔に含まれたかと思うと、容赦ない愛撫に晒される。痛いほど強く吸引され、舌先で先端を攻められたかと思うと、括れを唇で締め付けられる。「うあっ、あっ、もう少し、優しく、してくれ――」 和彦は震えを帯びた声で訴えるが、賢吾は聞き入れる気はないようだった。それどころか、加虐的なものを刺激されたのか、先端に歯列を擦りつけてくる。和彦は、感じすぎるからこそ、この攻められ方が苦手だ。 反射的に腰を揺らして愛撫から逃れようとしたが、執拗に先端を攻められると、もう体が動かない。まるで大蛇が牙を突き立てているようだと思った。牙から毒は出てこないが、反対に、和彦の先端から透明なしずくが滲み出てくる。大蛇は嬉々として舌で舐め取り、もっと出せといわんばかりに攻め立ててくるのだ。 和彦の体から力が抜け、愛撫に身を任せるのを見計らっていたように、賢吾が動く。枕の下から何か取り出したのは見えたが、それがな

  • 血と束縛と   第11話(29)

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  • 血と束縛と   第11話(26)

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    last updateLast Updated : 2026-03-27
  • 血と束縛と   第11話(27)

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    last updateLast Updated : 2026-03-27
  • 血と束縛と   第11話(34)

     自分がこれから慈しむ――もしくは慈しんだ体を洗っていると、とても優しい気持ちになれる。自分がこんなにも愛情深い人間だったのかと、驚かされたりもするのだ。何より、三田村が惜しみなく与えてくれる愛情を、触れ合う肌から感じ取れる。 三田村の頬を撫でてから、軽く唇を吸い上げた和彦は、スルッと腕の中から抜け出して、三田村の背に回り込む。泡だらけとなった手で濡れた虎を撫でると、湯の熱でいつもより赤みを帯びた筋肉質の体がビクリと震える。「動くなよ、三田村。洗えない」 背後から三田村の耳元に囁いた和彦は、子供のように楽しみながら、三田村の背をてのひらで丹念に洗ってや

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