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第350話

ผู้เขียน: 炭酸が抜けたコーラ
デザイン部の自分のデスクへ戻ってきた時、心愛の足元はひどく頼りなかった。

まるで、どこへも辿り着けない腐った綿屑の上を歩かされているように、地に足がつかない。

その瞳には、もう何の生気も宿っていなかった。

視線の先では、閉じられないままのウェブニュースが画面に映し出されている。

それはまるで、無数の返し刃を備えた巨大な焼き鏝のように、執拗に彼女の心を焼き続けていた。

黒い高級ミニバンの後部座席に深く腰掛ける葵の横顔。

そして、電話越しに突きつけられた瑞人の――「僕がやったんだ」というあの言葉。

そのすべてが、この半年間、心愛が血を滲ませながらようやく築き上げてきた僅かな信頼と、心の拠り所を、跡形もなく粉々に打ち砕いていた。

心愛は、デスクの片隅に置かれた一本の鉛筆を、ただぼんやりと見つめていた。

だが次の瞬間、指先の神経が痙攣するように小さく震える。

マイボトルへ手を伸ばそうとしても、指が激しく震えてしまい、どこを掴めばいいのかさえ分からなかった。

「深水さん、ホットミルク飲んでください。角砂糖、三つ入れてありますから」

碧の声はどこか掠れていた。

マグカップ
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    デザイン部の自分のデスクへ戻ってきた時、心愛の足元はひどく頼りなかった。まるで、どこへも辿り着けない腐った綿屑の上を歩かされているように、地に足がつかない。その瞳には、もう何の生気も宿っていなかった。視線の先では、閉じられないままのウェブニュースが画面に映し出されている。それはまるで、無数の返し刃を備えた巨大な焼き鏝のように、執拗に彼女の心を焼き続けていた。黒い高級ミニバンの後部座席に深く腰掛ける葵の横顔。そして、電話越しに突きつけられた瑞人の――「僕がやったんだ」というあの言葉。そのすべてが、この半年間、心愛が血を滲ませながらようやく築き上げてきた僅かな信頼と、心の拠り所を、跡形もなく粉々に打ち砕いていた。心愛は、デスクの片隅に置かれた一本の鉛筆を、ただぼんやりと見つめていた。だが次の瞬間、指先の神経が痙攣するように小さく震える。マイボトルへ手を伸ばそうとしても、指が激しく震えてしまい、どこを掴めばいいのかさえ分からなかった。「深水さん、ホットミルク飲んでください。角砂糖、三つ入れてありますから」碧の声はどこか掠れていた。マグカップがデスクへ置かれ、鈍い音を立てる。心愛は顔を上げられなかった。周囲から向けられる視線。同情、憐憫、そしてどこか他人の不幸を面白がるような好奇の眼差し。それらが無数の棘となって後頭部へ突き刺さってくるのを、肌で感じていたからだ。コツン――不意に、デスクを軽く叩く音が響く。心愛が虚ろな視線を持ち上げると、そこには底知れない漆黒を宿した暁の瞳があった。彼は最上階の社長室へ戻らず、そのままデザイン部のフロアへ直行してきたのだ。この瞬間の彼は、加賀見家という巨大組織を掌で動かす絶対的支配者であり、同時にこの廃墟のような絶望の中で、心愛が唯一縋りつける錨でもあった。暁は人差し指を曲げ、デスクを二度、コンコンと叩く。「飲め」たった二文字。だがそこには、拒絶を許さない強い命令の響きがあった。心愛はマグカップを両手で包み込んだ。掌から伝わる熱が、凍え切った身体へ少しずつ広がっていく。彼女は機械のように、一口だけそれを啜った。喉を焼くほど甘いはずなのに、その味はひどく苦かった。「お兄ちゃん……」ようやく絞り出した声は、酷く掠れていた。

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