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香り禁止令

Author: 吟色
last update Last Updated: 2025-11-02 20:44:28

朝の広場は白くて、音が薄かった。

屋台の並ぶ通りに紙が貼ってある。

「臭気取締令 第1号 料理の香り、通報対象」

墨がまだ新しい。風で角が少しめくれる。

「……おいしそうな匂いが、しない」リオが小声で言う。

「人の声も、冷たいね」ミナは手袋を外す。指が赤い。

アレンは一度、胸に空気を入れてから吐く。「香りは、お腹の言葉だよ。黙らされたら、笑えなくなる」

ディアスは視線だけで巡回の兵を数えた。「三隊。火は使えない。動くなら、昼の前」

屋台の老婆が周りを見て、鍋の蓋をほんの少しだけ持ち上げた。

湯気が一筋、逃げる。

すぐに兵が二人、歩みを速める。「匂いがしたな」

老婆は蓋を閉じる。手がわずかに震えた。

「罰金。品は没収」兵は札を板に打ちつける。釘の音が乾いた。

ミナが小さく息を吸う。「……匂いまで、捕まえるの?」

アレンは老婆に会釈して、鍋に触れない距離で目を伏せた。「目に見えないから、怖がるんだろうね」

リオが眉をひそめる。「どうすんの。作れないじゃん」

「作れるよ」アレンは肩の力を抜く。「遅れてくるやつなら」

アレンは布包みを一つ、台の上に置く。

中には、透きとおった欠片がいくつも並んでいた。冷たい澄ましを固めたもの。

「匂いは出ない。でも、笑える」

ミナが覗く。「これ、どうするの?」

「舌の上で、起こす」

井戸の水を汲む。手のひらで温度を確かめる。冷たいままでいい。

アレンは欠片を小さく割って、器に落とした。音はしない。

リオが近くの子どもに声をかける。「匂いしないよ。……ひと口だけ、どう?」

子はうなずき、指でひとつ摘んだ。舌にのせる。目を閉じて、少し待つ。

「……あったかい」

喉の奥で、息がほどけた。

ミナが思わず前に乗り出す。「今、少し……香った」

アレンは笑うだけで、次の器に欠片を落とす。「人の体温が、火になる」

老婆が自分の鍋に手を置いたまま、こちらを見た。「匂わないのに、顔が明るくなるねぇ」

兵が近づく。「何をしている」

アレンは器を示す。「配ってます。無臭の」

兵は紙を顎で示す。「規定違反かもしれん」

ディアスが半歩出て、視線を受け止める。「匂いは、ありません」

もう一人の兵が、無言で欠片をひとつ取った。じっと見てから、舌にのせる。

少しの間。

「……遅い香りだな」

アレンは肩をすくめる。「遅れてくるものは、止めにくいんです」

兵は何も言わずに紙を
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