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12.馬鹿な女だ

last update publish date: 2026-06-15 14:30:04

 鷲尾の腰の動きが、次第にコントロールを失っていく。

「あ……っ、甘崎、もう、だめだ……っ、離せ……っ」

 限界を悟った鷲尾が、りとの髪を掴んで引き剥がそうとする。しかし、りとは彼から離れるどころか、さらに深く根元まで熱の塊を咥え込み、上目遣いで鷲尾を見つめたまま、舌を激しく絡ませた。

「……っ! 出すぞ……っ!!」

 ズクンッ、と下半身が大きく跳ねた瞬間。鷲尾の先端から、ドクドクと濃厚な白濁の液体が、りとの口内に勢いよく放たれた。

 普通なら吐き出したり、むせたりしてしまうほどの量だ。しかし、りとは眉一つひそめることなく、喉をゴクンと鳴らして、それを一滴残らず飲み込んだ。

 そして、ゆっくりと鷲尾の熱を口から解放すると、唇の端にわずかに残った白い液体を、色っぽい舌先でペロッと舐め取った。

「ん、おいしっ……♡」

 とろけるような笑顔と、淫らな台詞。

 その光景を見た鷲尾の中で、何かが完全に弾け飛んだ。

「……お前は、本当に……っ」

 たまらないといったふうに低く呻くと、鷲尾は一瞬で攻守を逆転させた。りとの肩を乱暴に掴み、ベッドのシーツへと押し倒す。

「きゃっ……」

「たっぷり可愛が
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     熱気と甘い匂いが充満するベッドから這い出し、二人はスイートルームに備え付けられた、ガラス張りの広々としたシャワールームへと向かった。 温かいシャワーの湯が、汗と愛液でべたつく二人の身体を優しく洗い流していく。「……背中、流しますよ」 りとはボディソープをたっぷりと泡立てたスポンジを手に取り、鷲尾の広くて逞しい背中をこすり始めた。 先ほどまで獣のように自分を貪り、愛してくれた男の、引き締まった筋肉の凹凸。ところどころに、自分が絶頂の最中につけてしまった爪痕がうっすらと赤く残っていて、りとは少しだけ顔を熱くした。「……あの、課長」 弾けるシャワーの音に紛れさせるように、りとはふと、ずっと気になっていた疑問を口にした。「ん?」「課長って……こういうお仕事をしていて、お客さんのこと、好きになったりしないんですか?」 スポンジを動かすりとの手が、ピタリと止まる。 鷲尾はシャワーヘッドから降り注ぐ湯を頭から浴びながら、少しだけ沈黙した後、きっぱりと答えた。「あり得ないな」「……絶対に、ですか?」「ああ。それどころか、俺は仕事の場以外でも、特定の誰かに恋愛感情は抱かないようにしている」 振り返った鷲尾の顔は、湯気に包まれて少しぼやけていたが、その切れ長の瞳だけは真剣な光を帯びていた。「もし、特定の誰かを好きだという感情を持ってしまったら……こうしてプロとして客に施術をするたびに、その好きな相手に対して、強い裏切りと罪悪感を覚えるようになるだろうからな。自分の心が別の誰かにある状態で、目の前の客に愛を囁くなど、セラピストとしての矜持が許さない。俺は常に、プロとして完璧なパフォーマンスを提供したいんだ」 それは、極めて論理的で、いかにもプロフェッショナルな彼らしい答えだった。 けれど、りとの耳には、その言葉がどこか〝自分自身に強く言い聞かせている〟ように聞こえた。 絶対に恋愛はしない。してはいけないのだと、見えないルールで自分をきつく縛り付けているような、そんな不器用な響き。 りとは少しだけ胸の奥がチクリと痛むのを感じながらも、わざと明るい声を出した。「なるほどー。プロ意識の塊ですね。じゃあ逆に、お客さんの方から好きになられちゃうことはないんですか? 鷲尾課長、黙っていればすっごくイケメンですし」「……黙っていれば、とはなんだ」 くるり

  • 限界OL、女風のナンバーワン〝レイ〟を指名したら上司の特等席でした   12.馬鹿な女だ

     鷲尾の腰の動きが、次第にコントロールを失っていく。「あ……っ、甘崎、もう、だめだ……っ、離せ……っ」 限界を悟った鷲尾が、りとの髪を掴んで引き剥がそうとする。しかし、りとは彼から離れるどころか、さらに深く根元まで熱の塊を咥え込み、上目遣いで鷲尾を見つめたまま、舌を激しく絡ませた。「……っ! 出すぞ……っ!!」 ズクンッ、と下半身が大きく跳ねた瞬間。鷲尾の先端から、ドクドクと濃厚な白濁の液体が、りとの口内に勢いよく放たれた。 普通なら吐き出したり、むせたりしてしまうほどの量だ。しかし、りとは眉一つひそめることなく、喉をゴクンと鳴らして、それを一滴残らず飲み込んだ。 そして、ゆっくりと鷲尾の熱を口から解放すると、唇の端にわずかに残った白い液体を、色っぽい舌先でペロッと舐め取った。「ん、おいしっ……♡」 とろけるような笑顔と、淫らな台詞。 その光景を見た鷲尾の中で、何かが完全に弾け飛んだ。「……お前は、本当に……っ」 たまらないといったふうに低く呻くと、鷲尾は一瞬で攻守を逆転させた。りとの肩を乱暴に掴み、ベッドのシーツへと押し倒す。「きゃっ……」「たっぷり可愛がってやると言ったな。……俺をここまで煽った責任、きっちり身体で取らせてやる」 鷲尾の目は、完全に飢えたオスのそれだった。 彼は猛獣のような手つきで、りとのフレアスカートを勢いよく脱がせ、愛液でぐっしょりと濡れたレースの下着も一瞬で剥ぎ取った。 露わになったりとの白い肌。その中心にある、すっかり準備を整えてテカテカと光る秘所を目にして、鷲尾の喉仏がゴクリと鳴る。「こんなに濡らして……いやらしい女だ」 鷲尾は顔を沈め、りとの蜜壺を直接舌で貪り始めた。「ああっ……! か、ちょ……そこ、だめぇっ……!」「だめなわけないだろう。さっきの強気はどこへ行った」 鷲尾の舌使いは、先ほどのりとの奉仕を何倍にもして返すような、執拗で情熱的なものだった。最も敏感な真珠の粒を舌先で器用に弾き、溢れ出す蜜をジュルジュルと音を立てて飲み込んでいく。「ひゃああっ! あ、やだ……おかしく、なっちゃう……っ!」 りとの背中が大きく反り返り、シーツを掴む手に力がこもる。 彼女がガクガクと身体を震わせ、一度目の絶頂を迎えた直後――鷲尾は一切の容赦なく、長くしなやかな指を、りとの濡れそぼった奥深くへと一

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     クリスマスイブ当日。 抜けるような冬の青空の下、都心から電車で一時間ほど離れた場所にある大型遊園地のメインゲート前は、カップルや家族連れで溢れかえっていた。 どこからか流れてくる陽気なクリスマスソングと、遠くで響くジェットコースターの悲鳴。 りとは、新調した真っ白なファー付きのダッフルコートに身を包み、待ち合わせ場所の時計台の下でそわそわと周囲を見回していた。「お待たせいたしました、甘崎様」 ふいに背後から、耳を撫でるような低い声が降ってきた。 振り返ると、そこには息を呑むほど洗練された私服姿のレイ――鷲尾冴臣が立っていた。 上質な黒のチェスターコートに、首元を隠すダークグレーのタートルネック。 いつもはきっちりとワックスで撫でつけられている茶髪が、今日は無造作に下ろされており、黒縁メガネの奥の切れ長の瞳が色っぽく細められている。 すれ違う女性たちが、思わず二度見してしまうほどの圧倒的なオーラだった。「レイさん……っ! かっこいい……」「ありがとうございます。今日は一日、最高のクリスマスにしましょうね」 完璧なセラピストの微笑みを向けてくれる彼。 しかし、りとはコートのポケットの中で両手をぎゅっと握りしめ、意を決して顔を上げた。「あの! レイさん! 今日も、お願いがあるんです!」「……なんでしょうか」「この前のホテルみたいに、今日も……〝鷲尾課長〟として、私とデートしてください!」 ピタリ、と。鷲尾の完璧な微笑みがフリーズした。 ほんの数秒の沈黙の後、彼は黒縁メガネのブリッジを中指でスッと押し上げ、深い、深いため息を吐いた。「……正気か、甘崎。わざわざ高い特別料金を払ってまで、クリスマスの休日に上司から説教されたいのか」「はい! 私、課長と遊園地デートがしたいんです!」 満面の笑みで答えるりとに、鷲尾は「君の思考回路は本当に理解できん」と頭を抱えた。しかし、プロの矜持ゆえか、すぐに纏う空気を〝絶対零度の鬼上司〟へと切り替えた。「……いいだろう。なら、遅れずについてこい」「はいっ! よろしくお願いします、課長!」 こうして、世にも奇妙な〝鬼上司とドジっ子部下の遊園地デート〟が幕を開けた。 ゲートをくぐると、目の前には巨大なクリスマスツリーと、メルヘンチックな街並みが広がっていた。りとは完全にテンションが振り切れ、小

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  • 限界OL、女風のナンバーワン〝レイ〟を指名したら上司の特等席でした   08.素直なありがとう

     親友の乃々羽と居酒屋で語り明かしたあの日から、さらに数日が経過した。 季節は十二月の中旬。街路樹には色とりどりのイルミネーションが点灯し、駅前の広場からは定番のクリスマスソングが絶え間なく流れてくるようになった。 すれ違う人々はマフラーに顔を埋めながらも、どこか浮き足立っているように見える。カップルたちは腕を組み、身を寄せ合って冷たい冬の風をやり過ごしていた。(こういう時期って、無性に人肌恋しくなるんだよねぇ……) マフラーをぐるぐると首に巻きつけながら、りとは小さく白い息を吐いた。 普段なら「私も早く彼氏作って、クリスマスデートしたい!」と切実に願うところだが、今のりとの脳内は、別のことでいっぱいだった。 予約さえすればまたあの極上のセラピストであり、壁一枚隔てた隣人でもある鬼上司に、とろけるほど愛してもらえる。その強烈な非日常が、クリスマスの寂しさなど吹き飛ばしてしまっていたのだ。 ――そして、出勤。 暖房の効いた営業部のオフィスに入り、りとはいつも通り「おはようございます!」と元気よく挨拶をした。 自分のデスクに鞄を置き、早速昨日頼まれていた見積書の束を持って、鷲尾のデスクへと向かう。「課長、おはようございます! 昨日ご指示いただいた見積書、お持ちしました!」 自信満々に書類を差し出すりと。 しかし、パソコンのモニターを見つめている鷲尾は、いつもなら即座に飛んでくるはずの鋭い指摘や冷たい視線を向けてこなかった。 ただ、眉間に深い皺を寄せ、ひどく怠そうに書類を受け取る。「……遅い。始業前にデスクに置いておけと、あれほど……」 声が、おかしい。 いつもの、周囲を震え上がらせるような氷点下のバスボイスではない。ひどく掠れていて、息を吐くたびに苦しそうな熱を帯びているように聞こえた。「課長? どうかしましたか?」「なんでもない。……それより、この項目の数字だが。君は……また、消費税の計算を……」 言葉が途切れる。 よく見れば、鷲尾の端正な顔立ちは、いつもより不自然なほど赤く染まっていた。黒縁メガネの奥の切れ長の瞳も、どこか焦点が合っておらず、トロンと潤んでいるように見える。「……課長、顔、真っ赤ですよ?」「暖房が効きすぎているだけだ。それより、早くこれを……」「ちょっと、失礼します!」 りとは見積書を強引に鷲尾のデス

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