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第901話

Auteur: 桜夏
橘家が血眼になって捜索を続ける頃、もう一方では。

京田市内の、とある路上。

ごくありふれた服装の女が、時折、何かに怯えるように左右を窺いながら道を歩いている。

サングラスとマスクで顔を隠し、髪もばっさりと短く切っていた。

人混みに紛れてしまえば、誰も気にも留めないような出で立ち。彼女こそ、朝比奈美月本人だった。

雅人も警察も、まさか彼女がまだ京田市内に潜伏し、他の県や国外へ逃亡していないとは、夢にも思わないだろう。

まさに、灯台下暗し、だ。

美月はあの夜、タクシーで県境近くの路上で降りた後、すぐさま引き返してきたのだ。

橘家が総力を挙げて自分を探していることも、警察が指名手配していることも分かっている。その上で、彼女は一世一代の賭けに出た。

納得できない。どうしても、許せない。なぜ、富も名誉も、すべてがあの女のものになるというの?

同じ施設で育ったのに。透子は愚かで、頭も悪い。自分の方が、ずっと賢くて、ずっと優れているのに。

それなのに、なぜ自分は、何一つ、あの女に敵わないの!

そう思うと、美月の胸のうちで、嫉妬の炎が狂ったように燃え上がった。

自分の未来は、
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