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第65話

Penulis: 風待 栞
すると、紗音がわざとらしく大げさな声をあげる。「あらやだ、月城さんたらうっかりさんね!乾杯しようとしたのに、避けなきゃダメじゃない。……これじゃ、わたしがわざとやったみたいに見えるわ」

「……いいえ、紗音様。私が避けきれなかっただけですわ」紗夜は屈辱を飲み込み、かろうじてそう答えた。

先ほどの紗音の時と同じように、周囲の視線が一斉に集まってくる。

紗音はさも親切そうに言った。「月城さんも、わたしと同じでついてないのね。わたしもさっき汚されちゃったの。でも幸い、自分のドレスを何着か持ってきてるから。よかったら、わたしのをお貸しするわよ?」

紗夜が返事をする前に、隣にいた雅がぱっと立ち上がった。「まあ、いいんですの!?お義姉様、よかったわね!是非お借りなさいな!」

高遠家のご令嬢と繋がりができれば、憧れの灼也様にも近づけるかもしれない——雅の頭の中は、そんな浅はかな計算でいっぱいだった。

そんな魂胆を知る由もない紗夜は、みっともなく染まったドレスを見下ろし、小さく頷いた。もはや、このまま人前に立っていることはできない。「……では、お言葉に甘えさせていただきますわ。ありがとう存じ
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