【胃部画像診断結果】 胃体部に腫瘤を認める:胃体前壁、幽門から約5cmの位置に、形態が規則的で境界が明瞭な腫瘤を確認。大きさは約1.5cm×2cm。 画像所見:腫瘤は周囲の胃壁よりやや低い密度を示す低吸収領域として認められ、周囲構造への圧迫は認められない。 腫瘤内部所見:内部は均質な密度を持ち、嚢胞性または実質性変化は認められない。 リンパ節への影響:周囲リンパ節に明らかな腫大や異常所見は見られない。 若子は、報告書の内容を目で追うと、その場に凍りついた。 「これ......何?」 顔を上げた若子は、信じられないものを見るような目をして修を見つめた。 「あなた......胃に、腫瘍があるの......?」 その言葉は、まるで雷に打たれたような衝撃だった。 修はすぐに若子の手から検査結果を奪い取り、踵を返して歩き出そうとした。 けれど、若子はすぐさま彼の腕を掴んだ。 「待って......!ちゃんと説明して!これはどういうことなの?あなた、病気なの?」 「......関係ないだろ」 修は手に持った検査報告をぎゅっと握り締めた。 「お前はお前で、西也の心配だけしてろ。俺のことなんて、もう関係ないんだ」 そう言って、修は若子の手を乱暴に振り払った。 「きゃっ!」 バランスを崩した若子は、床に倒れ込んだ。 ―ドサッ。 その音に、修は振り返るなり、慌てて駆け寄った。 「若子!」 すぐに彼女を抱き起こす。 若子は修の腕を掴んだまま、涙ぐみながら必死に問いかけた。 「教えて......!どうしてなの?この前、検査を受けたとき、もうお酒はやめなきゃダメだって言われてたよね?それなのに、また飲んだの?だから胃に腫瘍ができたの?そうなんでしょ?」 修は目を伏せ、苦しげに唇を噛んだ。 「......どうして、そんなに俺のことを気にするんだ。もう、お前には関係ないはずだろ」 若子はかぶりを振った。 「違う......違うよ!」 ―あなたは、私の子どもの父親なのに。 その言葉が喉まで出かかったが、若子はそれをぐっと飲み込んだ。 ―今さら、そんなことを告げる資格なんて、ない。 だって、侑子はすでに修の子どもを身ごもっている。 若子はぎゅっと拳を握りしめ、苦し紛れに別
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