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Lahat ng Kabanata ng ソラと庭ごはん: Kabanata 11 - Kabanata 20

24 Kabanata

第三話 和食 de 庭キャンプ(その二)

 今日もいつものトレーナーパーカーやジーンズ、ウインドブレーカーを着て外へ出る。最近は寒さも緩和されて過ごしやすくなったかなぁと思う。でも、私にとって夜はまだ少し寒い。 (虫はそんなにいないけど、念のためにメッシュタープを立てておこう。おっと、少しだけ風も出てる) 今はそよ風くらい弱いけれど、万が一と考えて備えることにしよう。外にある収納庫からタープと固定用の紐と重石と大物を運ぶ。その後に焚き火台、テーブル、ローチェア、木の棚、炭などの一式も……。 (とりあえず、一旦はこれだけかな?) まずは土台となる、メッシュタープの設置を始めることからだ。角の四本の支柱を目一杯伸ばす。 (よいしょ!っと……ふぅ……) 今回は風で揺れないようにと、固定用の丈夫な紐で長さを調整してフック型の金具付き重石を結びつけた。重石といっても、レンガの柄で施されているもの。メッシュの布は、真正面だけ全開にするためそのまま下さずにしている。 (これである程度、風が強くなっても大丈夫でしょう。あと、もうひと息……) タープを設置し終えたら、テーブルとローチェアを中に設置した。テーブルは前回でも使用した、半分だけ黒のメッシュ付きテーブル。テーブルのメッシュの部分に焚き火台を受け皿ごと置く。焚き火台の中に細かい枝と炭、大きめの炭と乗せていった。残りの半分のテーブルには、食材や食器一式を揃えるのみ。 (うん! これで役者が揃った) 焚き火台へ火を起こす作業に入る。乾燥したカサの開いた松ぼっくりに、ライターで炙る。これが、自然から生まれた着火剤だ。少しずつ火の明かりが
last updateHuling Na-update : 2025-05-22
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第三話 和食 de 庭キャンプ(その三)

 ――シュッ、シュッ! その側で、ケトルの口から吹き始めた。 (あっ! そろそろ、お湯が沸く頃になるなぁ) ご飯の蒸らしもそろそろ良い感じだろう。メスティンを耐熱の手袋で網から引き上げた。 (開けるのは、味噌汁用のお湯を入れてからにしよう) ケトルの口から湯気がどんどん吹き出ている。お湯が沸いた合図だ。その取っ手を手袋したまま掴む。味噌玉を入れたシェラカップへ、濃すぎない程度にお湯を六分目ぐらいまで注ぎ入れた。お箸で混ぜ、固まっている味噌を溶かしていく。メスティンの蓋を開けると、湯気の中から覗き込むお米の艶が綺麗に光っていた。 (今回もいい感じに炊けた証拠だ) 炊けたお米の半分くらいをプラスチック製のお椀へ移し入れる。 (よし、これで和食キャンプ飯の完成!) ここでおさらいとして、今日のお品書きを紹介しよう。ご飯、味噌汁、白菜ときゅうりの漬物、メインは鯵の干物焼き。一汁一菜の雰囲気はあるけど、一人で食べる分には充分な量だろう。 (では、頂きます) ごはんを食べる合図を呟きながら、手を合わせて食事を始めることにした。 (まずは、味噌汁から啜るとしよう) 私は猫舌で、熱いものは簡単に飲めない。フーフー息を吹きつつ、汁物からゆっくり味わう。やはり、外で飲む味噌汁も温かい。風が時折吹いていて少し冷え込むから、より感じやすいのだろう。 (うん、味噌と一緒に鰹の粉を入れて溶かしているけど、意外とほんのりと出汁が効いている!
last updateHuling Na-update : 2025-05-22
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第四話 ブレックファースト・ガーデンキャンプ(その一)

 ——ある休日のこと。 寝室の窓には生成色をベースに薔薇と蝶の柄の入った遮光カーテンで閉めている。けれど朝の日差しが、完全に閉ざされていないカーテンの隙間から入ってきた。その温かみのある光から私の顔に当たる。何気なく目を覚ませようとしていた。 (うぅん、今……何時だろう……?) 布団の中でモゾモゾ動いてから、チラッと時計の針を見てみる。時刻は、もう朝の8時半をとうに過ぎていた。平日だと、大体六時半を目安に起きる。だがペースを崩したくない私は休日であっても、そろそろ起きる時間である。 「ふあぁ~……」 むくりとベッドから起き上がり、小さなあくびを一つ。目を擦った後でも瞑ったまま、腕を上へ伸ばし肩周りをリラックスさせる。ちょっとだけ夜更かしもしちゃったから、僅かな眠気は残っている。 (ん~……なんか今日は深くゆっくり眠った気分だなぁ……。けど、休日だから罪悪感なんて一切なし) 私は寝ぼけながら、寝室から出てリビングへ向かう。 (んーと、今日の天気はどうだろうか?) 私はひとまず、今日の天気予報を調べることにした。スマートフォンに入っているアプリでチェックする。昨夜テレビで放送していたニュース内の天気予報からは、曇り時々晴れと聞いていた。リビングの窓越しで見ると、雲の量はそんなに多くない。 (うーん、この量だと三割といった程度かな?) 確かに、所々だけど白い雲が見えている。それでも青空が広がっていることに変わりなく、爽やかな気候っていう雰囲気はしていた。 (いい天気……。朝のこれから
last updateHuling Na-update : 2025-05-26
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第四話 ブレックファースト・ガーデンキャンプ(その二)

「あぁ、そうだった!」「なぁに?」 彼からの抱擁の余韻があるものの、恭弥さんから話を切り出した。というよりも、きっとある音を聞かれたからかもしれない……。 「空、まだ朝ごはん食べてないだろ?」 (あっ……! バレちゃった……恥ずかしぃ……) 時折、空腹の音が静かに鳴っている。音を立てないように耐えようとしても、我慢が限界だった。 「うん……。まだ、食べて……ない」「ハハッ、そっかぁ。俺もなんだが、この様子だと空も外で食べようと?」「うん。これから食べようと思って、準備に取り掛かろうとしてたら……」 私は、彼に聞かれたことを正直に答える。なるほどな、と彼も私が外へ出た理由を聞いて納得した。 「じゃあ、一緒に今から庭で朝ごはん食べよう」「……!」 私は嬉しさから思わず、コクコクと短めに頷く。 「メニューは……どうしようか。冷蔵庫の中、何がある?」「えーと……確か、卵と厚切りベーコンとか……」「うんうん。パンはある?」「パンは……あっ、テーブルロールならある」 ひとまず冷蔵庫の中にある食材を、頭の中でイメージしながら思い出している。 「それなら、今日の朝ごはんは洋食でベーコンと目玉焼きにしようか」 
last updateHuling Na-update : 2025-05-26
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第四話 ブレックファースト・ガーデンキャンプ(その三)

「今日は超良い天気だし、こういう時の朝食なんて最高だな」 恭弥さんはそう言いながら腕を上に伸ばした後、よいしょっとチェアから立ち上がった。 「……?」「そろそろご飯を作ろう、お腹空いただろ?」 (あ、そうだった……! まだ食べてなかった……) 彼の淹れたコーヒーをじっくり堪能したくて、つい食べることを忘れるところだった。それくらい、彼とのコーヒータイムが落ち着く。 「うん、すいた……」「てか、ごはんのこと……忘れそうだっただろ? ちゃんと俺が作るから」 やっぱりお見通しだった。今日の朝食は、彼が振る舞ってくれる。自分以外の作る手料理を味わえるのが、久しぶりだから楽しみだ。 (焚き火台の火を用意してからごはんかな?) そう思っていたらもう既に火がついている。オマケに火力の調整は出来上がっていた、網も用意してあった。あとは焼くのみだから、スキレットを彼に渡す。 (恭弥さん……やる気満々だ) まずはベーコンから焼いていく。厚切りでも、あらかじめ四等分に切られている。それをそのままスキレットの中へ……。 (はぁぁ……!) ベーコンの脂とお肉の表面から、ジューっとじっくり熱が伝わっていく。その音と同時にリズムを刻むようなパチパチした音が、食欲を掻き立ててくれる。私はそれを見て思わず、ヨダレが垂れそうにもなる。表と裏の焼き目が付いたら、ベーコンを二枚ずつそれぞれのお皿に移し盛り付けていた。 (ベーコンから出た固体の脂が液体の油に変わって旨味も流れ出
last updateHuling Na-update : 2025-05-26
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第五話 キャンプ用品巡りデート(その一)

 ——♪~いつか~君と~虹の~架け橋へ……。 今日は恭弥さんと一緒に、ドライブとお買い物デート。彼は、所有している漆黒色で施した四輪駆動の車で運転している。目的地はホームセンターやアウトドアショップなど、主に庭で使うキャンプ用品のものを買い物へ出掛ける。 ——それは遡ること、先日の夜。 「俺の寄りたいところ以外、最終日にお買い物する場所はどこにする?」 家に帰り庭でキャンプが終わった後、この連休で何をするか話し合っていた。恭弥さんはソファーでキャンプ雑誌を読みながら、ドライブの行き先を聞いてくる。 「ん~……そうだねぇ……」 私はスマートフォンを使って検索サイトで調べている。だが……。 (行きたいところ……うーん、どこだろ……?) いざ、ここへ行きたいと言える場所が思いつかない。むしろ貴重な連休だからと、真剣に考え込んでしまった。 「固く考え過ぎ」 彼にとって、私のいつもの悪い癖なんだろう。そんな姿を見かねちゃったのか、苦笑いする彼はいつもこう言う。 「でも……」「空が行きたい好きな場所でいいんだよ。ここじゃないとダメとかないんだから」 彼がそう言っても、やっぱり考えちゃう。仕事もこの連休のために、早めに済ませたんだから。オマケに忙しかった分、外でお買い物をすることが食料品を買うこと以
last updateHuling Na-update : 2025-06-02
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第五話 キャンプ用品巡りデート(その二)

 ——そうこう言っている内に最初の目的地着いた。 場所は、いつも行き慣れている大型ホームセンター。目的は木炭と薪などの購入、ドラムコードの下見をする予定だ。早速入り口から入ると、季節ものが堂々とコーナーとして設けていた。今はバーベキューやピクニックに使うレジャー用品がメインになっている。やはりレジャーシーズンになると、置いている用品がより多く揃っていた。 「空、木炭は十キロのもので良い?」「うん、あと、薪があったらそれも二束ぐらいあればお願い」「OK!」 当然のことだけど、炭や薪にも色んな種類がある。木炭は我が家でよく使うバーベキュー用の炭のことだ。 (これが安定した火力が出来るから、扱いやすいのよね) 薪は、広葉樹・針葉樹と二種類ある。我が家では特にこだわりはないけれど、どちらかというと針葉樹が多い。焚き火など火のつけ始めの回りが早いからだ。もちろん、火力や燃えやすさ、燃焼時間に違いがある。 (針葉樹のいいところは、着火した後の速さと火力。広葉樹は、火力の安定感から薪ストーブにいいらしい) どちらとも良いところと苦手なところがある。その良いところを活かすのが私達の工夫や使い方だろう。 (そうだ、これも買っておこう) 他に次々と欲しい品物をカートへ入れていき、日用品も買い足していった。キッチンペーパーやラップ、ウェットティッシュとかも最近買いに行けてなかったからだ。 「ここでの買い物はこれぐらいかな?」「うん、多分……大丈夫と思う」 必要なものを一通り
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第五話 キャンプ用品巡りデート(その三)

 ——レストラン街で夕食を食べた後。 何となく心のモヤモヤが残るも、車に乗って帰路を走る。そして約一時間半経った頃、家に着いた。時間は忙しかろうが何も関係なく、あっという間に流れてしまう。 (恭弥さんとはまたしばらくのお別れ……) やっぱり恭弥さんがいないと寂しくて、ふと泣きそうになる。だけど、なるべく見せないように我慢しなきゃだ。 「ゴメンな、空。一週間ぐらい休みにしたのに……」「……うん」「最初は丁重に断ったんだけど……クライアントの仕事で、どうしても抜けられないから……」 前回も説明したが詳しく言うと、実は恭弥さんが家に帰る日の前日のこと。連休の予定を立てようしている最中に起こった出来事だった。 「いや、先日休みを貰うからってお断りしたはずなんですが……」「そうなんだけど、お相手の方が急用だからって……」 顧客の知り合いから、諸事情で打ち合わせの都合がどうしてもと彼に電話がかかってきた。私は気にしないでと合図をする。すると彼は申し訳なさそうに平謝りのポーズを向けた後、渋々合わせることになった。本来一週間の予定だったのが、短縮されて三日間という結果に……。 「ねぇ、次、いつ帰って来るの……?」「次は結婚記念日だから……まぁ、一ヶ月後ぐらいかな?」「……うん」 彼が仕事で忙
last updateHuling Na-update : 2025-06-02
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第六話 梅雨時の部屋キャンプ(その一)

 ——六月後半、ある日の午前中のこと。 (うーん……。今日も一日中、雨かぁ……) 私は、仕事部屋で窓の外を眺めながら鬱々としている。なぜなら、先週から梅雨入りしたとニュースで流れていたからだ。梅雨時期になると庭でキャンプをすることが出来なくて、悶々とした心が私を襲う。 (キャンプが出来ないって辛い……。早く梅雨明けしないかなぁ……) 全くできない訳ではないが、雨の降っている山奥の外では冷え込む。オマケに恭弥さんから「風邪引くからダメ」とキャンプを行うことを止められている。私はしょんぼりした顔で、仕方なく雪絵さんから依頼された特集の企画を立てる仕事に戻る。 (うーん……) 仕事しながら、ふと考えていたことがある。梅雨時に、キャンプみたいことをどうやって体験出来そうなのかということだ。 (仕事の企画を早く考えて立てないとだけど……キャンプのことを浮かんでしまったからとそっちのけになっちゃう) どうしても頭の中では、家で何かそれらしいことを出来るものがないか模索してしまう。  ——数十分後……。 パソコンの画面で仕事に向き合いつつ、アイデアを練っているうちにあることを思い出す。 (あっ! そういえば、昨日偶然見つけた番組でこんなことしてたわ!) それは、テレビでチャンネルを変えていた時に流れていたバラエティ番組のことだった。
last updateHuling Na-update : 2025-06-09
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第六話 梅雨時の部屋キャンプ(その二)

 ——空き部屋を改め、キャンプ部屋にて。 (やっぱり、最初はコーヒーで一服してから……) 家の中でいつも使用しているヤカンに水を入れ、シングルバーナーで火をつけた後沸かしてる。時折考え事しつつもクルクルとハンドルを回しながら、手動タイプのコーヒーミルで無心に豆を挽いている。 ——シュー……。 (あっ、そろそろお湯が沸いてくる) マグカップの上にフィルターを入れたドリッパーをセットし、粉状に挽いたコーヒーをその中に入れた。 (さて、お湯を入れるとしますかぁ) ゆっくりとドリッパーの中のフィルター周りを注ぎ入れる。一滴が、コーヒーの雫になりポタポタと落ちていく。お湯はフィルターからちょっとずつ通過し、マグカップの中へ入り切る直前に二回目のお湯を注ぎ入れる。お湯を二、三回に分けて、少しづつ継ぎ足す。 (コーヒーの香り、いい香りだ……) これが、私のキャンプを行う前の至福のとき。お湯を注ぎ終わったら、ドリッパーを外して受け皿に置く。マグカップを手に取って一服する。 (はぁ~……やっぱりこの瞬間が好きだ……。何もかも忘れて落ち着ける時間っていい……) コーヒーを飲んでホッとした後、ボーッとして心が休まる時間。それが都会に住んでいた時でもできたら良いなあ……と思うこともあった。今は山奥の中の田舎暮らしだけど、そんな時間を作れたのは嬉しい。
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