病院の受付の女性から、これ以上の詳しい話は聞けないと判断した私と苓さんは、病院内で調べる事を諦め、車に戻って来ていた。 「信じられない……。こんな事が……こんな非道な事が罷り通るなんて……!」 ハンドルに顔を伏せていた苓さんが、低く唸るような声で叫び、強くハンドルを殴り付けた。 「相手──速水家は、計画的に行動を起こしているんですね……。思い付きの行動じゃない……ずっと機会を狙っていたんだわ……」 「茉莉花さん……」 「どうして……?最初は……涼子は私を憎んでいると思っていた……涼子は御影さんが好きだから、だから私を遠ざけようとしたと思っていたのに……」 涼子だけの問題じゃない。 涼子の母親は、かつてお父様に恋慕の情を抱いていた。 けれど、涼子の母親も婿養子を取ってそれはもう解決したんだと思っていたのに──。 「……まだ、あるの?うちと速水家には、もしかしたらまだ他にもあるの……?」 人を使って、人を殺めるなんて。 それだけ因縁が──恨みが深いのでは、と考えてしまう。 「お父様と……涼子の母親から始まったんじゃなくて……もしかしたら、藤堂と速水家にはもっと前から何か……因縁みたいな物があるんでしょうか?」 「そんな事が……?……いや、だけど茉莉花さんの藤堂家は古くから続いている家……。速水家も藤堂家よりは歴史は浅いけど……昔からこの地で古くから続く家ですね……。もしかしたら、俺たちが見逃している事情があるかもしれません」 私の言葉に、苓さんも考え、頷いてくれる。 家の事を調べるには、やっぱりもう一度書斎をひっくり返す勢いで調べ直すしかない。 「──苓さん。私、家に戻ります。家で、藤堂家と速水家の関係について、何か手がかりがないか、探します」 「それなら、俺も茉莉花さんのお手伝いをしますよ。……茉莉花さんの傍に居ます」 「ありがとうございます、苓さん」 苓さんは私を真っ直ぐ見つめ、優しく言葉を紡いでくれた。 家には今、お父様は居ない。 お祖父様は家に戻られているけど──。 お祖父様はもう二度と声を発する事は無い。 あの家で今、1人になったら。 心細くて心細くて堪らなくなっていたかもしれない──。 だけど、苓さんが私の傍に居てくれる。 そう考えるだけで、とても心強くて。 「──車を出しますね」 「お願いします、
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