บททั้งหมดของ 『パラレル』─ 愛の育み方を間違え相手の気持ちを理解できず、愛を失くした男の物語 ─: บทที่ 31 - บทที่ 40

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31 ◇押し倒されてしまった

 敢えて自分が言うほどのことでもないと、言わずにいたことだが、何もなかったのだし笑い話にするつもりで事の顛末を正直に俺は話した。「それがさ、悪酔いしたからこりゃあ駄目だと思って、目についたラブホに即効入ったんだけど、会社の性質の悪い女子社員が一緒に付いてきたみたいでドアを開けて部屋に入った途端、後ろからそのままベッドに押し倒されてしまったんだよな。 笑うだろ? 飲み過ぎて体調不良になった男を襲うなんて普通じゃないよ全く」「ふ~ん、それで?」「何してんだよお前って言って、ひっぺがして俺はすごく眠かったからそのまんま寝たよ。 あとのことは知らん!」「知らんて、次の日は?」「俺のほうが先に起きた。彼女はグースカまだ寝てた」「で?」「でっ? って、俺はとっとと1人で帰って来た……おしまい。 何もなかったよ、モチロン。 ホテル入ろうとした時に、その女子社員が俺の後から付いてきてたのを見てたヤツがいて、邪推して君に知らせてきたんじゃないのかな。 何も疚しいことはないんだから気にしなくていいんだよ、由宇子」「どうして……どーして、その女と一緒の部屋で一晩一緒になんかいられたの? どうして笑いながら普通に話すの? 私の気持ちは考えないの? 酔ってたって男女が一晩一緒に1つの部屋で過ごしたんでしょ? 何もないって有り得ない! どうしてすぐに女を置いて他の部屋に行かなかったの?」「酔って気持ち悪くなって早く横になって眠りたかったし、また別の部屋に移るっていうのは、その時考えつかなかった……な。 そもそも俺がその気にならないと行為に及べないんだからそっちの心配はしてなかったし。 男にその気がない場合、大事にならないさ」「今回は酔い過ぎてそんな気にもならなかったでしょうけれど、もし、ほろ酔い気分の時に襲われてその気になってたとしたら? そういうのは考えないわけ? その相手が常日頃から可愛くて、できればお手あわせ願いたい子だったら? 据え膳いただかずに我慢できちゃうの? あなた、危機感なさ過ぎじゃないの?」「何なに……焼餅まだ焼いてくれんの? 大丈夫だって! 女房思うほど亭主モテもせずって言うじゃないか。 さっ、この話しはこれでおしまいにしよう。 そんな手紙気にしなくていいさ」 確か、最後はそんなふうに由
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32 ◇今更なこと

 帰ろうと思ったのだが…… 由宇子には先ほど赴任先での女子社員から世話になった時のことを何故部屋に入れたのだと責められてしまったこともあって、改めていろいろと当時のことを思い出し、あれもこれも……もしかして離婚される原因だったのだろうかと思い始めると聞かずにはいられなかった。「なぁ、赴任する少し前に来た匿名の手紙の件、あれももしかして……いやあのことは、ちゃんと説明したのだし理解してもらえてたと思ってたけど、俺の独りよがりだったりするのか?」「そうよ独りよがりだった。 どうしてそんなに無防備なの? どうして妻を不安にすることを仕出かすの? 当時のあなたの言い草を思い出すだけで、情けないわ。 得意げに、オウムのように何もなかったばかりを言うのではなくて、反省の言葉を述べて、次からは気をつけるすまなかったと言ってほしかったわ。 それにね、女房思うほど亭主モテもせずって確かにそんな夫たちもいるけれど、自覚がないのか、ない振りをしているのか知らないけど、あなたは昔から女性にモテるじゃない。 結婚してからだって結婚指輪しているあなたに粉をかけてくる女子社員は少なからずいたはず。 会社にいない妻に何が分るんだとか、舐めない方がいいわよ? もう今更なことだけどね。 案外妻ってそういう情報網持っていて、よく把握してたりするもんなのよ?」「同僚や部下からよく相談と称して、あなたのスマホには一体何人の女性たちからメールが入っていたことか。 私が知らなかったとでも? 休日家に居た時、あなたから手が離せないから電話に出てほしいと言われたことがあって代わりに出たら、会社の女子社員からだった。 今は出られないから後からかけさせますと言って電話を切ったあと、なんとなく気になっていろいろと送受信着暦を見てしまったの。 それ見てすごいなと思った。 男は妻子がいても外ではパリっと仕事の出来る、男《single》の顔でいられるもんだから――。 独身の頃と代わらずモテてますな……って思った。 手紙に書いてあった女性の話だけど、ホテルの部屋の中まで付いていって、あなたを押し倒してくるなんてよっぽど好きでないとできないことよ」 この元夫《ひと》は分かっているのだろうか。 毎度毎度寝言は寝てから言えよって言いたくなるような、言い訳し
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-09
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33 ◇インフルエンザと下心

 赴任先で元夫がインフルエンザに罹った時に様子を見にきてくれた女性だって相手が元夫じゃなくて、ジャガイモのような顔をした如何にも女性と縁遠い容姿の男性《おとこ》だったなら、2日間も訪ねてきて細々と世話をやいてくれただろうか? 聞くところによると、初日は汗まみれになったパジャマ代わりのスエットまで洗ってくれたらしい。 きっと脱がすのも手伝ってもらってたんじゃないかな。 元夫は、病気で動けない病人だから世話をしてもらったと思ってるのかもしれないけれど、女性のほうに1mmも下心がなかったと言えるだろうか。 きっとその女性は、前々から元夫に好意を持っていたと思う。 私の母が突然訪ねていって、ふたりでひとつ部屋の中にいるところを見られ、あのあと女性は元夫に接近するのを止めたのか、はたまたあの時のことをきっかけに妻が側にいないのをいいことに親密になったのか、知る由もないけれど。  私はそんな異性問題で悩まないでいられる男性《ひと》と結婚したから、今となっちゃ知ったこっちゃないって感じ。「俺はそんなに信用をなくしてたのか? 君を欺いて不倫していると思われていたのか?」 君のことを妻として大切に思っていないと思われてたんだ?」 由宇子は、瞬きひとつせず真っ直ぐに俺を見つめてきた。 その瞳には、後悔や言い訳や、そしてそんな感情と共に、もはや俺に対する怒りさえも灯ってはいなかった。 何故ならその瞳は確かに俺を見ているのだが心が……魂が…… 俺の目を突き抜け、遥か遠くを見ていた。 そしてもはや、俺の問い掛けに由宇子が答えることはなかった。 今度こそ俺は元家族の住む家を出た。
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34 ◇思い知る

 家を出た時に思い知った。 反対していた由宇子に、無理やり単身赴任を決めて俺が赴任先に旅立ったあの日、多少の違いはあるにせよ由宇子もまた、今の俺のように寂しい想いでいたであろうことを。 由宇子、ごめん。 君の不安を思い遣ることのできない、思い遣りのない夫だった。 心の中で元妻に詫びた。 もう怒りは消えていた。 ただひとつ心残りがあった。  美誠《みま》と智宏に――『ただいま……父さんやっと帰ってきた。 ずっと会えるのを楽しみにしてたよ』 そんな台詞を考えて帰ってきたのに言えなかった。 それが切なく、悲しかった。 ひとまず今夜は引き続きホテルに宿泊して、明日は不動産巡りだな。 ホテルに向かう電車の中で、俺はいつの間にか泣いていた。 泣いたのは子供の頃以来だなと思った。 単身赴任には、落とし穴があるとは聞いていた。 まず由宇子が言っていたように、相方の浮気。 気楽な独り暮らしが捨てがたくなる。 単身終えて帰ると父親の居場所がなくなってる。 いろいろ聞こえてきたが、俺の耳にはまさに馬耳東風だった。 妻の浮気については全く心配していなかった。 彼女は独身の頃、それはそれはモテた。 俺はそんな中、他の男どもを跳ね除け勝ち取った。 モテるが浮気症なところのない女性だ。 それに家庭的で子供たちをとても愛している。 だから彼女の異性関係は安心していられた。 自惚れもあった。 彼女は俺に惚れていると思っていたから。 そして俺自身の浮気についても、ほぼほぼ走らない自信はあったし、元妻以外の女に惚れる可能性はなかった。 そう、俺が由宇子に惚れていたからだ。 油断して間違いを犯したとしても、浮気止まりなら許してくれるだろうとも、頭のどこかにあったかもしれない。 だって元妻は俺に惚れているからと。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-11
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35  ◇己惚れていた

 それに本気で余所の女を好きになって家を出て行くわけでもない夫に、わざわざ離婚を突き付けて2人の子供たちを父無し子《ててなしご》にするはずもないだろうと高を括っていたのかもしれない。 自分の予想の甘さにまた、泣けてきそうだ。 浮気も不倫も疑われるようなことはあったかもしれないが、振り返ってみても、どちらの件も不可抗力だったし、俺自身相手の女性たちに対して微塵も浮気心などなかった。 そこのところは元妻も分っているはず。 しかし、惚れられているから大丈夫だと高を括っていた俺は、彼女を不安にさせ──思い遣りを持たない夫《おとこ》はいらないとばかりに、諸々の疑惑と単身赴任だけで、ばっさりと元妻に切られたのだ。 仕事にばかり気をとられて、元妻の気持ちに寄り添うことをせず、俺が無神経で不精だったがために生んだ、亀裂なのだろう。 しかも俺に対するただのパフォーマンスなんかじゃなく……怒りを示すためだけに勢いで離婚届を出したわけでもなく……再婚までしてその上、再婚相手と子共まで産んでいた。 惚れられていると思っていたのは、ただの自惚れだったのだと思い知った。 家族の過ぎ去った月日と年齢を頭に浮かべてみた。 女盛りの元妻を8年も独りにしていたのだ。 もし彼女が黙って待っていたとしたら……。 親を親として認識し始め甘えたい盛りの子らを8年も放っておけた自分に、今更ながら驚いた。 俺ってバカ? 元妻が俺を捨てた原因は、りっぱに筋の通るものだったのだ。 仕事のできる俺……元妻に惚れさすことのできる俺……お金を儲けてくるんだから少しくらい不自由なことがあってもと、考えていた俺。 大切なモノを…… 大切なことを……見失っていたんだなぁ~ ホテルのベッドの上で今更ながら、改めて気付いた。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-11
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36 ◇納得できない

 元妻との大切な夫婦の時間も……可愛い子らとの触れ合いや語らいの時間も……簡単に手放した俺に、今は何も残っていなかった。 元妻の言ってたことが正しい。 俺こそが先に家族を捨てたんだ。 そして元妻は、捨てられる前に俺を捨てた……うん? わけが分からなくなってきた。 どっちが先だ? 夕飯で飲んだビールが、今頃身体に効いてきたのか? 8年間独りで毎日充実していると思った日々を送ってきたのに、いきなりこんなにテンション下がるっておかしいだろ? 明日からも単身赴任と思えばいいだけさ!! 8年独りで平気な男なら10年は大丈夫だろ? そう思って生きろ、将康。 10年過ぎたら、またその時身の振り方を考えればいいのさ。 なんだ、考え方を変えれば大したことじゃないと思えるじゃないか。 ハハハっ! この現実が夢ならいいのにと、その夜の俺はどんなに思ったことか。 その夜、どんなに頑張っても俺は眠ることができなかった。 何故こんなことになったのか……納得するのだが、いろいろ考えていくうちに、最初の疑問に戻ってしまう。 どうして由宇子、こんなことをしたんだ? ってね。 酷いじゃないかって、ループするわけだ。 それで、元妻の気持ちを理解しようとして、考えたり想像したりそして納得して俺が悪かったって反省もする。 だが、またいろんな考えに捉われてやっぱり最初の気持ちに戻る。 このループをこの夜4回はしたな!* 完全に納得できないのはまだまだ聞きたいことがあって、突然のことに話し合いの時間もそんなに取れず、ひとまずはと独りでホテルに逗留しているからだろうと思う。 今更だがもっと元妻の胸の内を聞いてみたいと思った。 ベッドに入ったものの思考の波に飲まれ、芯から眠ることができずに一晩過ごした俺は、明け方にも関わらずメールの気安さで元妻に疑問を投げ掛けた。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-12
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37 ◇意味深な返信

   ~将康から由宇子へのメール ~「あっさりと離婚届けを出せたってことは、もうすでに俺に気持ちがなかったからなのか? もしそうだとしたら、俺は大きな勘違い野郎だったってわけだ。 俺は君に惚れていたし、君からも惚れられていると自信を持っていたからね」 元妻は今も昔と変わらず早起きのようで5分後のAM 5:45に返信がきた。  こんなに早く返信が来るとは思わず、なんとなく眠れなくてグダグダな状況で送った質問だったのだが……元妻の返信を見て俺の小さなプライドに火がついた。「相変わらずあなたは何にも分かってないのね」 これが元妻の返信だった。 当時……単身赴任した頃、気持ちがあっのかなかったのか答えればいいだけなのに、なんだというのだこの返事は。 俺をオロオロさせて楽しんでるのか? 自分はさっさと新しい家庭を持って随分余裕あるじゃないか。 こんなワケわかめな返信を寄越して。  元妻の返事にガックリきた俺は、急に睡魔に襲われ、その身体の欲求に縋りついて、あぁしばらく何も考えなくていい世界に入っていけるんだなぁ~などと頭の片隅で考えながら、深い眠りについた。 目覚めたのは昼過ぎだった。 なるべく早く住むところを確保せねばならない。 ようやく眠れて疲れが取れたとはいえ精神的疲労のはげしい俺は、不動産巡りをしつつも、その日一日中元妻の放った、あなたは何も分かってないという言葉の意味を考え続けた。          ◇ ◇ ◇ ◇ 仕事始めの前日になる翌日、1度自分の席を確認するため古巣の事業所に立ち寄った。 事務所には赴任前からいた気心の知れた同僚、樽本絢がいた。 忙しいのか? そういえば単身赴任を決めた頃、樽本絢からやんわりと忠告を受けてたことを思い出した。『ほんとに奥さん、賛成してくれてるの? いつこちらに戻れるかもしれないのに、妙にあっさりしてるのね』って。 由宇子がもろ手を挙げて賛成していたわけではなかったが、強行に反対することもなかったので、あの頃の俺は何で樽本がそんな風に言うのかが、分からなかった。 
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-13
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38 ◇もっと慎重になるべきだった

 とても8年も経過したとは思えないほど依然として変わらぬ広い事務所では、休日出勤者があちこちにぽつぽつ散らばって仕事をしていた。  お目当ての彼の人も相変わらず休日出勤しており、仕事していた。 その樽本の近くには幸い誰もいなかったのもあって、俺はしばらくぶりの挨拶をしたあと、近くの椅子を彼女の側に引き寄せて座り、簡単に自分の今置かれている状況を話した。「やばいんじゃないかって思ってたけど、私の想像のずっと上をいってたのね。 そっか、あっさり承知したのは、もうその時決断してたからなのね。 だいたい奥さん扶養に入ってないくらい稼いでたんでしょ? そんな妻を持ってるんだからもっと慎重になるべきだったんじゃないの。 はぁ~今更だけどねぇ。 妻も子も失ってまでしたかった? 新しい仕事?」「そんなわけないじゃないか!  止めてくれよ、そんな言い方……傷つくよ」「ごめん、……だよねぇ~」「あなたさ、それだけモテるんだからあるていど自覚はあるんでしょうけど、女性に対する危機管理っていうの? なさ過ぎ。 当時の奥さんあなたのこと、離れたくないほどとても好きだったんじゃないかな。 だから苦しくなる前にあなたを切ったんじゃない? あなたはきっと反対のことを考えてると思うけど。 もう自分には興味がなくなってたところへ単身赴任の話が出たので、勝手に行くような……長期いなくなるような……夫、父親はいらないって捨てられた、とかって考えてなぁ~い? たぶん、それ違うと思うよ?」「どうだろう、元妻に当時の気持ちを聞いてみたんだが、答えは、あなたは何も分かってない、だったよ」「気持ちがもうなかったのなら、なかったって言うんじゃないのかな。 当時はあなたのこと好きだったと思うわよ、やっぱり」「そうかな、分からないよ。 好きならどうして離婚届けを勝手に出したのか。 しかもすぐに再婚して、そいつの子を2人も産んでたんだぜ。 どうすりゃあいいんだよ。  反省して元妻とやり直すこともできないんだから、絶望的だよ」
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-13
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39 ◇結婚してたのか?

「まぁ、8年間妻子に会わずにいられたあなたにも相当問題あると思うし……。 そっか、奥さん再婚してその相手の子供まで産んでるんじゃあ、 今の奥さんのあなたへの気持ちがどこまで残っているのか、流石の私にももう分からないなぁ~。 死にたくなった?」「まぁね……」「あーぁ、私が今だ独身なら、大倉くんの奥さんになってあげてもよかったんだけど」「えぇっ、結婚してたのか? 君、結婚なんか仕事の邪魔、カスとか言ってバリバリキャリアウーマン目指してたじゃないか。何なんだよ」「ははっ、あれね結婚できない苦し紛れの言い訳も少しあったのよぉ~! あなた留守の間、東京支店から昔大阪支社で一緒だった山崎くんがこっちに異動で来てね、同期のよしみでたまに飲み歩くようになってどっちもまだ独身だったから、なんかなるようになった」*「何か、いい加減なヤツだなぁ~」「いいのよぉ、難しく考えなくても。 昔からしたいって思った時が結婚適齢期って思ってたしね。 彼ね、大正解だった。 私ら、今仲良い夫婦だよン。 今度一緒に飲も? 仲いいとこ、見せ付けてあげるから」* 「酷いヤツだな。 独身になった寂しい俺に見せ付けようなんて冷酷なヤツだよ、オマエ!」「大丈夫だよ、あなた。 自分で思ってる以上に女性から見ると魅力あるからさ、すぐに奥さん候補がわんさか群がってくるからいいの選びなさい。フフっ」「はっ、何言ってんだか」          ◇ ◇ ◇ ◇ 目の前の男は、寂しそうに反発する言葉を放った。 マジ本心だよ。 かく言う私も、実はあなたが独身の頃から単身赴任でこの同じ職場から居なくなるまで好きだったんだから。 気持ち知られないように上手くやってたから気付かれてはいないと思うけど、そんなモテ男で奥さんもさぞかし疲れたんだろうね。 色男はどんな時も、罪作りだね……ご愁傷さま。 励ましといたけど、彼は寂しさを背中に滲ませて帰って行った。 私は自分の夫を大切にしようと改めて思った。 そして大倉くんがここに戻ってくることになって、今日悩みを聞き話していて決心がついた。 この機に会社を辞めて年も年だけど子作りに専念しようかと。 私は大倉くんが好きだった。 その気持ちに決別するために……夫だけに気持ちを向けていられるよう……心が揺れ動か
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-16
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40 ◇由宇子と薫

  私と薫《たい》は3つ違いの従姉弟同士だ。 私の母と薫の母親が姉妹で、薫はうちの母の姉の子になる。 妹の母のほうが早くに結婚したので薫は年下の従姉弟になる。 薫は普通の人々とは少し違った個性を持ってこの世に産まれてきた。 私は近所に住む薫とはそれこそ生まれた時からきょうだいのように育ってきたので、あまり違和感は持ってない。 だからといって薫が特別な教育を受けたということでもなく大学まで普通に通っている。 小学校の3年生頃から伯母は、薫の少し変わった性質に気がついたのだと言う。 何がどうって、それをひと言で語るのは難しいのだそうだ。 中学生になって伯母からそんな風に薫のことを母と一緒に聞いた。 その頃は?  薫の抱える問題が分からなかったけれど、今なら何となく伯母の感じる違和感が分かる。 人の考えていることを、慮る能力が少し足りない? 全く分からないのではなく、例えば相手が高等な手管できた場合、やさしそうに笑いながら接しているのに腹の中では舌を出している人がいたなら、絶対薫には分からないと思う。 まぁ、そんな手管を使える人間に対して、私だって分からないかもしれないけどね。 そんな微妙なラインの話なのだ。  薫が、とにかく容姿が優れていて思春期に入ると、それは伯母にとってとてもやっかいだったようだ。 同年代の若い女子の腹の中を薫は読めないから危険が一杯なのだ。 そう言って伯母が母にこぼしていたのを、私は薫と一緒に聞いてた……よ? 振り返ってみれば、怖いよねぇ~* そんなデリケートな問題を当の本人と聞いてたんじゃないのよ全くぅ。 伯母にも吃驚だけど、今の今まで私だって薫と一緒に聞いてたことに何も思うところなくきてたなんて、OH・MY GOD! イマサラ  薫に対しての配慮の足りなさを……足りなかったことを今更ではあるが心の中で詫びた。 スマヌ、薫! だけどやはりそういう風に、そんなシチュエーションの時にも空気のように一緒に居る私や母、伯母に何も違和感を持たせず場に溶け込める術を持っているのが、薫なる所以でもあるのだ。 中学3年の終わり頃から…… 女子たちが色気づく頃から……いつも薫の側には可愛い女子がいたね。 薫は嬉しげでも嫌そうでもなかった。 淡々としてたのを記憶している。 
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