それからしばらくして、仕事を終え、瑞が病室に来てくれた。 すごくホッとするのと同時に、あんなことがあったからかな……ちょっと気まずい。 「愛莉、大丈夫? まだ痛むのか?」 その優しい眼差しをずっと見つめてたら、きっと……私、泣いちゃうよ。 だから、わざと目を逸らして、視線を落とした。 「来てくれたんだ。疲れてるのにわざわざありがとう。私は……全然大丈夫だよ」 嘘だ…… 本当は痛みもまだあるし、坂井先生のことがあったばかりで心がキツい。 「大丈夫」だなんていう精神状態には、程遠かった。 「本当に大怪我にならなくて良かった」 「う、うん。私って、こういうとこあるから気をつけないとね」 「確かに、お前は昔から運動音痴だったな。元気に走ってるかと思えば、突然コケて怪我したり。よそ見して歩いてどっかに体をぶつけたり」 「やめてよ、恥ずかしいな。大人になって、ちょっとはマシになったんだから。でも……そういう時、いつも瑞が手当てしてくれたよね。すぐに家の救急箱を取ってきてくれて、消毒して、絆創膏を貼ってくれた」 本当に、懐かしい思い出。 記憶の中に、ずっと置き忘れていたのに…… まだ小学生の瑞が、大きな救急箱を抱えて必死に走ってくる姿が、今、鮮やかに浮かび上がった。 頼りになる優しいお兄ちゃん。 幼い私は、そんな瑞と一緒にいることがすごく心地良かったんだ。 「怪我したんだから、手当する。そんなことは当たり前だろ」 「当たり前じゃないよ。私は、瑞に甘えてたよね。たぶん、きっと……いつも側で支えてくれてたのに、そのことに感謝もできずにいたと思う。本当に……ごめんね」 私は、ベッドに座りながら頭を下げた。 「謝るなよ、そんなこと……」 瑞に頭をポンポンされ、ちょっと照れる。 それに、この微笑み……やっぱりすごく素敵で安心する。
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-28 อ่านเพิ่มเติม