須恵はその場で声を冷たくした。「名字が小林じゃないから何だっていうの。この子は私のかわいい孫娘よ。何を贈ろうと、あなたに口を出される筋合いはない。これ以上つまらないことを言うなら、出ていって」その点だけは、萌花も須恵に感謝している。須恵はこれまで一度も、時雄とやり直せとは言わなかった。赤ちゃんが生まれてからは、二人のことよりも、ひ孫のことで頭がいっぱいになっているようだ。けれど理香子の顔を見た瞬間、萌花の中で一つのことを決めた。はなのことを、これ以上放っておかないと。萌花は理香子に尋ねた。「はなさんは最近どうしていますか」理香子は不機嫌そうに言った。「彼女はもう小林家から外されましたから、私が知るわけないでしょう」「それでも、長く一緒に暮らしてきた子でしょう。連絡くらいは取れるはずです。渡したいものがあるので、時間があるときに一度こちらへ来るよう伝えてください」はながやって来たのはその翌日だ。理香子から連絡を受けたとき、はなは最初、行く気などなかった。萌花が自分に贈り物を用意していると聞いても、どうせろくなことではないと思ったからだ。しかし理香子が「最近、お義母様が萌花さんに高価な宝石をいくつも贈っているらしい」と言ったことで、はなの考えは変わった。もしかしたら、萌花はその中から一つ選んで、自分にくれるつもりなのではないか。もちろん、はなも本気で萌花が好意から贈り物を用意しているとは思っていない。子どもを産んで、須恵に大事にされていることを見せつけたいだけかもしれない。あるいは自分に惨めな思いをさせたいのかもしれないと彼女は思った。萌花には妙に高潔ぶったところがある。お金などに執着しないふりをして、相手を見下すためなら、本当に高価なものを一つくらい差し出す可能性もある。最近のはなは、とにかく金に困っている。たとえ萌花に見下されるとしても、高価なものが手に入るなら話は別だ。そう考えたはなは、翌日には産後ケア施設へ向かった。萌花を見て、はなは媚びるような笑みを浮かべた。「萌花さん、本当におめでとうございます。こちらの産後ケア施設、すごく高いんでしょう?月八百万円どころじゃないんじゃありませんか?」はなは笑顔で祝福しているように見せながら、わざと「月八百万円」という金額を口にした。
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