「これで、町長はお兄ちゃん。名前もグランディールに決まった」 アナイナは満足そうに言って、みんなを見回した。「これから、どうする?」「住民を集めるんじゃないの?」「いや、必要なものがある」「えー?」 自分の考えを反対されるのに慣れていないアナイナが。割って入って来たアパルさんに口を尖らせる。「何よ」「町の売りだよ」「空飛ぶ町ってのじゃダメなの?」「そうじゃない。ただ空を飛ぶだけじゃ、町の売りにはならないんだ」「なんでー?」「だって、不便なところもあるだろう? 今のところ、下に降りるにはグランディールを下ろしてやらないといけないし、上り下りする時にいちいち動かさなければいけない」「あ、そっか」 納得するしかない言葉を言われて、うん、とアナイナが頷く。「その不便さを背負ってでもこの町に引っ越してきたいという、こう、背中を押す何かがなければ、人は来ない」「じゃあ、みんなが来たいと思う素敵な何かを考えなきゃならないの?」「そう」 さすがのアナイナもこの難問にいつもの適当な答えを出せず、悩んでしまう。「売りはさておいて、人を呼ぶとして足りないものは?」 ヴァダーさんの言葉に、ヒロント長老苦笑い。「足りないものばかりだねえ」「食い物で足りないのは?」「肉。それと、種」 ヴァダーさんの言葉にマンジェさんが即答する。「これまでは森の中だったから獣は狩り放題だったけど、今は違う。鳥を狩る道具もない。あと、畑があって、だん、もとい、長老の「豊作」があっても、植える種がなきゃ穀物や野菜は育たない」「肉や種は買い入れるしかない、そして買うだけの金がない、と」「そういうことだ。ボクの食獣もまず獣がなければ使えない」「獣は「まちづくり」の中に入らないの?」「町民が自動で増えたりしてないから入らないんだろう」 アナイナの単純な疑問とアパルさんの明快な答え。「町民を招き入れる広さはどうなるんだい?」「それは「まちづくり」の中に入るだろう。最初に我々七人が住める町を町長が祈って出てきたのがこれだ、一人入れてみないと分からないが、恐らくは広がるかと」 シエルさんの疑問にこれまたアパルさんが切り返す。「あと、単純に人手が足りない」 これまたマンジェさん。「七人暮らせるだけの畑があったとしても、畑作に関わる人間が少なければ人は養えな
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