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第20話・家具の町スピティ

مؤلف: 新矢識仁
last update تاريخ النشر: 2026-05-19 05:24:29

 ぎぃ、ぎぃと車が軋む。

 牛二頭が引く荷車で、ゆっくりと。

 スピティに向かうのは、サージュ、アパル、ぼく。

 アナイナは行きたいと散々駄々をこねたけど、ヒロント長老になだめられ、まだ未成年が商売に絡んでいると舐められるからとファーレさんに説得されて、渋々グランディールに残った。

 北の町、スピティの東の断崖地帯。その近くに今、グランディールは停泊している。そこからファーレさん作幌馬車ならぬ幌牛車でスピティを目指す。

 何故牛車かと言うと、牛しかないから。うん、単純な答え。

 サージュが御者席で牛を操り、アパルがその間に荷台でぼくに色々教えてくれている。

 教え込まれているのは、町長らしい振舞い方。

 成人したばかりのぼくは、町長らしくない。言動も、考え方も。

 スキルで選ばれたから仕方ないっちゃないんだけど、町の名声をあげるためにスピティに向かうのに町長が来ないんじゃ話にならない、と言うのがヒロント長老、アパル、サージュの一致した意見。

 で、ゆっくりの牛車の中で、町長らしい言動の勉強中。

 まず、相手が年上であろうとも、町長が町民をさん付けするのは好ましくないとのこと。
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