高津総合プランニング株式会社は、ちゃんと存在していた。 黒瀬さん側から入った最低限の情報を見て、私はまずそれに少しがっかりした。 登記はある。代表者もいる。設立は八年前。 紙の上では間違いなく、一つの会社だった。 でも、めくっていくと、すぐに気持ちが悪くなった。 事業内容が曖昧すぎた。 「経営企画支援」「総合コンサルティング」「各種業務受託」。何でもやれて何もやっていない、という書き方。 所在地はレンタルオフィスらしき住所。役員は二人だけ。会社の実績もホームページも、ほとんど見当たらない。 「会社としては、存在しています」 私は、九条さんに言った。 「でも、継続的な外注先としては、不自然です」 派手に違法だと決めつけはしなかった。 そういう言い方は、会社で負けた女のやることだ。証拠もなく相手を犯人にすれば、自分が取り乱したように見られる。私はただ、経理の目で気持ちが悪いところを一つずつ積んでいった。 会社時代の記憶を掘り起こした。 高津総合プランニング名義の請求は、毎月あったわけじゃない。 必要なときだけ、ふいに現れた。 内容が薄いのに金額だけは妙に整っていた。 端数のない、きりのいい数字。 請求書の文言は横文字で埋まっていた。 読むと、何かを説明された気になる。 でも後で考えると、何も言っていない
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