呪われた能力持ちの令嬢が、身代わりで向かった婚約先は、優しい獣の住まう宮 のすべてのチャプター: チャプター 31 - チャプター 40

74 チャプター

【第31話】予期せぬ来訪者

 黒曜宮を出発してから数日。 王都への旅は、驚くほど静かで、ひっそりとしたものだった。  第一王子であるジェイドが乗るには、随分と質素に見える紋章も伏せられた馬車に揺られ、一行はひたすら道を進んだ。途中の町や村に立ち寄って視察することもなく、陽が沈めば手配された静かな宿屋に泊まるだけ。まるで気配を消すかのような移動だった。  だが、セラにとってはジェイドやリタ、レオンと穏やかな会話を交わしながら過ごす、満ち足りた時間でもあった。  そうして数日の旅程を終えた頃、馬車の窓の外に、それまでの風景とは一線を画す巨大な建造物が見えてきた。 「セラ様、ご覧になってください。王都の城郭ですよ」  リタに促されて窓の外を覗き込んだセラは、思わず小さく息を呑んだ。 視線の先にあるのは、どこまでも続いていそうな、高い城壁だった。馬車は、城壁の内側へと入ってからも、けっこうな時間を走り続けた。  そうして到着した、新たな住まいは、黒曜宮とは、何もかもが対照的だった。雲ひとつない青空の下で、眩いばかりの白い石造りの城壁が陽光を浴びて輝いている。優美な曲線をあわせもつ、明るく華やかな城だった。  馬車が立派な門をくぐり、広大な敷地へと入っていく。 セラは、輝く城の城壁を眺めながら聞いた。 「美しい城ですね。国王陛下がお住まいの宮ですか?」  向かいに座るジェイドが優しく目を細めた。 「いいや。わたしの専用の住まいだよ。わたしの母に陛下が下賜された城で、白亜宮と呼ばれている」 「そうなのですね。王宮は、また別の場所にあるのですか?」 「白亜宮も含めて、この見えている範囲のすべてが、王宮の敷地の一部だよ。敷地内を回るだけでも、馬を使わなければ日が
last update最終更新日 : 2026-08-06
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【第32話】踏みにじられる平穏

 応接間の外から、騒ぎ立てる声が響いてきた。 「どうか、お待ち下さい!」 「貴様、ローゼンタール家当主の前をふさぐとは、どういう了見だ。どかないか! 第一王子に仕える者は、礼儀も知らないのか!」  セラは応接間から出て、廊下のはしの壁にかくれるようにして、白亜宮の広いエントランスホールをのぞき見た。  久しぶりに見る姿が、そこにあった。 「これは一体どういう無礼だ。セラを出せ! 我がローゼンタール家の娘がここにいるのは分かっているのだ!」  声をはりあげて、まわりの侍従や護衛騎士たちを困らせているのは、絢爛豪華な衣裳に身を包んだ男だ。セラの父親であるローゼンタール家当主の姿がそこにあった。その隣には、さらに豪華な衣裳に身を包んだ女もいる。  お母様……。  セラは、その姿を見て、ひやりとした。 父親はほとんど顔を見ることがなかったが、母親は、あの地下室で何度も何度も、セラを打ち据えた。  白亜宮の侍従たちが青ざめた顔で「お待ちください、殿下がお留守で……」と必死に押し留めようとしているが、ローゼンタール家当主はそれを払いのけるように、奥へと進もうとしている。 「セラ様、出る必要はございません。奥へお隠れになってください」  リタがセラの隣で、声を落として言う。  そうするべきかもしれない。 自分では、この状況を乗り切れるかも分からない。  だが、ローゼンタール家当主が、押しとどめようと前に出た侍従に、いらだったのか、持っていた銀頭の紳士杖をふりあげた。瞬間。セラは、思わず飛び出して言った。 「おや
last update最終更新日 : 2026-08-07
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【第33話】氷の威厳と王の許し

 騒がしかった白亜宮のエントランスホールに、静寂が広がった。  セラは母親に腕をつかまれ、無理矢理に引き立たされた状態で、ジェイドの姿を見た。  扉の前に立つジェイドは、大声を出したわけではない。静かにその場を制する言葉を、ほんのすこし放っただけだ。それなのに、その場にいるものすべてが、誰も動かない。  ジェイドの、青い瞳は氷のように冷たく見える。魔獣の姿で威嚇するように吼えた姿よりも、なぜかおそろしい感じがした。  セラのそばで、父親が乱れた服装をととのえ、ジェイドに向き合った。彼は慇懃な素振りで、胸に手を当てて深く一礼する。 「これはジェイド殿下。まずは、無事にお戻りになられたこと、心よりお慶び申し上げます」  上辺だけは、恭しさに満ちた挨拶に見える。 ジェイドは挨拶に応じず、冷徹な声で告げた。 「今すぐ、セラから手を離せ」  その言葉は、セラの腕を爪がくいこむほどに強く掴んでいた母親に向けられたものだった。母親は一瞬身体を強張らせたが、ちらりとセラに脅しつけるような視線を送ったあと、華やかな笑顔を装って言う。 「殿下、これは我が家の問題でございます。親として、娘を——」 「これは警告ではない。命令だ」  ジェイドの鋭い一言に、ホール全体の空気が一気に冷える。 その威圧感に、母親は息を呑み、セラに苛立ちの込もった視線を浴びせてから、いまいましげに腕を離した。  拘束が解け、セラは小さく震えた息を吐いた。打たれた頬が熱く脈打ち、全身の震えが収まらない。 「殿下、わたくしどもは随分と長い間、娘のことを心配しておりました。こうして無事に再会できたのです。親子での積もる話も
last update最終更新日 : 2026-08-08
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【第34話】二度と戻りたくない

 冷やされた濡れタオルが、熱を持って痛む頬にそっと当てられた。ひんやりとした感覚が広がり、火照っていた皮膚が少しずつ鎮まっていく。  セラが、ほうっと息をついて目をあけると、目の前にリタの心配そうな顔がある。 「あまりにもひどすぎます! 実の娘の頬を、あんな力任せに打ち据えるなんて……!」  白亜宮の応接間で、ソファに座るセラの隣で手当てをしてくれているリタは、眉を釣り上げ、カンカンに怒っているようだった。声には激しい憤りが籠もっていても、セラの顔に触れるその手つきは、壊れ物を扱うように優しい。  セラは、隣で手当てをしてくれるリタ、傍らに立つレオン、そして目の前に座るジェイドを見つめた。胸の奥から、申し訳なさがこみ上げてくる。 「……ごめんなさい。私の家族が、着いて早々……こんな騒ぎを起こしてしまって。ご迷惑をおかけしてしまいました」  深く頭を下げようとしたセラを、ジェイドの声が引き止める。 「やめてくれ、セラ。きみが謝る必要など、どこにもない」  ジェイドが心配そうな顔で、こちらを見ていた。 「こうして強引に接触を図ってくる者がいるかもしれないと、もっと警戒しておくべきだった。立ち入りを禁じる手配をしておくべきだったのに、配慮が足りなかったのは、わたしの方だよ」 「そんな、ジェイドのせいではありません」  セラが慌ててかぶりを振ると、少し離れた場所で壁に背を預けていたレオンが、ふっと呆れたような息を漏らして口を挟んだ。 「おふたりさん、どっちも悪くないだろ。騒ぎを起こしたのは、あの派手でけばい」  レオンの言葉に反応して、リタがレオンを
last update最終更新日 : 2026-08-09
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【第35話】静かな午後と、嵐の予感

 白亜宮に到着して数日。  長らく主が不在だったこともあってか、白亜宮のなかでは、常に誰かが慌ただしく動き回っていた。バーニーもリタも、荷物の片付けや、使用人たちの差配に連日追われている様子だった。  そして何より、ジェイドが多忙を極めていた。 毎朝、朝食の後にセラと静かに触れ合い、呪いの魔力を抑えて人間の姿を取り戻すと、彼はすぐさま身なりを整えて出かけていく。夕暮れ前に帰ってくる彼の顔にはかすかに疲労の色が滲んでいるように見えた。  そんななか、セラの隣にずっと留まっていたのが、護衛騎士であるレオンだった。 「ふぁあ……今日もいい天気だねえ」  日当たりの良い応接間で、レオンは窓辺に置かれた大きな寝椅子にだらしなく寝そべっていた。ぽかぽかと暖かい陽光を浴びながら、心地よさそうに目を瞑っている。  最初のころはだらしなく座る程度だったが、もう今となっては完全に横になっている。そのうち、レオンはすっかり寝てしまうんじゃないかと、セラは彼のくつろぎっぷりを感心しながら観察していた。  最初は、何かお手伝いできることはないだろうかと、そわそわしていたセラだったが、レオンがあまりに適当にくつろいでいるため、拍子抜けしてしまった。王太子妃としての勉強もすぐにはじまるわけではないらしく、セラもレオンにつられるようにして、少し気を抜いて体を休めることができた。  セラは手元のお茶にそっと目を落とし、寝椅子の上のレオンへ問いかけた。 「あの……レオン。わたしのお供ばかりで、退屈ではありませんか?」 「ん? 退屈?」  レオンは薄く目を開け、寝椅子の上でゆっくりと身体を起こした。 「セラ様、退屈は、人生において、
last update最終更新日 : 2026-08-10
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【第36話】触れる体温と、忍び寄る熱

 白亜宮の自室へと戻ったジェイドは、身を覆っていた堅苦しい礼服の上衣を脱ぎ捨てた。首元を締め付けていたクラバットを解き、シャツの第一ボタンを外して、大きく息を吐き出す。  サイドテーブルに置かれたデキャンタから、琥珀色の酒をグラスに注ぎ、一気に喉へと流し込んだ。硬質なアルコールが胸の奥を焼く。 「……はあ」  思ったよりも重く、大きなため息が口から漏れた。ジェイドは自嘲気味に苦笑を浮かべた。  数年の間、呪いに身を苛まれて王宮を離れていた代償は大きい。帰還した途端、第二王子派からの横槍や、日和見を決め込む貴族たちとの腹の探り合いに追われ、すっかり忙殺されている。  余裕のない様子を見せていては、どこで足元をすくわれるか分からない。 気を引き締めなければ……。  グラスを傾けたまま、窓の外へ目をやる。空はゆっくりと群青色へ染まりはじめ、夕暮れの影が伸びている。  ……そろそろか。  人の姿を保っていられる限界の刻限が近づいていた。  王宮の人間は、第一王子が呪いを完全に打ち破り、完璧な姿で帰還したのだと思い込んでいる。だが現実は、薄氷の上を歩くような、不安定な帰還だ。セラとの日々の触れ合いによって呪いの力を一時的に抑え込んでいるだけで、夜には、魔獣の姿へともどる。  いつまた呪いの魔力が暴走し、自我を失うかも分からない緊張感。それもまた、ジェイドの神経を想像以上にすり減らしていた。  その時、遠慮がちなノックの音が響いた。 「どうぞ」  ジェイドが声をかけると、扉がゆっくりと開き、セラがひょっこりと顔を出した。&
last update最終更新日 : 2026-08-11
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【第37話】王の眼差し

 白亜宮に用意された新しい部屋での暮らしに、セラがすっかり慣れ、心に落ち着きを取り戻しつつあった頃、ひとつの大きな出来事が用意されていた。  王室主催の大規模な舞踏会だ。  国王陛下も妃を伴って出席するというその催しは、ただの華やかな社交の場ではない。長らく不在だった第一王子ジェイドの帰還と、また、第一王子、第二王子両名の婚約を公的にお披露目することが目的だという。  舞踏会当日まで、セラの日々は、急激に目まぐるしい忙しさに包まれた。 「ああ、バーニーめは、心配でございます。急にそんな大規模な舞踏会だなんて!」  バーニーが、心配そうにする中、リタはセラよりもずっと忙しく動き回っている。 「セラ様、本日はこちらのシルクのドレスを合わせてみましょう。うーん、セラ様は、肌が白く美しいですから、淡い色もいいですし……、ああ、でも、この異国的な輝きを持つ緑もいいですねえ。うーん。それとも、黒! いや、赤! いやいや、やはり愛らしく薄桃⁉ くうう、どれもお似合いすぎて難しすぎます!」  レオンが横から「黒がいいよ、セクシーで」と言うと、リタが声を低くして「では黒は却下です」と返す。その隣で、心配そうな顔で、バーニーが、茶菓子ののった皿をそっとセラに差し出した。  バーニーとふたりで、お菓子を食べて、つかの間休憩する。  そうしている間に、リタが候補に挙げたドレスを、セラは延々試着するという体力仕事をこなした。  別の日には、レオンがセラの先生になることもあった。 「セラ様、おれの足を踏んでもいいから、肩の力を抜いて。目線は下げない。あごを引いて、そうそう」  レオンは、すばらしく教えるのが上手かった。軽やかな足取りで、複雑な動きを捕捉して、ダンスに
last update最終更新日 : 2026-08-12
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【第38話】王の資質

 謁見の間に、しずかな時間があった。  どれほどの時間だっただろうか。セラは、己の内側まで見透かしそうな、不思議に美しい国王の視線を、逃げることなく見つめ返しつづけた。努力して、見つめていたという感覚はない。美しいものを眺めるような、ゆったりとした心地もあった。短い時間のようにも、長い時間のようにも感じる。  ふと、国王の口元がゆるみ、ふわっと親し気な笑顔があらわれる。 「ジェイドが気に入ったのも、なんとなく分かる」  国王のその言葉をきっかけに、張り詰めていた空気が、霧散する。彼は、ほがらかな人好きする笑顔で、気楽に言った。 「可愛い子じゃないか、ジェイド」 「はい、父上」  ジェイドがすんなりうなずくと、国王はからかうような視線を息子に向ける。 「お前が、女の子を家に返したくないと駄々をこねるなんてなあ。女は苦手そうだったのに」 「別に、苦手ではありません」 「うそつけぇ。追いかけまわされて嫌そうにしていたくせに」 「……」  ジェイドが珍しく、嫌そうな顔で視線を逸らす。なんだか幼くて可愛い様子に思えて、セラは微笑んだ。 国王はセラに向かって、楽しそうに、ちょっといじわるそうな顔をして身を乗り出して言う。 「気をつけろ、セラ。こやつは、追いかけられて嫌そうな顔をしていたわりには、多分経験豊富だぞ」 「父上!」  ジェイドが普段の冷静さからは想像もつかないような、あせった声で父親を牽制する。国王はその様子を見て、はっはっはと大きな笑い声を謁見の間に響かせた。 
last update最終更新日 : 2026-08-13
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【第39話】お肉もたくさん食べられる

 セラとジェイドが、国王との雑談をしばらく続けていると、謁見の間の扉が再び開かれた。  入室してきたのは、豪華なドレスに身を包み、身の内側から自信があふれんばかりの堂々たる仕草で進んでくる、セラの母親と同じ年ごろに見える女性と、立派な礼服に身をつつんだ若い男性、そして、そのすこし後ろにいたのは、オディール・ローゼンタールだった。  セラは、その姿を見て、思わず震えそうになる指先を、ぎゅっと握ってたえた。  ローゼンタール家は、第二王子との婚約の話を進めている。たしか、ジェイドがそう言っていた。  セラの姉、オディール・ローゼンタールを連れているという事は、若い男性は、第二王子のカイル王子かもしれない。そして、いかにもこの玉座のある謁見の間にふさわしい者という堂々とした態度の女性は、カイル王子の母親、現王妃だろうか。  ゆったりとした歩調で進み出てきた女性は、美しく整った顔立ちにも、華やかな仕立てのドレスにも隙がない。迫力のある女性だった。  女性が国王の隣へと歩み寄り、立ち並ぶ。 国王は、気さくな様子で女性に声をかける。 「やあ、きみ。今日も美しいね」 「あら、陛下も素敵ですわ」  いかにも仲睦まじい夫婦のやり取りに見えた。その雰囲気のまま、国王が若い男に目をやって言う。 「カイル、お前ももう婚約者持ちかあ。しかもジェイドの婚約者の姉君とはな」  カイル王子に促され、オディールが優雅な所作で礼を尽くす。 「オディール・ローゼンタールと申します」  国王は、セラに向けたの同じように、オディールの瞳をじっと見つめた。しばらく見つめた後、ふっとオディールから視線を外し、カイル王子に向かって軽い調子で言う。
last update最終更新日 : 2026-08-14
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【第40話】華やかな喧騒

 大広間に一歩足を踏み入れた瞬間、セラは目も眩むような光と熱気に包まれた。  天井で煌めく無数のシャンデリアが複雑に光を反射している、色鮮やかなドレスを纏った淑女たち、胸元に勲章を誇らしげに輝かせた紳士たち。立ち込める甘い香水の香りと、楽しげな歓談の輪、そして奏でられる美しい音楽。  まだ昼すぎのはずだが、窓には分厚い布が美しい曲線を描いていくつもかけられていて、室内はいくつもの灯りがまるで競い合うように、そこかしこを照らしている。  セラは、明暗の強さに、くらっとした。  これが、王宮の舞踏会——。  セラは、国王夫妻と同じ壇上に導かれ、大勢の紳士淑女が見つめる中で、第一王子の婚約者として紹介された。次々に訪れる、立派な服装の人々。見たこともない人々が、次々と祝福の言葉を口にする。  笑顔のもの。 笑顔のように見えるもの。  セラは、極度の緊張で、ほとんど記憶を保てなかった。こんなに大勢の人を見るのも、声を聞くのも、生まれて初めてのことだ。震えないよう、ぐっと手足に力をこめるので、精一杯だった。  そうして、挨拶の波が引き、壇上から降りると、すぐに大勢の貴族たちがジェイドのもとへと押し寄せてきた。立派な姿の男性たちが次々とジェイドを囲み、何やら眉をひそめて難しそうな政治の話もしたりしている。 「セラ様、こちらへ」  リタがそっとセラの手を引いた。 ジェイドがセラに一度微笑みかけてから、またすぐに男性たちとの話にもどる。  リタが移動しながらセラの耳元に顔を寄せ、こっそり教えてくれる。 「ああやって、殿方は舞踏会だろうとどこだろうと仕事や政治の話をしたがるものなんです。まあ、あれも勢力固めの一環です。その間、淑
last update最終更新日 : 2026-08-15
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