「でさぁ、優花にめちゃくちゃ叱られたんだよ」「そりゃそうでしょ。まったく……本当に危ないところだったんだよ? 翔太はもう少し、自分の軽はずみな行動を反省して」「お前まで優花みたいなこと言うなよ……」 雲一つない青空の下。 僕は学校の屋上で、無事に帰ってきた幼なじみと昼休みを過ごしていた。 フェンスを抜ける春の風が、翔太の持つパンの袋をかさかさと鳴らしている。 目の前で不満そうに頬を膨らませている姿を見ると、本当に助けられたのだと、ようやく実感できた。 あのあと、月瀬さんと僕は廃病院の探索を続けた。 霊安室があったのは、病棟の裏手。 草木に覆われた細い渡り廊下の先に、建物から切り離されるようにして建てられていた。 患者にとって、霊安室は死を連想させる恐怖の対象になる。だから病室の窓から見えない場所へ造られたのではないか――と、月瀬さんは話していた。 言われてみれば、確かにそのとおりだと思う。 その霊安室で、僕たちは翔太たちを発見した。 翔太、奏汰、蓮、遊助。 帰ってこなかった四人全員が、折り重なるように床へ倒れていた。幸い呼吸はあり、外傷も見当たらなかった。 月瀬さんが巫術を使うと、四人は一人ずつ意識を取り戻した。 そして、今に至る。 翔太たちは警察から事情を聞かれたあと、学校と家族から、これでもかというほど叱られたらしい。 原稿用紙三枚分の反省文を書かされたうえに、今後は心霊スポットへ決して近づかないという誓約書まで提出させられたという。 先生たちの執念すら感じる対応だった。 けれど、一歩間違えば四人とも帰ってこられなかったのだ。無理もない。 ただ、僕の胸中は少し複雑だった。 翔太たちにとって、桜織旧病院は恐ろしい幽霊に襲われた場所として記憶されるのだろう。 その幽霊が本当は、ずっと誰かに見つけてもらいたかった、寂しがり屋の男の子だったことを知るのは、僕と月瀬さんだけだ。 誠也くんは、これからも恐ろしい霊として噂され続けるのかもしれない。 そう考えると、胸の奥が少しだけ寂しくなった。「そういえばさ、新しい裏サイトができたんだよ」「えっ? 裏サイトって閉鎖されたんじゃなかったの?」「知ってるか、悠斗。俺たち学生はな、『するな』と言われたことほど、やらずにはいられない生き物なんだぜ」「何をそんな当然みたいに言っ
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-28 อ่านเพิ่มเติม