……ハッと目が覚めるとそこには、熊のぬいぐるみがあった。「……ん?なんで、」ぬいぐるみ系はすべて部屋に置いてきたはずだ。理由はもちろん、京極にバカにされるから。凪は広いベッドに横たわっていた。寝ぼけた頭で、「一緒に寝よう」と京極に誘われたことを思い出す。……変な意味に取るのは照れくさくて、はい、と素直にベッドに入った。誰かと一緒に眠るのは久しぶりで、そのあたたかなぬくもりに安心して、意外なほどすぐに寝てしまったと思う。「隣に熊ちゃんがいるということは、先に起きてるんだな」当然だが、京極も普通に眠ったのだろう。変に意識しなくて良かった……階下に降りてみると、案の定京極がコーヒーを片手にタブレットを操っていた。「おはようございます」声をかけた瞬間、口をつけたコーヒーを吹き出しそうになった。……どうしたのだろう。……京極らしくない。「おはよう。ほら、そこに作っておいたから……食べなさい」指さす方に目をやって……驚いた。「これ……料理ですか?」「あっ?!どう見ても料理だろ。モーニングプレートってやつだ」お皿の上にレタスとトマト、きゅうりを切ったサラダと、スクランブルエッグ的なそぼろ卵、そしてなんと、ラップに包まれたキャンディチーズのような小さなおにぎりがいくつも乗っている。「可愛い……これも京極社長が?」「他にいないだろ?」「消去法じゃなくて、ちゃんと言ってくださいよ!」ひとくちサイズのラップおにぎりを手のひらに乗せて笑う凪に、京極は困ったような顔になる。……それが照れているように見えて、凪は遠慮なく笑った。「俺が作りました。……昨日、落ち込んでたみたいだから、少しは笑ってくれたらいいと思ってな」「……は?」急にカッコいいことを言うのはやめて欲しい……「それじゃ、いただきます。まずはいちばん可愛いミニミニおにぎりから……!」ラップを外し、凪はポン、と口の中に放り込んだ。モグモグと口を動かす様子をタブレットから視線を上げた京極が真剣な表情で見つめる。おにぎりには具が入っておらず、塩味も何もしない……「美味しいです!……さすが、いいお米使ってますね?!」「米の味を褒めるってか?……喧嘩売ってるだろ?」「まさか!……ちゃんと愛情をいただいてますよ?」ちぎり忘れたレタスにも、分厚く切られたきゅうりにも、ポロポロのスクランブ
Zuletzt aktualisiert : 2026-09-29 Mehr lesen