高校の友人たちと延々と考察を重ねたときに生まれたのは、
ドミネイターが単なる武器開発の産物ではなく、医療と治安管理が交差した現場から生まれたという見立てだった。脳内データの可視化や精神状態の数値化を目的とした臨床研究が元になり、そこから犯罪傾向の定量化という用途に転用された、という筋書きだ。'Psycho-Pass'の世界観に即して考えると、最初期のプロトタイプは病的衝動や重度の精神病を診断・治療するための非致死性デバイスとして設計されていた可能性が高い。臨床試験で得られた脳波パターンや生理学的指標が大量のデータベースに蓄えられ、それが後に精度向上のため治安評価アルゴリズムへと統合されたと僕は想像している。
次に国家と企業の関係が絡む。臨床研究を進める大学や民間企業が、政府の治安政策に接近して技術を提供することで、医療目的から秩序維持のツールへと用途変更が行われたという仮説だ。倫理審査や透明性が十分でなかった時代に、データは匿名化どころか恣意的に利用され、犯罪係数の閾値設定やモードの切り替え(非致死→致死)が政治的判断に左右される余地が生まれた。
最後に技術的な面での裏付け。ドミネイターのスキャン技術は単一の測定法では説明できない複合センサー群と機械学習の組合せであり、初期の試作機は大きく、非携帯型の診断装置として病院や研究所に据え付けられていたはずだ。運用現場での要件に合わせて小型化・携帯化され、民衆統制のための即時判定機能が優先されるうちに倫理的検証が置き去りにされた――そんな筋立てが一番しっくりくる。最終的に僕は、テクノロジー自体が善でも悪でもなく、運用する社会の選択がすべてを決めるんだと考えるようになった。