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百回も拒まれた僕は火葬場へ

百回も拒まれた僕は火葬場へ

母が僕の治療費の支払いを百回も拒んだあの日、骨肉腫の診断書を握りしめた僕は、一人、火葬場へと足を運んだ。 「すみません……前もって、火葬の予約をしたいのですが」 そう言うのが、精一杯だった。 三十分後、両親が弟を連れて車で駆けつけてきた。 検視官である父は、入ってくるなり、いきなり僕の頬を殴った。 「海鳴と張り合うために、死んだふりまでするつもりか?」 病院の院長である母は、僕の手から診断書を奪い取ると、一瞬の躊躇もなく、ビリビリと引き裂いた。 「私の名義を勝手に使って診断書を偽造するなんて……いい加減にしなさい!」 弟は泣きながら両親にすがりつく。 「お兄さんのせいじゃないよ……僕、もう遊園地なんて行かないから、何もいらないから……お父さんとお母さんを怒らせないで……」 僕はもう、彼らには背を向けた。疼く胸を押さえながら、ただ、火葬場の職員に懇願するしかなかった。 「お願いです……火葬して、遺骨は川に撒いてください。もう……この世界に、僕の家族なんていません」
Short Story · ラノベ
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春の便りとナイチンゲール春待ち侘びて、小夜啼鳥は啼く

春の便りとナイチンゲール春待ち侘びて、小夜啼鳥は啼く

結婚式の前夜、恋人が突然記憶を失った。他の誰もが覚えているのに、彼女のことだけを忘れてしまった。 その日、彼女は失われた記憶を取り戻せるという薬を手に入れ、意気揚々と彼に会いに行った。 ドアノブに手をかけた瞬間、個室の中から聞き覚えのある声がいくつか聞こえてきた。 「智明さん、よくもまあ記憶喪失なんて芝居を思いつきましたね!見事にみんな騙しちゃって、最高じゃないですか!氷室さんはきっと気づかないでしょう。今回はいつまで遊んでから本当のことを話すつもりなんですか?」 この楽しげな笑い声に、氷室雫(ひむろ しずく)はその場に立ち尽くし、表情が固まった。 諏訪部智明(すわべ ともあき)が、記憶喪失のふりをしていた?! では、ここ数日、彼の病状を思って夜中まで涙を流していた私の苦しみは、一体何だったというのか! 足元から冷気が這い上がり、全身に広がっていく。まるで氷の穴に落ちたかのようだった。
Short Story · 恋愛
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追憶の荒野

追憶の荒野

自分の帰国を祝う宴で、桐谷枝里子は西原越也の愛人――江川詩織に会った。 彼女は色褪せたシャツに身を包まれ、越也の取り巻きに無理やり酒を勧められていた。一杯飲めば二十万がもらえると。 枝里子が越也の腕に絡んで入ってくると、詩織はむせび泣きながらも必死に顔を伏せ、涙を拭った。越也に自分の弱さを見せたくなかったのだ。 取り巻きの一人があざけるように彼女の顎を引き、だらしなく言う。 「桐谷さんが帰ってきた以上、越也さんがお前を捨てるに決まってる。お前はな、所詮桐谷さんがいない間の代用品にすぎないんだぞ」 別の男が下品に続ける。 「とはいえ、二年も越也さんのそばにいたんだろ?越也さんに土下座すれば、情けで小遣いくらいはもらえるんじゃねえの?」 その言葉に越也は鼻で笑った。 「くだらない話はよせ」 彼は枝里子の皿にフルーツを乗せていく。 「安心してくれ、枝里子。俺はあの子と寝てない。ただ、暇つぶしに遊んでただけだ。 お前が戻ったら、すぐに縁を切るつもりだ」
Short Story · 恋愛
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情は深くとも、初恋には敵わない

情は深くとも、初恋には敵わない

年明け、夫の賀川明輝(かがわ はるき)の教え子たちがわざわざ学校へ遊びに来て、彼が食事をご馳走することになった。 学生たちは口々に「先生」「奥さん」と親しげに呼んできた。 ただ、初めて私を見た時の視線にはどこか驚きの色が混じっていた。 個室で明輝が私の手を握ると、皆が一斉にひやかした。 「お二人、本当にラブラブですね。超羨ましいーー!」 私、桜庭柚月(さくらば ゆずき)は照れたようにうつむき、トイレに行くと言って席を立った。 すると、廊下で女子学生二人の話し声が聞こえてきた。 「さっきびっくりした!奥さんって水城澪(みずき みお)先輩かと思ったもん!」 「でも澪先輩にそっくりよね、入ってきた時、マジで見間違えるところだった」 私はその場に呆然と立ち尽くした。 澪が明輝の元カノだということは知っている。 けれど、実際に会ったことは一度もなかった。 冷たい水が手に当たるのを感じながら、鏡に映る念入りにメイクした自分を見つめていると、突然吐き気がこみ上げてきた。
Short Story · 恋愛
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霧中の春は幻に

霧中の春は幻に

結婚七年目になって、松本琴音(まつもとことね)は初めて知った。夫に六歳の息子がいることを。 幼稚園の滑り台の陰に隠れ、彼女は黒澤光希(くろさわみつき)が小さな男の子を抱き上げて遊んでいるのを見ていた。 「パパ、ずっと来てくれなかったよ。」 「いい子だね、アンくん。パパは仕事で忙しかったんだ。ママの言うことをちゃんと聞くんだよ。」 ゴォンッと頭の中で音がした。琴音はその場に立ちすくみ、頭の中が真っ白になった。 大人と子供、ふたりの姿。七分どおり似た面差し。 それらが一つ一つ、彼女に告げていた。口では「一生愛する」と誓ったあの男が、とっくに浮気していたんだと! 二人は幼い頃から一緒で、何年も愛し合ってきたのに。 彼女はかつて、彼をかばって腹を一刺しされ、流産しただけでなく、一生妊娠できなくなった。 あの時、光希は彼女のそばに膝まづき、真っ赤な目をして言った。「子供なんていらない。琴音一人で十分だ…!」 あの時の震える声が、今も耳元に残っているのに。今、目の前の光景が、あの誓いを粉々に砕け散らせた!
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あなたの「愛してる」なんてもういらない

あなたの「愛してる」なんてもういらない

「愛しているのは君じゃない」 冷たい瞳で、冷たい顔で、冷たい声ではっきりと私に向かってそう告げたのは、将来結婚すると思っていた、私の婚約者である御影 直寛(みかげ なおひろ)。 彼は、お祖父様からの命令で私との交際、婚約に嫌々応じたのだ。 けれど彼の心の中にはずっと初恋の人、速水涼子(はやみ りょうこ)がいた。 それでも、私はいつか直寛が私自身を見てくれると思っていた。 けど、彼からはいつも冷たい態度を取られるばかり…。 そんな日々を送っていた時、彼は私とパーティーに参加していたのに私を置き去りに、涼子の元へ走った。 絶望した私は、お酒を飲み、気づいたら見知らぬ男性と朝を迎えてしまった。 慌てて逃げた私だったけど、その男性がまさか小鳥遊グループの息子だったとは夢にも思わなかった。 その後。 直寛は自分の過ちに気づき、私に許しを乞う。 けれど、私はもう直寛への気持ちは捨て去った。 土下座されても。 愛を伝えられても。 もう私は直寛よりも愛しい人ができたから、あなたはもういらない。
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朝夕、別れを語る

朝夕、別れを語る

【九条奥さん、十日後に放火で偽装死をご計画の件、弊社への正式なご依頼ということで、よろしいでしょうか?】 このメッセージに、清水梨花(しみず りか)はしばらく言葉を失い、返答しようとしたその時、急にビデオ通話がかかってきた。 「梨花さん、見て!辰昭さんがまたあなたのために大奮発してるよ!」 画面に映し出されたのは、今まさに進行中のオークション会場だった。 前列に座る、気品と見栄えを兼ね備えた一人の貴公子が、何のためらいもなく、次々と数億の骨董品を落札している。 会場内は早くも沸き立っていた。 「九条家の御曹司、奥さんに本当に尽くしてるな。笑顔が見たいだけで、こんなに骨董を買うなんて」 「八十億なんて、彼にとっちゃ端金さね。聞いた話だと、九条さんは奥さんのために梨花荘って邸宅まで建てたらしいぞ。名前だけで、どれだけ奥さんを愛してるか、伝わってくるよな」 その隣で、一人の富豪が鼻で笑った。 「見せかけだけだよ。どうせ裏じゃ、女遊びしてるんだろう」 その一言に、すぐに非難の声が飛び交った。 誰もが九条家の御曹司の溺愛ぶりを語っている。 その囁きに耳を傾けながら、梨花はふっと苦笑した。
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もう私の世界に現れないで

もう私の世界に現れないで

私・長瀬舞子(ながせ まいこ)は有馬陽介(ありま ようすけ)と七年間付き合ってきた。 しかし、彼はいつまで経っても結婚しようとしなかった。 私がしつこく迫って、ようやく彼は結婚してくれると言った。 ところが結婚式の前日、家に帰ると、トイレから女の甘い声が聞こえてきた。 「あなたの奥さんが帰ってきたわ。早く放してよ」 陽介が低く呻く。 「急ぐなよ、もうすぐだ」 すりガラスに、二つの手のひらが重なって映る。 耐えがたい音が、私の心臓をナイフでえぐるようだった。 私は絶望のあまり、陽介を問い詰めた。 「どうしてこんなことをするの?」 体中にキスマークを残した彼は、ワイシャツのボタンをはめながら言った。 「お前はどこも悪くない。でも、明日からお前に一生縛られるのかと思うと、なんだか面白くないな。 まだ結婚する前だし、最後に一度くらい遊んでもいいだろ」 私はその場に立ち尽くし、頬は涙の跡でいっぱいだった。 頭の中で何度も思い描いてきた結婚式の光景は、この瞬間、完全に粉々に砕け散った。
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春になったらまた会おうね

春になったらまた会おうね

七歳にも満たない頃、私・千尋(ちひろ)は三度も瀕死の境を経験した。 両親は私を救うため、魂を鎮めようと檜の棺を探し求めた。 避妊手術まで済ませていたのに、私の治療に使う臍帯血を得るために、妹を産んだ。 妹は天真爛漫で愛らしく、棺を指さして尋ねた。「お姉ちゃん、あの黒い箱はなあに?」 私は答えた。「あれは、私を入れるための箱よ」 パパとママは私を抱き締め、大声で泣きじゃくりながら、「絶対に治してみせるから」と何度も繰り返した。 けれどその日、妹がはしゃぎすぎて、その棺の角に頭をぶつけてしまったのだ。 その瞬間、ママは突然崩れ落ち、頭を抱えて地面にうずくまり、嗚咽を漏らした。 「両親を苦しめるだけじゃ足りないの?今度は妹まで巻き込むつもり? もう本当にうんざりよ!どうして死んでくれないの!」 パパは泣きじゃくる妹を抱き上げてあやし、「遊園地に行こうか」と優しい口調で言った。 ドアが勢いよく閉まる音を聞きながら、私はゆっくりと棺の中に横たわり、そっと目を閉じた。 「パパ、ママ、おやすみなさい」
Short Story · ラノベ
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この先は縁もなく、それぞれの彼方へ

この先は縁もなく、それぞれの彼方へ

真言と千浬は結婚して五年、その五年間ずっと互いを消耗し合ってきた。 彼は外で女を作り、彼女も外で男を作った。 二人は約束していた── 遊ぶのは外だけにしよう、相手を家に連れて帰ることだけは禁じる、と。 しかし、千浬は結局その約束を破った。 女を家に連れ帰り、真言と離婚すると言い出したのだ。 けれど彼は知らなかった。 真言は二日前にすでに死んでいたことを。 夫の彼のために贈り物を用意しようとして、帰宅途中に車にはねられたのだ。 死の間際、彼女の前に現れたのは閻魔だった。 執念に囚われた彼女と閻魔は、奇妙な賭けを交わした。 七日のうちに、もし千浬が心から彼女に一度でも口づけをすれば、再び命を得ることができる。 そうでなければ、彼女は閻魔のもとに残り、彼の花嫁となる。 その賭けの勝算が、どれほど低いかは真言自身がよく知っていた。 結婚して五年、千浬は一度たりとも彼女に口づけしたことがなかったからだ。 たとえ数えるほどしかなかった同衾の夜ですら。 それでも彼女は諦めきれなかった......
Short Story · 恋愛
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