遅すぎた愛情なんていらない
私が十八歳の誕生日を迎えた日、叔父の江原聖哉(えはら せいや)が私の日記を見つけた。
「篠原晴美(しのはら はるみ)、お前、こんな汚れた考えを持ってたなんて……信じられない!お前がそんな人間だったなんて!」
彼は怒鳴るように私を責め立てた。
私はすぐに謝った。「ごめんなさい、叔父さん。あなたのことを好きになっちゃいけなかった……」
だけど、彼は私を拒むようにして、すぐさま私を海外に送り出した。そしてその背中を見送る間もなく、彼は初恋の人と盛大な結婚式を挙げた。
数年後、私は一人の子どもを連れて帰国した。
聖哉は目を見開いて、私を凝視した。
「その子は……誰だ?」
私は子どもをぎゅっと抱きしめながら答えた。
「私の息子。三歳よ」
そして顔を横に向けて、篠原陽翔(しのはら はると)に優しく声をかけた。
「陽翔、挨拶して」