転生したら、御曹司のヤンデレ弟と結婚した
二十歳のとき、祖父の戦友である富豪の瀬川おじい様が、孫たちの写真を私の前に並べて、「この中から夫を選べ」と私に言った。
私は迷わず、六男の瀬川怜司(せがわ れいじ)を選んだ。
周囲は一斉に息をのんだ。
だって――誰もが知ってるじゃない。私はずっと三男の瀬川慎司(せがわ しんじ)に夢中で、「慎司以外の男とは結婚しない!」と公言していたことを。
前世では、私は慎司と結婚した。
そのおかげで、彼は瀬川家の莫大な資産の大半を相続することができた。
しかし、結婚後、彼は私の妹と不倫を始めた。
両親の怒りはすさまじく、妹は強制的に海外へ追いやられた。
慎司はすべて私の仕業だと思い込み、私を心の底から憎んだ。
その後、彼の周りには妹にそっくりの美女が次々と現れ、私は重度の鬱病になった。
そしてついに――彼は私の治療薬を慢性の毒薬とすり替え、私はお腹の子とともに、恨みを抱えたまま命を落とした。
転生した今世、あの二人のことはもうどうでもいいと思った。
なのに、慎司までもが、転生していたなんて……!?