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【エピソード26〜隠し通すと決めたこと〜】

ผู้เขียน: 水沼早紀
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-15 17:28:26

 実乃梨さんとはまた、病院に行く日に会う約束をした。

 買い物を済ませ自宅に戻った私は、また吐き気に襲われてしまった。

「うぅ……」

 気持ち悪さですぐにトイレへと駆け込んだ。

「はあ……」

 妊娠がどれだけ大変なことかは、ある程度は分かっている。だけどつわりの辛さは、想像を遥かに超えていく……。

「……もう、こんな時に」

 今から美味しいご飯を作らなければならない私には、つわりが襲ってくるのがとても困る。

 爽太さんを美味しい料理で喜ばせたいのに、つわりが襲ってくると味も分からなくなりそうだ。

「っ……よし」

 爽太さんが帰ってくるまでに夕飯の支度を済ませないと……。きっとお腹空いて帰ってくるだろうし。

 私はつわりに耐えながら、必死で夕飯の支度を進めた。 ハーブの香りはとことん吐き気を襲ってくるけど、何度も吐きそうになりながらも必死で耐えた。

 その日の夜ーーー。

「紅音、ただいま」

「爽太さん……おかえり、なさい」

 シンガポールからの出張を終えた爽太さんが、久しぶりに帰ってきた。

 久しぶりに見る爽太さんのその姿に思わず、涙が出てしまう。

「おいおい。なんで泣くんだよ」

「すみ、ません……。久しぶりに会えたのが、とても嬉しくて……」

 涙で声を掠れてしまうけど、爽太さんはちゃんと最後まで話を聞いてくれた。

「俺も嬉しいよ。……君にすごく会いたかった。恋しくて寂しくて、仕方なかったよ」

「私も……寂しかったです」

 爽太さんはそんな私を抱きしめてくれて、頭を何度も撫でてくれた。

「紅音がいないと、一日が長く感じた。……そのくらい俺、君を愛しているんだな」

「爽太さっ……んっ」

 そのまま吸い込まれるように爽太さんと熱い口付けを交わし、私は爽太さんの背中にぐっと手を回した。

「紅音、寂しい思いをさせてごめん」

「……ううん。こうして帰ってきてくれたから、もう寂しくなんてありません」

 その言葉に私は、そう返事をして爽太さんに微笑んだ。

「あの、夕飯……食べますか?」

「そうだな。 でもその前に……すぐにでも紅音のことを抱きたい」

「えっ……!?」

 爽太さんは私をお姫様抱っこして抱き上げると、そのまま寝室のベッドへと私を運んだ。

「え、待ってっ……爽太さんっ」

 そんな余裕もないくらい、爽太さんからの熱い口付けを受けていく。

 唇にだけでなく、おでこやデコ
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  • 私たち期限付き夫婦でしたが愛に包まれ最高の愛を手に入れました。   【エピソード20〜離婚までの期限〜爽太目線〜】

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