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雪桜婚〜すべてはスマホ間違いから始まった〜
雪桜婚〜すべてはスマホ間違いから始まった〜
작가: 神雅小夢

第1話

작가: 神雅小夢
last update 최신 업데이트: 2025-06-12 11:27:14

あれは四月なのに、雪が降った日だった。

桜が満開なのに、雪が降って桜に奇麗に積もったんだ。

それはそれは幻想的で、そんな世界に出会えたことに驚き、そんな中でまさか自分の人生をも変える出来事に出会うなんて、信じられなかった。

運命を変えた一日だった。

あの日、あなたはあの雪桜の中を歩いていたんだ。

スマホばかり見て、私を見ていないあなたを避けようとして、雪で滑った私にあなたは言った。

しかも笑って言った。

「パンツ見えてますよ?」

なんで「大丈夫ですか?」じゃなくて、そんなセリフなのよって、あの時はすごくムカついたけど、自分を肯定できるようになったのも、自分を好きになれたのもぜんぶ、あなたのおかげだよ。

龍太郎、今、どこにいますか? 会いたいです……。

「はぁ、はぁ、はぁ」

息が上がって喉が痛いよ、龍太郎《りゅうたろう》。

足が鉛《なまり》みたいに重いよ。

それでも私はあなたを探し続ける。

私はまだあなたに一番、大切なこと言えてない、ずっと言えなかった。

なんやかんやで、あなたときちんと向き合うことから逃げてきた。

お願い、神様。

龍太郎が決断する前に、もう一度会わせてください。

お願いします——

あなたにもし、また会えたら言いたいことがあります。

「私を変えてくれたのはあなたです、ありがとう」

⭐︎⭐︎⭐︎

「ねぇ、鈴山《すずやま》さん、最近、婚約してる彼とはどうなの? 上手くやってる?」

あ~、出た出た、パートの葉山さんたちだ。葉山さんは古株で、この会社にもう三十年いるらしい。

嫌だな、昼休みなのに、パートさんたちの体験談を混えての聞き取り調査。

『私の時はこうでああで』と結局言いたいのだ。

私は今、仕事の休憩時間なのだけど、遅番だったから、会社で一番のうわさ好きの葉山さんを含む、このメンバーと昼休みが一緒になってしまった。

葉山さんは強いから、みんな逆らえない。逆らわないことも生きる術《すべ》だってことはみんな知ってる。

でなきゃ、会社勤めなんてできない。

「あ、はぁ……。まぁ、ぼちぼち……」

嘘だった。作り物の笑顔で私はなんとか答えた。

「そう、それならいいのよ~。最近、鈴山さん、元気ないんじゃないって、みんなで心配してたのよ~。ねぇ?」

「そうそう、葉山ちゃんがね、鈴山ちゃんが彼氏と別れたんじゃないか、って言い出してね~。それなら良かったわぁ」

葉山さんの機嫌を取るのが上手な西田さんが笑いながら、会話に加わる。

私は手が震えてきた。この話題には触れられたくない。すぐに限界がきた。

「あ、あのあんまり、こういう話は……」

私は動悸がしだした。

「最近はなんちゃらハラスメントってすぐにいうじゃな~い。でもそんなこと言ってたら、なんにも話できないし、壁ができるだけよねぇ。そのひとの人間性もわからないし」

「そうそう。一緒に働くのにコミュニケーションは必要不可欠よ」

「そうよね~」

周りの人たちも同調する。パートさんたちが悪魔にしか見えない。

羨ましい……。平和だから、人の様子を観察して色々言えるんだよね。

「でも元気なかったから、心配しただけで悪気はないから」

西田さんがうつむく私に声をかけた。

「さ、最近、少し体調が悪くて……。それで……」

そう答えるので私は精一杯だ。

「あらぁ、まさかおめでたなの⁉︎」

葉山さんが嬉々とした様子で訊いてきた。格好のネタができたと言わんばかりに。

そんなわけない。

婚約者だった絢人《けんと》とは一ヶ月前に終わったし、最後に肌を重ねたのなんて、もう三ヶ月以上前だ。

私は涙腺が少しずつ、崩壊する音を聞いた。

「そのぐらいにしてください、ここは会社です。プライベートに干渉するのはよくないですよ」

声を出したのは係長だ。まだ若い。詳しくは知らないけど、まだ二十代のはずだ。

仕事もできるうえに爽やかイケメンで、女性はもちろんのこと、男性からも人気がある。

「あ、あら、係長いらしたんですか? お疲れ様です」

「今から係長も休憩ですか。ごゆっくり~っ」

パートさんたちが顔の色を無くし、蜘蛛の子を散らすように去っていった。

「大丈夫ですか?」

係長の優しい声が頭上から降ってきた。

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