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両片思い10

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2025-11-21 11:32:17

「ビジネスですか」

「そう。現実問題、鉄平くんはお金が必要だろ。俺はそれを、たくさん支払うことができる存在だよね?」

しがない高校生の俺を、高値で買ってくれる人が目の前にいる。

「そうですね……」

「それだけの大金を払う価値が、君にはあるってことさ。俺と付き合えば、あくせくバイトをする苦労がなくなって、自由な時間が手に入る。下がった成績を上げるのなら、その時間を有効活用すればいい。何だったら、俺が塾に通わせてやるよ」

俺にとって、告げられた言葉のすべてが至れり尽くせりで、迷うことなく二つ返事でOKした。

社長さんと付き合ってる間は、他の男と関係を持たないことを条件に、丸1年いろんなことを教わりながら、たくさんのお金を貯金することができた。

付き合いを解消しても、大学受験までは塾代を払い続けてくれたりと、最後の最後まで面倒を見てくれたいい人だった。

そんな優しい社長さんと別れたあとの俺は息抜きを兼ねて、いろんな男と関係をもった。1年かけて念入りに開発された躰は、男を求めずにはいられないくらいに、卑猥なものになってしまった。

そのせいで大学に入ってからも、細々と援交を続けた。
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    ***(佑輝が江藤ちんとイチャイチャしていないことを祈って――お助けコール!) 宮本はスマホを思いってタップし、弟を呼び出す。数秒後にあっさりと繋がり「もしもし、兄貴。珍しいね」なんていう、のんきな声が耳に届いた。「今、大丈夫?」「うん、平気。もしかして恋人と喧嘩でもしたの?」 ズバリと切り込んできた弟の問いかけに、宮本の頬が一瞬引きつった。「喧嘩はしてないよ。だけど電話の理由が、恋人繋がりだというのを外してない。佑輝、すごいな」「すごくないって。友達の江藤さんじゃなく、俺に電話してきたことが結構驚きだよ。いったいどんなこと?」 興味津々な様子が、電話の向こう側からひしひしと伝わってきた。「実はバレンタインのことで、相談したくて………」「バレンタイン?」「そう。佑輝さ、甘いもの苦手だろ。それなのに昨年江藤ちんにチョコを貰ったって聞いてたから、どこのメーカーのものを食べたのかなって。俺の恋人も、甘いものが苦手な人だから」「あ~、なんか理解。江藤さんに相談したら、ここぞとばかりに冷やかされそうなネタだもんね」 ウシシッという下品な笑い声をあげた弟に、内心ドン引きしつつも、縋る気持ちを込めて返事をする。「だからこうして、佑輝に相談してるんじゃないか。頼むよ、教えてくれ」「その店のこと、電話が終わったらアプリ経由で詳しい場所とか教えてあげるけど、果たして兄貴にできるかどうか……」 うーんなんていう唸り声を出した弟の態度で、嫌な予感がした。「どういうことだ?」「江藤さんから貰ったチョコ、そこら辺のお店で売ってるものじゃなくて、有名なチョコ専門店で売ってる商品なんだよ。それこそ、行列ができるようなところなんだ」「行列……。しかもバレンタイン時期だから――」「そうそう、キャピキャピしてる女子高生やOLがこぞって並んでる場所に、厳つい兄貴が並んだりしたら、ものすごく場違いだろうね」「そんなところだというのに、佑輝のために江藤ちんは並んで買ったのか」 友人の愛の力をまざまざと思い知り、尻込みしかけた自分が恥ずかしくなった。

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    「そんなんじゃねぇって、そこまで執着してないし」「執着、いい言葉ですよねぇ。橋本さんは気づいてるんでしょ。宮本さんがどんどん格好よくなってること」「イケメンの恭介が褒めても、信ぴょう性がないぞ……」 そんなことを言ったものの橋本自身にも心当たりがあるせいで、語尾にいくにしたがって声が小さくなった。「はじめて逢ったときの宮本さんと、橋本さんと付き合いだしてからの宮本さんを比較したら、明らかに垢抜けた印象ですよ。優しい性格が雰囲気で伝わるから、女性受けしそうな気もします」「恭介、何が言いたいんだ。雅輝のいいところくらい、俺だって分かってるのに」 会話の最中に信号が青に変わり、アクセルを踏み込む。橋本は周囲の車の流れを気にしつつ、ルームミラーに映る榊の顔色を窺った。「ダブルデートしたときは、宮本さんを名字で呼んでいたのに、今は下の名前で呼んでますよね」「そうだったか?」「和臣ラブの俺にまで牽制するなんて、橋本さんってば可愛いなぁ」 ハンドルをぎゅっと握りながら、必死になっていいわけを考えた。肯定しても否定しても、宮本にぞっこんだというのを証明しそうで、安易に口を開くことができない。「……ったく、そんな細かいとこに気がつくなんて。余計なお世話だ、クソガキ!!」「アハハ。マンション探しに協力しますから、怒った勢いで俺のオデコを叩かないでくださいね」 そろそろ榊が住むマンションに到着する。先手を打ったのか、何かあると教育的な指導になっている、オデコの殴打を止める言葉を告げられた。「叩かないから真面目に頼む。よろしくな」 橋本はいつものようにマンション前にハイヤーを停車させて、振り返りながら苦笑いを浮かべた。「よろしく頼まれました。早く橋本さんが宮本さんをひとりじめできるように、精いっぱい尽力しますよ。それじゃあまた明日!」 眩しいくらいの爽やかな笑みを振りまき、車から降り立った榊の背中を、橋本は無言のまま見送った。(恭介に図星を指されまくりで、頭が上がらないじゃねぇか。和臣くんネタでやり返そうと思っても言葉がひとつも出てこないなんて、情けないにもほどがある……)

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    ※これは一緒に暮らして、初めて迎えたクリスマスのお話になります。「うへぇ、うんざりするくらいに疲れた。だけど家に帰ったら大好きな陽さんがいるんだって考えるだけで、そんな疲れが吹き飛んじゃうんだから不思議」 デコトラのハンドルを握りしめながら、自然とクリスマスソングを歌ってしまう宮本。その歌が上手なのか下手なのかは、皆様の想像におまかせします。 マンション近くの駐車場にトラックを停めて、助手席に置いてあった荷物を手に、急ぎ足で帰宅する。 甘いものが苦手な橋本を考えて、イチゴのショートケーキ1個とクリスマスプレゼントを持ってる宮本は、まんまサンタの気分だった。「ただいま~! ってあれ?」 玄関には、橋本の靴が揃えて置いてあった。なので在宅しているのは間違いないのに、リビングにその姿がない。 宮本は手に持っていた荷物を一旦テーブルに置き、トイレやバスルームを探して歩いた。「いない。どうしてだ?」 首を捻りながら寝室の扉を開けると、ベッドヘッドの小さなライトがつけっぱなしだった。そんな状態で普段は寝ていないので、ついていること自体が謎に満ちあふれ、宮本の眉間に深い皺を作った。「むう?」 背後から漏れるリビングの明かりと、ベッドヘッドのライトの明かりで、その存在にやっと気がついた。 ベッドの上に赤いリボンで括られている、とても大きな白い布袋があった。 何だこりゃと思いつつ近づいたら、足裏で思いっきり何かを踏みつけた。ガサリと音がしたので、薄い紙を踏んだのはすぐに分かったが、訝しく思いながら拾い上げ、リビングの明かりでそれをしっかり確認してみる。『みやもとまさきくんへ いつもいいこにしてるきみに、サンタさんからプレゼントをあげます。にるなりやくなり、すきにしてあげてくださいね。 サンタクロースより』 クレヨンでカラフルに書かれた、妙に達筆なひらがなの羅列に、宮本は思わずプッと吹き出した。「陽さんってば、何をやってるんですか!」 慌てて赤いリボンを解き、大きな袋を開けてやる。すると中から赤い三角帽子をかぶった、困り顔の橋本が出てきた。「ぉ、おう……」「いったいいつから、その袋の中に入って――、うわっ、もしかして全裸!?」 袋から橋本を脱出させようと、思いっきり袋をズリ下ろしたら、見慣れたものがババンと目に入ってしまった。「紙に書いてあ

  • BL小説短編集   この世で一番ほしいプレゼント‬番外編 運命の人8

    「もっ、無理でございます! アンドレア様の腰の動きが気持ちよすぎて、我慢ができません! ううっ!」 俺の躰を痛いくらいに抱き締め、勝手に絶頂したカールに、声をかけにくい。「ううっ、イってしまいました……」「だがカールにしては、かなり頑張ったと思うぞ。昨夜なんて三擦りで――」「それをわざわざ口に出して、私を虐めないでください」 うらめしそうな顔をそのまま俺の躰を押しのけ、ベッドから腰をあげたカールは、深く頭を下げる。「すぐに着替えてまいりますので、少々お待ちください。きちんと約束を果たします」 俺に顔を見られたくないのか、頭をあげるなり両手で顔を隠し、逃げるように寝室をあとにした

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