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恋のマッチアップ16

Author: 相沢蒼依
last update Last Updated: 2025-12-21 10:35:09

「大丈夫か?」

「加賀谷は物珍しさで、俺を好きになったんだろ」

心配される言葉をなきものにするセリフを、さらりと口走ってみた。

「物珍しさ? う~ん、どっちかっていうと、インスピレーションかなぁ。自分に持ってないものがある相手に、ぐぐっと惹かれたりしないか?」

小首を傾げながら訊ねられても、すぐに答えられなかった。間近でじっと見つめられるせいで、嘘をつくことができない。

試合でどんなに追い込まれた状況下でも諦めず、自分を信じてシュートを決め続ける加賀谷に、憧れずにはいられなかった。イップスのせいで練習をしていても投げやりだった俺とは違い、楽しそうにバスケをプレイするコイツに、惹かれずにはいられない。

「笹良ってば、さっきよりも、顔が真っ赤になってる」

心の奥底に仕舞いこんでいた素直な気持ちを悟った途端に、それが顔色に出てしまったらしい。どうしていいかわからず、視線を右往左往させた。

「これはきっと、泣きすぎたせいだって。気にするな」

「だったら、もっと泣かせることをしてもいいか?」

意外な切り返しに驚き、彷徨わせていた視線を加賀谷に縫いつける。

「駄目に決まってるだろ。やめろよ」

笑いながら遠慮なく近づける顔を、片手で押しのけてやった。

「笹良の本音が知りたいんだ。教えろって」

押しのけているのにもかかわらず、イケメンを変形させながらも果敢に挑んでくる。なりふり構わないその態度に、あることが頭の中で閃いた。

「駄目って言ってるだろ! 目立つ加賀谷が俺の傍にいたら、変な目で見られるんだから」

動きを止めるために発した、俺の言葉の威力が効いたらしい。加賀谷の動きが、ぴたっと止まった。

最初は不思議そうな顔をしていたのに、次の瞬間には何を言ってるんだという表情で、まじまじと俺を見つめる。

「は? そんな理由で嫌がっていたのか。人の目なんか、全然気にしないのに」

「俺が気になるんだって。陰キャの俺のせいで、加賀谷が悪く言われるの嫌だし、今以上に仲良くなったら困る」

「どうして?」

「加賀谷を失ったときに、立ち直れない気がするから。イップスになったときみたいに、苦しむのがわかる」

ぽつぽつと心情を語った、俺の言葉を聞いた加賀谷の両腕が、痛いくらいに巻きついた。

「それって、俺のことが好きってことなのか?」

「やっ、これは」

「ちゃんと自分の気持ちを白状し
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