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第27話【R18】花の蜜②

Author: 霞花怜
last update Last Updated: 2025-06-18 19:30:07

 理玖は晴翔の顔を掴まえて、唇を舐め上げた。

 するりと舌を滑り込ませて、上顎を擦り舐め挙げる。舌を絡めると、甘い香りが口から流れ込んで、頭がぼんやりして快楽が増す。

(onlyはキスが上手い人、多いっていうけど、僕はどうなんだろう)

 理玖の舌の動きに応えて、晴翔が舌を絡めてくる。 

 後ろの口を押していた晴翔の男根が、グイグイと力を強めて押し入ろうとする。

「ん、ん……、ぁん、ぅ」

 理玖の方が気持ちが善くて、思わず声が漏れる。

 晴翔の男根が、勢いよく奥までを突いた。

「ぁあ! ぁ……、ぁ……」

 突然、奥の壁を突かれて、快楽が脳を抜けた。

 軽く放心状態になった。

「ごめん、理玖さんのエロい声で我慢できなかった。思いっきり奥、突いちゃった」

 緩く腰を動かす晴翔の顔は、さっきより欲情が濃く浮いている。

「キス、めちゃめちゃ気持ち善くて止まれなかった。キスだけでイっちゃうとこだった。ヤバイ。理玖さんの全部が好きすぎて、ヤバい……」

 愛撫していた時より余裕のない声は、燥いでいるようにも聞こえる。

 返事をしたいのに、晴翔の男根が腹の中を擦って、気持ちが善すぎて言葉を発せない。

 喘ぎ声ばかりが漏れ流れる。

「んっ……ぁ……、晴翔君の、きもちぃ。むりぃ」

 晴翔の首に縋って抱き寄せる。 

 腰の動きが速さを増したと思ったら、腹の中に熱さが滲んだ。

「ぁ……、はぁ。そんな、急に抱きしめたら、興奮して、イクっ……」

 晴翔が初めて艶に塗れた余裕のない声を出した。

 ちょっと

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