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200.幸せな夏の想い出⑥

Auteur: Aica
last update Date de publication: 2026-02-10 21:58:53

この場所でも花火見れるかな。

ちょうど鼻緒擦れして足痛いしなぁ~。

あ~あ。やっぱ足赤くなってるな~。

俯きながら赤くなって足を確認する。

すると。

「大丈夫?」

隣から男性の声がする。

えっ……?

もしかして……。

根拠のない期待をしながら、声をした方に振り向くと。

「一人?」

…………。

全然知らない男性の姿。

無駄に社長かもしれないと期待した自分に、そして社長とあまりにも違う姿にガッカリする。

ハハッ。社長が声かけてくる訳ないか……。

あの瞬間で気付いてたかもわかんないし、そもそも気付いてたとしても社長が都合よく自分のとこに来るとかあるはずないのに。

そのあともなんかその人が声をかけてるみたいな気はするけど、あたしにはまったく耳に入ってこなくて、無視していたら……。

「依那!」

ん……?

今、名前呼ばれた……?

気のせい……?

この人呼んだ……訳ないよね。

「依那!!」

なんとなく聞こえてた声がハッキリと聞こえたと思えば、瞬時に手を掴まれる。

「えっ!?」

やっぱり聞き覚えのあるその声と、なぜか目の前にあたしの手を掴みながら立っている社長。

「この子。オレの恋人なんだけど」

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  • おいしい契約恋愛   318.甘い時間⑧

    「ホントですか……?」「あぁ。それもわかった上で、オレは彼らをこのプロジェクトに任命したんだから」「あっ、そっか……」「オレもそう思ったから、正直依那が適任だと思ってる」「慧さん……」「依那は、オレが想像しないようなアイデアや世界観や価値観を生み出してくれる。だからプロジェクトメンバーとしての依那に、オレも社長として大いに期待してるんだ」「ありがとうございます……」慧さんがそうやって当たり前のように、あたしの背中を後押ししてくれるような言葉をかけてくれることで、あたしはまたそんな慧さんに胸がいっぱいになる。「だけど。そっか。そういう立ち合いもあるってことか……」「そうですね。だから、ホントは明日一緒にめちゃめちゃ食べに行きたいんですけど、琉偉の仕事が立て込んでて、明日のその夜しか時間がどうしても取れなくて。うちのスケジュール的にもそれ以上延ばせないんで、絶対明日は撮影しなきゃなんです」「ん。わかった。大丈夫。オレと一緒にはまたお互いの時間が合えば行けばいい」「はい」あたしは少し寂しい気持ちを感じながらも納得する。っていうか昔のあたしならそんな琉偉と夢みたいな時間過ごせるなんて最高に嬉しかったのになー!琉偉のためなら、何時間だって待つし、どこまで遅くなっても一緒にいれる時間が増えるなら大歓迎くらいに思ったはずなのに。今のあたしは少しでも慧さんと一緒に過ごす時間が恋しい。一緒に暮らしてて、今だって一緒にいるのに。でも、やっぱり琉偉のこの感情はファンとしてワクワクする気持ちで。自分へ想いを返してくれる慧さん。自分を必要としてくれる慧さん。自分を求めてくれる慧さん。そんな慧さんは、琉偉への感情とはまたやっぱり全然違う。琉偉も好きなのは変わらないけど、すぐそばで想いを通じ合わせられている存在がいるというのは、やっぱりもっと特別なものだから。一緒にご飯に行けると思うだけでワクワクして、一緒に行けないとガッカリして。すぐそばにいるのと同じように、その度感情が同時に溢れてきて、いてもたってもいられなくなる。その気持ちを慧さんと常に共有したくなる。そんな幸せを知れただけでも、あたしは幸せに思う。

  • おいしい契約恋愛   317.甘い時間⑦

    「あっ、そうだ。明日オレ仕事打合せで外に出るんだけどさ。それが夕方には終わりそうなんだよね。久々に夜、外で一緒にメシ食わない?」「えっ、そうなんですね!  行きたいです!」うわっ、慧さんと二人で食べに行けるのどれくらいぶりだろう。最近慧さん出張とかで忙しかったし、一緒に食べに行くことも出来てなかったもんな。しかも慧さんからわざわざ誘ってくれるなんて、なんかデートのお誘いみたいで嬉しい!と、久々の慧さんの提案に心躍らせて答えてもるモノの。「あーっ、そうだ明日ダメだ!」いきなりの嬉しいお誘いに嬉しい気持ちが優先して、ほんの一瞬でも明日の予定を都合よく忘れてしまっていたのに気づいて、すぐに訂正する。「ダメって? なんか予定入ってるのか?」「はい。夜まで急遽SEIKAプロジェクトの仕事入っちゃって」そうだった。急遽今日その予定に変更になったから、思わず慧さんのお誘いが嬉しくて忘れちゃうとこだったよ。「あのプロジェクト? 依那の担当的にそんな夜急遽入る内容だったか?」「あ~。明日プロジェクトの広告に載せる琉偉の個人撮影で」「彼の……? それになんで依那が?」「それが実は撮影するテーマのコンセプトを打合せしてた時に、メンバーがあたしが出したアイデア気に入ってくれたみたいで……」「依那が出したアイデア?」「プロジェクト内で相談してた時は、なかなか思ったよりいい案が出なくって。それでついあたしがファン目線の方向でチラッと提案したら、まさかのそれがいいって、チームの皆もEveRのメンバーも賛同してくれて。でもそのイメージ通りに仕上げるために、あたしが全員の撮影に立ち会うことになっちゃったんです」「そんなの、依那が大変なんじゃないのか?」「いえ。元々EveRのファンだし撮影立ち合えるのなんて正直役得ですし、それに何より自分のそのアイデアは、誰よりEveRの良さや魅力をよく知ってるファンの自分だからこそ生まれたアイデアだと思うんです。だから、それをちゃんと想像通りの形に仕上げたいんです。きっとそのアイデア通りの形になれば、このプロジェクトのアンバサダーとしてのEveRはもちろん、プロジェクトとしてもどれほどすごいモノで魅力的なことかを絶対たくさんの人に知ってもらえると思うんで、あたしも妥協したくないっていうか」と、気付いたら長々と慧さんの前で熱弁

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    そして、あたしは振り向いたまま、もっとしっかり慧さんの方に身体と顔を向け。ギューッ。正面から慧さんの胸元に抱きつく。「ん?依那? どした?」あたしが黙ったままギューッと抱きついたままでいると、慧さんが声をかけてくる。「慧さん。大好きです」そして、あたしは胸元に顔を埋めたまま、思ったままの気持ちを慧さんに伝える。「ん」そして、慧さんは片手は抱きついたままのあたしの背中に手を回し、もう片方の手は、同じように抱き締めながら頭に優しく触れ、丸ごと抱きかかえてくれる。ゆっくり何度か頭をポンポンなで、あやすように触れる。それがなんだか心地よくて、それから少し何も言わずその時間を二人で感じる。特にそこで言葉を交わさなくても、慧さんのこの触れてくれる手から抱き締める強さから、あたしと同じように想いを返してくれているのだとわかる。「依那」「はい」そして、慧さんが静かにあたしの名前を呼ぶ。「いつかさ。依那を連れて行きたいところがある」「えっ、連れて行きたいとこ、ですか?」「うん。っていうか、一緒に行ってほしい場所、でもあるかな」特にどことは告げずに、そう伝える慧さん。「あたしは慧さんとならどこにでも」慧さんがあたしと一緒に行きたいと思う場所なら、どこだってついていく。「そこはオレにとって、大切な場所で……。だけど、ある時から行けなくなってた場所。依那に、そこについてきてほしい」慧さんにとって、それが何を指して、どういう意味を示しているのかはわからない。だけど、慧さんの中で大切だと思える場所に、あたしを連れて行ってくれると言ってもらえただけで嬉しい。今はそれがどこなのか、それがいつなのかもわからないのに、なぜだか今までとは全然違う安心みたいなものを感じる。今までは、慧さんが自分だけで抱えていた傷をなかなか打ち明けてくれなかった寂しさや、心を開いていないのかもというもどかしさを感じたりしたこともあったけど。だけど、今の慧さんからのこの言葉は、具体的な的確な何かを伝えなくても、なぜかその先の未来にあたしがちゃんといるような、そんな気がしたから。いつかのその時に、あたしがちゃんと慧さんの隣にいる。そんな未来を、ちゃんと慧さんは思い浮かべてくれている。慧さんの中で大切な何かに、きっとこの先あたしも触れさせてもらえるような、なんかそんな予

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    すると。「ヒャッ!」首筋に唇が触れたのを感じて、思わずあたしは大声を上げてしまう。「フッ。なんて声出してんだよ。もっと色っぽい声出せないわけ?」すると案の定そんなあたしに笑って、慧さんがその声を指摘する。「いきなりでビックリしちゃって……」そんな急な不意打ちで来るとは思わないじゃん!「そっか。なら、不意打ちじゃなきゃ大丈夫ってことだよな?」「えっ?」すると、あたしの髪を片側にまとめて首を出し、後ろから首筋や肩に、一つずつ口づけをしていく慧さん。「んっ……」あたしは思わずその唇の熱を感じて、吐息が漏れてしまう。「フッ。ちゃんと色っぽい声出せんじゃん」そう意地悪っぽく言って、また何度も隙間がないくらい何度も唇を落とす。「ちょっ……慧さん……ズルいですぅ……」「ん? 何が?」あたしがなんとか反論しても、慧さんはクスっと笑って、そのままやめることをしない。こんな時も慧さんは甘く意地悪に笑って、だけど、愛しそうに優しくその唇で触れてくれる。「慧さん……。もう……心臓が……持たないです!」もう……! こんなの心臓が破裂する……!甘い慧さんは何度味わってもドキドキする。いきなりのこの対応は、さすがにどう反応していいかわからなくて戸惑ってしまう。「フフ。ごめんごめん。つい。依那が可愛かったから」そして、ようやくそれをやめ、抱き締める手はそのままで、笑ってあたしの言葉に慧さんが答える。「依那が近くにいると愛しさが溢れて止まらなくなる」「えっ?」「不思議だな。今まで我慢出来てたのが嘘みたいだ」「そんな……ですか?」慧さんの口から今まで言わなかったような言葉がスラスラと出てきて、あたしは思わず聞き返してしまう。「だから、今日も早く帰ってきた」「慧さん……」それって、あたしがいるから早く帰ってきてくれたってことだよね……。そんな風に慧さんの中で、あたしが今存在出来てることが嬉しい。「なんか違う人みたいですね?」あたしは嬉しいながらも、あまりにも今までと違う慧さんに伝える。「ホントはこっちだったのかもな」「え?」「なんか全部依那に受け止めてもらえるって思ったらさ。依那が好きだって気持ちも、どんどん抑えが効かないくらい溢れてくる」そんな嬉しい甘い言葉を後ろで優しく囁く。「会いたいって気持ちも、一緒にいたいって気持ち

  • おいしい契約恋愛   127.親友への報告④

    「えっ!? どういうことですか!?」「偶然、ある店で逢沢と出会ったことで、オレが逢沢にあることを頼んだんだよね」「頼んだ?」「あのね、桜子。あたしが前から勉強のために、うちの会社がプロデュースした店いろいろ巡ってたの知ってるでしょ?」「あぁ~。依那、夢叶えるために、いろいろ巡って勉強してるもんね。あたしも何件か一緒に行ったこともあるし」「そう。その勉強でね。行ったお店で、たまたま社長と出会って」「そうなんだ? まぁ、確かに会社でプロデュースしてるお店に行ってたら、会ってもおかしくはないか」「その時にさ、たまたまいた逢沢に。オレから声かけた」「社長からですか!? よく依那だって

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  • おいしい契約恋愛   126.親友への報告③

    それから、飲み物や少しずつ食事が来て少し落ち着いた頃に。「さっ。話。始めようか」社長が口を開いた。「驚かせて悪かったな、河野」「いえ……。でも、すいません。まったく状況が把握出来なくて……」「うん。そうだろうな。ホントは逢沢が事前に話してればこんな戸惑うこともなかったんだろうけど、そこはオレに気を遣って逢沢が誰にも話さないでいてくれたから」「あっ、そうだったんですね……」「だけど。親友の河野には、ちゃんと全部話しておきたいからって逢沢に相談されて。お前らの間に行き違いや勘違いが生じないように、ちゃんとオレからも状況説明する必要があると思ったから、今回オレらも同席させてもらった」

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   131.親友への報告⑧

    「え、ヤバッ。依那、あんた社長の前ではそんな感じなんだ!?(笑)」「あっ……」「なんだ、心配することないじゃん(笑)」「え?」「ちゃんとあんたはあんたらしくいれてんじゃん。社長と初めて会った時も、そうやって同じように威勢よく立ち向かってたし(笑)」「いや、あれは……!」「あ~そっか。そういえば、あの時もそんな感じだったね。ほら、あたしが言った通りになってんじゃん」「え? なんて言ってたっけ?」「人生何が起きるかわかんないよって」「あ~、そういえばなんかそんなこと言ってたかも」「あの時、そうやって話してる二人の雰囲気いい感じだな~と思ってたんだよね」「あ~。確かに。あの時

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   129.親友への報告⑥

    「そうだよな。逢沢はそんな普通ではない始まりだったんだけど、もしかしたらオレ的には逆にそれがよかったのかもしれないな」「そのお店で出会ってからですか?」「うん。とりあえず逢沢はその日追い出されるカタチになって、行くところに困ってたから、オレん家にしばらく泊めることになった。といっても、オレん家は空き部屋も結構あるし、柾弥やいろんな知り合いがしょっちゅう泊まること多かったから、実際逢沢もそんな流れで泊めただけ」すると、社長がその日の状況を説明しだしてくれた。「そっか。そこからの偶然の流れで始まったってことなんだ」「そん時に、逢沢は泊めてくれるお礼にって、家の掃除とか料理とかしてくれて

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