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第106話

Auteur: ルーシー
「この人、誰?見たことないわね」

「見たことないのも当然よ。拓海がパーティーに連れてくる女、毎回違うじゃない」

「それもそうね。拓海って、同じ相手を続けて連れてきたことなんて一度もないし」

「でもさ、今まであの人が女のためにわざわざ車のドアを開けたことある?」

「言われてみれば......ないわね。今夜が初めてじゃない?あの女、一体何者なの?富豪名簿にそんな名前あった?」

ひそひそ話は大きな声で交わされ、玲奈の耳にもほとんど入ってきた。

だが、そうした声に彼女は一切気を留めない。

車を降りた玲奈に、拓海は身をかがめて言った。

「人が多ければ噂も多い。気にするな。最初から最後まで、俺の心にいる女はベイビー、君だけだ」

その言葉が本心かどうかは分からない。

玲奈は依然と気に留めず、彼と腕を組み人々の視線を浴びながらオークション会場の中へと進んだ。

まだ開会前だが、ステージにはすでに宝飾品などの出品物が並べられている。

客席には次々と人が入り、後方では記者がカメラを構えていた。

拓海は玲奈を連れ、最前列の席へ向かう。

千人は収容できるという広い会場の中で、最上級の
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