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第193話

Author: ルーシー
智也は洗面所の壁にもたれかかっていた。

言葉を最後まで言い切る前に、玲奈は電話を切ってしまった。

暗くなった画面を見つめながら、胸の奥が妙にざわつく。

ポケットから煙草を取り出し、火をつける。

炎が立ち上がった瞬間、薫が洗面所から出てきて、興味ありげに声を掛けた。

「誰と電話してたんだ?

そんなにこそこそと」

智也は深く煙を吸い込み、吐き出すと同時に目を細めた。

「妻だ」

「妻?」

薫は一瞬ぽかんとし、それからようやく気づいた。

玲奈のことだ。

「どうしたんだ?

お前、今まで自分から電話なんてしたことなかったろ」

智也自身、最近の自分は変わったと思う。

最近はふと玲奈のことが頭をよぎり、彼女の行動が気になって仕方がない。

けれど、それは愛莉の母親だから当然だ、と自分に言い聞かせる。

答えに窮し、黙って煙をくゆらせる。

一本が燃え尽きる頃、ようやく身体を起こし、ぽつりと呟いた。

「最近、あいつは言うことを聞かなくなった。

俺が、ちゃんと締めるべきなのか?」

薫は思わず目を見開き、言葉を失った。

そんな問いにどう答えればいいのか。

智也はそれ以
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