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第79話

Author: Hayama
last update publish date: 2026-03-06 17:00:00

大事な話があると呼び出されたのに、ベンチに並んで座ってから、もう十分以上が過ぎていた。

樹は、ずっと黙ったまま。

不安が、じわじわと胸の奥から広がっていく。

風が吹くたびに、落ち葉が足元をかすめていく。

季節が変わっていく音だけが、耳に届く。

私達の間に流れる沈黙が、その音をより鮮明にした。

これは、きっといい話じゃない。

彼の横顔が、そう物語っていた。

その表情は、ひどく苦しそうで、何かを飲み込もうとしているようだった。

言いたいことがあるのに、言えない。

そんな葛藤が、彼の瞳の奥に滲んでいた。
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